愛犬はおしっこし過ぎてない?犬の一日の適正なおしっこの回数とは

愛犬はおしっこし過ぎてない?犬の一日の適正なおしっこの回数とは

愛犬に一日でも長く元気に過ごしてほしいと願っているのなら、日々、愛犬の健康状態に気を配ることはとても重要です。食欲の有無や目の輝き、飼い主さんの声に対する反応のほかにも、おしっこの回数や量も愛犬の健康状態を知るための大切なバロメーターになります。そこで今回は、犬の適正なおしっこの回数や、どんなおしっこが要注意なのか、おしっこにまつわる病気などについてご紹介したいと思います!

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

愛犬はおしっこし過ぎてない?犬の一日の適正なおしっこの回数とは

ペットシートの上に座ってこちらを見上げる犬

おしっことは?

そもそも、「おしっこ」は体のどんなメカニズムによってできた物質なのか、正確にご存じでしょうか?実は私自身、「おしっこ」は口から水分を摂る→胃腸で吸収→膀胱に溜まる→尿として排出されたもの、と思っていました。ところが、実際はそんな単純なメカニズムではありません。

「おしっこ」は、食べたものが胃や小腸といった消化管で消化分解・吸収され栄養素が吸収されます。大腸から収された水分は、血液に混じり全身を巡ります。全身をめぐった血液は腎臓でろ過され、体に必要なものと不必要なものに一旦分類されます。

不必要と分類された物は原尿と呼ばれます。原尿は腎臓の中を通過する途中でさらに必要なものと不必要なものに再分類され最終的に尿として排泄されます。

原尿中の水分99%が再び体内へ戻り、残り1%の水分が尿管を通って膀胱へと運ばれます。そして、膀胱がいっぱいになると、尿道を通って体外へと排出されます。つまり、この「残り1%の水分」がおしっこなのです。

おしっこの成分の96%は水分ですが、ニオイがするのは分解される段階で発生するアンモニアなどの老廃物が含まれているからです。さらに、犬の場合は「マーキング」に必要な犬のホルモンも含まれています。

子犬の場合

一日で7~10回が目安です。

成犬の場合

一日で3~4回と言われていますが、食べている食事によって回数は変動しますし、暑い時期は当然、水を飲む量が増えるのでおしっこの回数も増えます。また、散歩中のマーキングを含めると、もっと多いこともあります。

シニア犬の場合

シニア犬の場合は、膀胱の機能も低下するためやや頻尿になり、成犬よりも回数が多く一日に5~6回が目安となります。

おしっこが多いときに考えられる病気

獣医師の診察を受けるボストンテリア

「おしっこの量が多い」と判断する目安

体重が1キロあたり50mlを超えると多尿と言えます。例えば、体重10キロの犬が500ml以上の尿を出していると尿の量が多く、必然的におしっこをする回数も増えているはずです。

もちろん、「多尿」は同時に水をたくさん飲むことで起こるので、24時間で体重1キロあたり90から100ml以上何日も飲み続けるようなことがあれば、水を飲みすぎていることになります。このような状態のときには、どんな病気の恐れがあるのでしょうか。

  • 糖尿病
  • 腎臓病
  • 子宮蓄膿症
  • クッシング症候群

回数以外で問題のあるおしっこの状態

ペットシーツの上で腹ばいになるパグ

あきらかに色がおかしい

正常なおしっこの色は、淡い黄色かむぎわら色で透き通っています。山吹色だったり、少しオレンジ色がかかっていたりするときには、肝臓や膵臓などに何か問題が起きている可能性があります。また、逆に色が異様に薄いときは腎不全やホルモン系に異常がある恐れがあります。

おしっこのニオイに違和感がある

糖尿病の場合、糖が腎臓で分解されずに体内にブドウ糖として排出されるので、かなり大量にブドウ糖が排出された場合、アンモニアのニオイとともに甘いにおいがすると言われています。逆に全くニオイがない場合も、おしっこの色が薄くなっているときと同様の病気の可能性があります。

トイレを頻繁に失敗する

普段はほとんど失敗しないのに、頻繁にトイレを失敗したり、寝ている間におねしょをしたりする場合も、多尿が考えられます。

まとめ

ソファーで男性とハイタッチするラブラドール

尿に異常が起きるときには、マダニによる感染症のバベシアなど、たった数時間で命を落とすほど急激に病状が進行してしまう場合もあります。「少し様子を見よう」と思っているうちにとりかえしがつかない状態にまで悪化してしまうこともあり得ます。

例えば、ふだんの散歩のときも飼い主さんはただ、愛犬との散歩を楽しむだけでなく、その間に愛犬のおしっこやウンチに何か異常がないかなど、愛犬の健康状態をチェックするように心がけましょう。

また、室内のペットシーツの上におしっこをする場合も、ふだんのおしっこよりも明らかに色が濃かったり、極端に量が少ないにも関わらず、とても濃い色のおしっこをしていたりといった異常に気が付いたら、できるだけ早く、かかりつけの獣医さんの診察を受けてください。

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