犬の運動は散歩させるだけでも大丈夫?
犬の運動は散歩させるだけでも大丈夫!だたしこんな散歩はNG!
結論から言うと、犬の運動は散歩させるだけでも大丈夫です。
ただし、「いつも同じ時間に出かけ、同じコースしか歩かない」「排せつだけが目的の散歩」「歩く速度も常に一定」というような、単調で何の刺激もないような散歩はNGです。刺激がないということは「わくわく」したり、「ドキドキ」したりと言った感情の動きは生まれません。
私たち人間も、旅行へ行ったり、習い事をしたり、お友達と会って食事をすることでいろいろな刺激を受け、感情の動きが生まれ、生活に充実感を覚えます。犬は、私たち飼い主が与えない限り、自由に外の世界と触れ合うことはできません。
唯一、外の世界から刺激を受けるのは、散歩にために家の外へ出るときだけです。その散歩の最中に外の空気の中に混ざるニオイを嗅いだり、いろいろな動物の息吹を感じたりすることが愛犬にとっての充実した時間になるのです。
散歩ができないときこそ遊びで愛犬を満足させよう!
悪天候が続いたり、シニア期や妊娠中などで散歩中に体調の変化が起こる可能性があったりして、外出が難しいときこそ、おうちの中での「遊び」の出番です。
犬には、追いかけたい、探したい(追跡行動)何かを運びたい(持来本能)、遊びたい(遊戯本能)という本能的な欲求を持っています。そして、そう言った本能に基づく欲求を満たすことで、犬の精神状態が落ち着きます。
また、足を踏ん張ったり、家の中を動き回ったりすることで体を使えば「運動本能」が満たされます。飼い主さんとの散歩の効果は、ただ、飼い主さんと愛犬の信頼関係を強くするだけでなく、愛犬の本能的な欲求を満たすことで愛犬の精神状態が落ち着くという効果もあったのです。ですから、散歩ができない状態のときこそ、飼い主さんが工夫して愛犬と遊び、愛犬の心身を満足させてあげましょう。
散歩にプラスするおすすめの遊び方
かくれんぼ
カーテンの影や布団の中など愛犬が簡単に見つかる場所に隠れます。愛犬が飼い主さんを見つけ出したら褒めて、また、愛犬の注意を逸らしながら別の場所に隠れます。
宝探し
愛犬のおもちゃを簡単に探せる場所に隠します。「探して!」という合図を出すまで「まて」をして動きを制止させておくと、よりゲーム感と緊張感が増し、また簡単でもルールを作り、そのルールに従わせることで愛犬へのトレーニングにもなります。
ひっぱりっこ
引っ張っても壊れたり、千切れたりしないおもちゃを引っ張りあいます。途中、「まて」と愛犬の動きを制止させ、おもちゃを一旦、取り上げて遠くへ投げ、取りに走らせても良いでしょう。持ってきたら、しっかりと褒め再度、ひっぱりっこをしたり、取り上げて隠したりして遊びます。
散歩+遊びを取り入れることの効果
脳トレになる
びっくりしたり、興奮したりすることで脳内に「ドーパミン」という物質が分泌されます。人間の脳内ではドーパミンは集中力がアップしたり、ポジティブな行動がとれたりするようになるなどの効果が見られます。おそらく、犬の脳内でも同じ効果があると考えられています。
また、飼い主さんと遊んで犬が「楽しい」と感じれば「エンドルフィン」や「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。つまり、遊ぶことで脳の動きが活発になり、すなわち「脳トレ」になると言えます。
飼い主さんと上手にコミュニケーションが取れるようになる
ドーパミンが分泌されて集中力が上がった状態で、飼い主さんの声を聞き、「言葉」を聞き分け、その指示に従って行動していくうちに、愛犬はどんどん飼い主さんの意思を理解できるようになります。
また、飼い主さんの方も愛犬の目の動きや表情から愛犬の要求を察することができるようになり、お互いに上手にコミュニケーションが取れるようになります。そして、「飼い主さんと上手にコミュニケーションが取れる」ということは、群れを作って生きていた犬の社会的本能をも満たす、という効果があります。
ストレス解消になる
ただ運動不足を解消してすっきりする、という単純なストレス解消ではありません。愛犬にとって飼い主さんと充実した散歩をすること、無我夢中で遊ぶことは「何かをしたい、でも、できない」という葛藤が生み出すストレスを解消する効果があります。
まとめ
全ての家庭犬において「犬の運動は散歩させるだけでも大丈夫」と言い切ることはできません。なぜなら、犬の年齢、犬種、性格などによって必要な運動量が違うからです。それと、「どんな散歩をしているか」によって「散歩だけで大丈夫」か「そうでないか」が違ってきます。この場合、「大丈夫」と言うのは犬の満足度が高い、ということを意味します。
たとえ、毎日一時間きっちり散歩に出かけていても、出発する時間も歩くコースもいつも同じで、飼い主さんも犬も淡々とただの生活習慣として歩いているだけなら、犬の満足度はあまり高くありません。
逆に、常にサプライズ要素があり、毎回違うコースを歩いたり出かける時間も飼い主さんの都合に合わせて朝だったり昼間だったり、夜だったりと言った変化を持たせた方が犬にとっては刺激になり、より満足度が高くなります。
犬も人間も、長く生きていると、肉体も精神も老いて、皮膚も心も弾力性が失われていきます。喜怒哀楽も鈍くなると、脳の動きも鈍くなります。愛犬の心の若さを保つために、変化に富んだ経験ができるように工夫して毎日の散歩や遊びを楽しみましょう。