犬も「おなら」をするって本当なの?
「おなら」は自然な生理現象となり、止めることができません。実は人間に限らず、動物もおならをします。もちろん犬も例外ではありません。
おならとは、腸に溜まったガスや空気が肛門から排出されることを指します。ほとんどの成分が空気ではありますが、体調不良や病気のときには体内にガスが発生しやすくなり、おならの回数が増えることがあります。
「おなら」から考えられる病気
胃炎(慢性胃炎・急性胃炎)
胃の粘膜に炎症が起こり、嘔吐や食欲低下が見られます。全ての犬種に発生する可能性がある病気です。胃腸の動きが悪くなるため、おならの臭いや口臭に変化が表れやすいです。
腸炎
原因は多岐に渡り、細菌感染や寄生虫、免疫疾患など様々です。腸炎になると、嘔吐や下痢による脱水症状が起こります。衰弱が進むと他の病気を併発することがあるため、注意が必要です。
炎症性腸疾患
総称して「IBD」と呼ばれる原因不明の慢性腸障害です。自己免疫性疾患に分類され、長期間に渡る慢性嘔吐と下痢が主な症状となっています。残念ながら完治が難しく、内服薬の投与、食事療法を中心として症状を抑えるようになります。
膵外分泌不全
膵臓の消化酵素が欠乏し、消化不良を起こす病気です。栄養の吸収が十分にできなくなっていくので、食欲はあるのに痩せていく…という変化が見られます。大型犬に発症しやすい傾向があるようです。
腸内腫瘍(大腸ガン・直腸ガン)
大腸ガン・直腸ガンになると、軟便や血便の症状が見られます。腸内に腫瘍ができるとおならの臭いが強くなるため、異常に気付くこともあります。
「おなら」をしやすい犬種は?
鼻が潰れている短頭種は、口呼吸の際に空気を大量に飲み込むため、おならが出やすい犬種とされています。元気で食欲があれば緊急性は下がりますが、知識として覚えておきましょう。
《短頭種の一例》
- パグ
- フレンチブルドッグ
- ボストンテリア
- ペキニーズ
- ボクサー犬 など
犬の「腸内フローラ」を整えるには?
最近話題の「腸内フローラ」、年齢によって違いがあり、動物の種類によっても特徴があります。腸内では多数の細菌がバランスを取りながら生息しており、その様子が「お花畑([英] flora)」のように見えることから『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
《腸内フローラを整える方法》
- ストレスのケアを行う
- 食物繊維を豊富に含むドライフードを与える
- ペット用のサプリメントを活用する
腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」の3グループで構成されています。善玉菌が増えて腸内環境が良い状態だと、免疫力や抵抗力が高まり、病気にかかりにくい健康な身体を作ることができます。
まとめ
健康な犬でも、日常的におならをしています。おなら自体が悪い訳ではありませんが、頻度の高さや臭いの状況によって、重大な病気が隠れている可能性が考えられるため、異常を見つけたら早めに動物病院に行くようにしてください。
手軽に受けやすい「腸内フローラ検査」のサービスも増えてきています。検査結果を元に食生活と生活習慣を見直し、愛犬と一緒に健康な毎日を過ごしましょう!