ダメ行為①叱ってばかりでほめない
犬のしつけと言うと、「厳しく叱るべき」と思っている人も少なくありません。しかし、多くの犬は飼い主さんにほめられることが大きなモチベーションとなります。
叱られると、恐怖心や「怒られたくない」という気持ちで一時的に問題行動などが改善されることはありますが、それがモチベーションにつながるということはないでしょう。
むしろ、叱られてばかりではどんどんモチベーションが低下してしまい、トレーニングに意欲的に取り組めなくなってしまいます。その結果、何度教えてもなかなか覚えられなくなるなど、パフォーマンスも低下します。特に大好きな飼い主さんが相手の場合は、ほめられることがごほうびになります。
おやつやおもちゃなどをもらうだけでなく、撫でてもらったり、にっこり笑って「すごいね」とほめてもらったりすることでモチベーションが上がっていくのです。
また、厳しすぎる罰や体罰を与えることも犬のモチベーションを下げる要因になります。心が折れて、しつけや飼い主さんとの関わりに積極的になれなくなってしまうので、罰の与え方には十分に気をつけましょう。
ダメ行為②犬のことを見ていない
多くの犬は、飼い主さんのことが大好きです。そのため、飼い主さんとコミュニケーションを取ろうとして、そばに寄ってきたり吠えて注目を集めようとしたり、いろいろな方法でアピールをしています。
そんな中で、飼い主さんに向けてボディランゲージを見せたり、アイコンタクトを取ろうとしたりしている犬も多くいます。
しかし、そのような無言のアピールは家事や仕事で忙しく過ごしている飼い主さんに気づいてもらえないことも少なくありません。犬はコミュニケーションを取ろうとしているのに、飼い主さんが少しも目を向けてくれなかったり、意思表示に気がついてもらえなかったりすると、とても落ち込みます。
そのような状況が続くと、寂しい思いをするだけでなく「自分の気持ちはわかってもらえない」「家族とはコミュニケーションが取れない」と思い込んでしまいます。
その結果、いざ飼い主さんの方から寄り添おうとしてもなかなか意思の疎通が取れなかったり、トレーニングのモチベーションが上がらなかったりするのです。
ダメ行為③トレーニング時間が長い
しつけやトレーニングでモチベーションを保つためには、一度に行う時間が大切なポイントになります。教えたいことがたくさんある子犬や飼い始めたばかりの時期は、ついついあれもこれもとトレーニングが長引きがちです。
また、思うようにトレーニングが進まないときなどにも、焦ってトレーニング量を増やそうとする飼い主さんもいるでしょう。
しかし、犬の集中力は子犬で5分、成犬で10分程度しか持続しないと言われています。ダラダラと長い時間やっていると、モチベーションが低下してしまうので、いくら教えても身に付かない場合がほとんどです。
モチベーションが高い状態でしつけをしたいのであれば、1回5~10分程度のトレーニングを1日3~5回行うのが効果的です。また、トレーニングを終わらせるときは必ず成功させてほめて終わるように意識しましょう。
まとめ
犬のしつけやトレーニングを成功させるために、モチベーションは最も大切とも言える要素です。モチベーションが低い状態では、どれだけしつけをしてもなかなか覚えませんし、望ましい行動も定着しません。
効率よく、そして犬にとって楽しいしつけを行いたいと考えているのであれば、ここで紹介したポイントを押さえてトレーニングに取り組んでくださいね。