1日の犬の水分摂取目安量はどのくらい?
今回は、犬が異常に水を飲むときに考えられる危険な病気について解説していきますが、その前に、1日の正常な犬の水分摂取目安量を知っておく必要があります。
一般的に、体重1kgに対し50~60ml以内の水分量を摂取している場合は、正常な範囲と言われています。つまり、5kgの小型犬であれば、1日の正常な水分摂取量は約250~300mlということになります。
しかし、この量を超えてくると、水分摂取過多となります。もしも水分摂取量の多い日が数日にわたって続いている場合は、何らかの病気を抱えている可能性も疑いましょう。
犬が異常に水を飲むときの『危険な病気』4選
では、上記の目安量を超えてしまい、水分摂取過多として認められる場合、どのような病気が考えられるのでしょうか。以下のような病気が疑われるので、あまりにも異常に水を飲み続けている場合は、早めにかかりつけの動物病院へ連れていきましょう。
1.糖尿病
中年期から高齢期の犬に発症例が多く見られる糖尿病は、インスリンが正常に作用しなくなることにより、血液中にあるブドウ糖を細胞に取り込み利用できなくなる病気です。
糖尿病の主な症状として、体重減少や嘔吐や下痢を繰り返すといった症状が挙げられますが、その中に飲水量や尿量が増えるといった症状もあります。
糖尿病は発症しても発見が遅れることが多く、体重減少が始まってから発覚するケースも多いです。合併症を発症してしまうと治療の難易度も上がってしまうので、初期段階のちょっとした異常に気付くことが大切です。
2.クッシング症候群
クッシング症候群とは、コルチゾールというホルモンが分泌されすぎてしまうことにより、体に様々な悪影響を及ぼす病気を指します。
クッシング症候群を患うと、免疫力が低下し、それにより皮膚炎や膀胱炎など様々な病気を併発します。先に紹介した糖尿病を患うこともあるので、クッシング症候群は早期に発見することが治療へのカギとなります。
クッシング症候群の主な症例として、飲水量が多すぎることやお腹が膨れる、左右対称に毛が抜けるといった症状が挙げられます。特に高齢犬によく見られる病気なので、シニア期に入っている犬は特に注意しましょう。
3.子宮蓄膿症
避妊をしていないメスに見られる病気です。細菌に感染することによって、子宮に膿が溜まってしまう病気です。徐々に元気や食欲がなくなり、嘔吐といった症状を引き起こすこともあります。
発情後約1~2ヵ月で多飲多尿といった症状があればこの病気を疑います。重症化すると命に関わる危険な病気なので、当てはまる症状を見せた場合は念のため、すぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
4.腎臓病
水を飲む量が多くなる原因のひとつに、腎臓病が挙げられます。腎臓の機能が低下することにより、尿が多く出るようになり、結果として水を飲む量も多くなります。
水を飲む量が多くなる、尿量が多くなるといった異常は、特に腎不全の初期症状として現れることが多いです。意外と見過ごしがちな症状ですが、初期段階で発見することで、腎不全の進行を緩やかにすることができます。急性腎臓病は急激に体調不良が起こることがありますので、要注意です。
腎臓病は、他にも体重減少や下痢、嘔吐、貧血、痙攣といった症状を引き起こします。少しでも疑いがある場合は、迷わず診察と検査を行ってもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬が異常に水を飲むとき、同時に尿も多く出ているはずです。こうした異常が認められる場合、何かしらの病気を抱えている可能性が高いです。このサインを見逃さず、病気の早期発見に努めましょう。