ご近所迷惑を考えるとおとなしい犬が理想
犬は言葉を話せませんが、吠えたり鳴いたり唸ったりして、気持ちを訴えます。犬にとって吠えることはごく自然な行動であり、全く吠えない犬はいないのです。
とはいえ、住宅密集地やマンションなどの集合住宅で犬を飼う場合は、吠え声はご近所迷惑になってしまいます。ご近所迷惑のことを考えると、あまり吠えないおとなしい犬が求められるでしょう。そこで今回は、おとなしいと言われることが多い犬種をご紹介したいと思います。
おとなしいと言われることが多い犬種は?
1.シー・ズー
- 原産国:チベット
- サイズ:小型犬(体高26.7㎝以下、体重4.5~8.1㎏)
チベット原産のラサ・アプソと中国原産のペキニーズを交配して誕生したのがシー・ズーと言われています。中国の宮廷で寵愛され、紫禁城でも飼育されていたという記録が残っています。祖先犬であるラサ・アプソと外見がそっくりなため、同じ犬として扱われていた時期もありました。
陽気で人懐っこく、気性も穏やかなので、世界各国で人気がある犬種です。ムダ吠えが少ないので集合住宅でも飼いやすいと言われています。ただ頑固な一面があるため、子犬のうちから根気よくしつけをしないと、わがままになってしまうことがあります。
2.パグ
- 原産国:中国
- サイズ:小型犬(体高25~28㎝、体重6.3~8.1㎏)
起源の詳細はよく分かっていませんが、紀元前から祖先犬と思われる犬がチベットの寺院で飼われていたという記録が残っています。17世紀にヨーロッパに持ち込まれ、王族や貴族たちの間で人気の犬種となりました。一時は人気が衰え数が減少したものの、19世紀にアメリカで人気が高まり、やがて世界へと広がっていきました。
常に冷静沈着でムダ吠えも少ないですが、陽気さと明るさも持ち合わせています。自立心が強く少し頑固な一面があるものの、暴力的な行動に出ることはあまりありません。しかし頑固ゆえに、しつけをする際に飼い主の粘り強さが求められることも。
3.バセンジー
- 原産国:中央アフリカ
- 中型犬(体高40~43㎝、体重9.5~11㎏)
古代エジプト王に愛されていた古い歴史を持つ犬種です。古代エジプト王朝滅亡後は、中央アフリカのコンゴのピグミー族に狩猟犬として使われていました。1937年以降にイギリスやアメリカで飼われるようになり『吠えない犬』として世界中で脚光を浴びました。
滅多に吠えませんが、うれしいときはアルプスのヨーデルのような声を出します。独立心旺盛ですが利口でおとなしく、飼い主に従順です。しかし他人には警戒心が強く、初対面で不用意に触れたりすると噛みつくこともあるので注意が必要です。
4.ゴールデン・レトリーバー
- 原産国:イギリス
- サイズ:大型犬(体高51~61㎝、体重25~34㎏)
はっきりとした起源は不明ですが、ツィード・ウォーター・スパニエルが交配に用いられたことは確かなようです。「レトリーブ」は「回収する」という意味。かつては、ハンターが撃ち落とした鳥を回収する鳥猟犬として活躍していました。
少し垂れ気味の目が優しい印象が与えますが、その印象通り温和で優しい性格をしています。子犬の頃は少々やんちゃで、成長とともに落ち着いてくる傾向があるようです。
警戒心が低く、あまり吠えないので番犬には不向きと言われています。基本的に穏やかですが大型犬で力があるので、人に飛びついたり興奮しすぎたりしないように、子犬の頃からしっかりしつけをする必要があります。
まとめ
今回は、おとなしいと言われることが多い犬種の中から4犬種をご紹介しました。もちろん個体差はありますが、あまり吠えないおとなしい犬を飼いたい場合は、参考にしてみてください。
ぜひ理解しておいてほしいのは、おとなしいと言われることが多い犬種だからといって、社会化やしつけを怠ったり、甘やかしたりすると、吠えたり噛みついたりする犬になってしまう可能性が高いということです。どの犬にも社会化やしつけは必要だということを忘れないようにしましょう。