愛犬に服を着せることのメリット・デメリット
犬に洋服を着せるのは反対だという方もおられるでしょうが、洋服が愛犬の健康管理に必要な場合もあります。ストレスの少ない状態で洋服を活用することを考えてみてはいかがでしょうか。
まずは、愛犬に洋服を着せることのメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
- 体温調節補助:水で湿らせて使用するベストや防寒着等による体温調節補助
- 病気の予防:アレルゲンや寄生虫からの防衛、傷跡を舐めさせない等
- 汚れの防止:脚が短い犬種の腹部汚れや雨の日の泥水汚れ等の予防
- 周囲への配慮:公共施設や不特定多数が共用する施設利用時の抜け毛飛散防止等
デメリット
- ストレス:動きなどへの制約が多くなることによるストレス発生
- 怪我の要因:服が脱げることによる怪我の発生
- 誤食要因:仕立てが甘く、装飾品等が多い場合に誤食のリスクが高まる
- 被毛へのダメージ:服との接触面に静電気が発生したり毛玉ができやすくなる
犬の洋服を選ぶ際のポイント
1.サイズの合った服を選ぶ
人の子供服のように「成長が早いので1サイズ大きめの服を選ぼう」と考える必要はありません。洋服を着ても愛犬の行動は変わりません。そのため、サイズの大きい服を着ていつも通りに走り回っていると、服が自然と脱げてしまい怪我をする原因になりやすいからです。
犬の洋服の場合は、愛犬の動きに制約を与えず、大きすぎない適切なサイズの服を選ぶことが最重要ポイントと言えるでしょう。
2.良い素材の服を選ぶ
犬の服は、全身を覆っている被毛の上に着せますので、非常に静電気が発生しやすく、それが元で被毛にダメージを与えてしまうことがあります。犬に着せる服は、良質な天然素材のものを選びましょう。
3.装飾品が多く取れやすいものは選ばない
ボタンやフリルなどの装飾品が多いデザインの服は、人から見ると可愛くて素敵でも、犬にとっては面白いおもちゃとなり、装飾品を食いちぎって飲み込んでしまうという事故につながりやすいです。なるべくシンプルなデザインの服を選ぶことをおすすめします。
4.丈夫な作りの服を選ぶ
装飾品がなくても、作りが粗雑だとすぐに破れたり食いちぎられてしまい、やはり誤食事故につながりますので、縫製もしっかりとしたものを選んでください。
5.サイズ表記以外の記載内容を確認する
同じ「犬」といっても、犬種によってその体型はさまざまです。服についているS,M,L等のサイズ表だけで判断せず、数値データや追記説明をよく読んで、愛犬に最も適したサイズの服を選んでください。
犬の正しい採寸場所
犬の体型は、犬種による違いだけではなく個体差もあります。犬の服を選ぶ前に愛犬のサイズを採寸しておくことをおすすめします。採寸中、犬はじっとしてくれませんので、3回程計測し、平均値を使用する等の工夫で精度を高めましょう。また、犬の採寸場所は下記の説明を参考にし、正しく計測することを心掛けましょう。
首回り
首の周囲です。首輪の位置で測ってしまうと服としては小さすぎる数値になりますので、首の付け根の周囲をぐるっと1周分測るようにしましょう。
胴回り
胴の周囲です。肝心なのは最も太い場所を測ることです。大抵の場合、前足のすぐ後ろあたりが最も太い場所ですが、目視確認して計測場所を確定しましょう。
着丈
首回りを測った首の付け根の部分からしっぽの付け根の部分までの距離です。首輪の位置から測り始めると、サイズが長めになってしまいます。
ウエスト
マナーパンツを履かせる場合に必要なサイズです。胴の中で最もくびれている部分(後ろ足の前あたり)を測ります。サイズが大きすぎるとパンツが脱げてしまいますので慎重に測りましょう。
前丈
マナーパンツを履かせる場合のように、着丈を短めにしたい場合のサイズです。首回りを測った首の付け根の部分から下腹部(ウエストからしっぽの付け根までの中間あたり)までの長さを測ります。
犬の洋服選びの注意点
必要があるので犬に服を着せるわけですから、冒頭で整理した「服を着せることによるデメリット」を極力抑える必要があります。そのためには、下記のような点に注意を払いましょう。
- 無理強いはせず、徐々に慣らしていく
- 目的に即した質の良い服を選ぶ
- 愛犬の体型に適したサイズの、動きやすい服を選ぶ
- 天然素材で質が高く着心地の良い素材の服を選ぶ
- デザインが可愛くても華美な装飾品が付いていたり粗雑な縫製の服は選ばない
まとめ
愛犬は着せ替え人形ではありません。服を選ぶ時に、つい飼い主さんが「可愛い」「かっこいい」と思うデザインを優先してしまうかもしれません。しかし、犬に着せる服には目的があります。愛犬の健康と安全を最優先し、目的をしっかりと果たせる質の良い服を選び、その選択肢の中から、見た目が良いデザインのものを選ぶようにしましょう。