保護犬と家族になる前に
保護犬との暮らしには大変なことばかり。私も保護犬を家族に迎えた飼い主の一人です。保護犬を飼う前に必ず確認しておくべきことがあります。保護犬の今の状態や過去を知っても家族として迎えることができるかどうか、じっくり考えてみてください。
1.怯えてパニックになることはないのか
保護犬の中には新しく家族に迎えられた先での環境の急激な変化に怯えてパニックになりやすい犬がいます。保護犬は何等かの大きな事情を抱えて保護されている犬です。
飼育放棄された後に捨てられた犬、虐待を受けているところを助けられた犬、野生として生まれた犬などです。洗濯機が終わりを知らせるメロディー音、テレビやスマートフォンから流れる音、ドライヤーや掃除機の音など、家の中で起こるほんの些細な音にも怯えてパニックになってしまうことがあります。
2.ごはんは誰が与えても食べてくれるのか
保護犬の中には環境に慣れるまでの間、全くごはんを食べてくれない犬がいます。不安・恐怖・緊張・ストレスなどによって、お腹は空いているのに食べることができないのです。
犬が好みそうな嗜好性の高いおやつを与えてもなかなか食べてはくれません。お水さえも飲んでくれず、脱水症状を起こさないかどうか心配になるほどです。慣れるまでの間、新しい家族は保護犬にとって見知らぬ人です。信頼することができなくて当然です。家族が寝静まってから食事をする犬もいます。
3.トイレトレーニングはされているのか
保護犬の中にはトイレトレーニングがされていない犬がいます。外に出て排泄をすることが当たり前だったため、どんなに根気強くしつけを行っても室内で排泄することができないことがあります。
庭に繋がれたままその場で排泄をしていた犬もおり、室内のどこででも排泄をしてしまうことがあります。飼い主さんや家族の力だけではどうにもならない時、ドッグトレーナーや訓練士など、高い費用を支払ってでもプロの力を頼る必要があるかもしれません。
4.お散歩はできるのか
保護犬の中にはお散歩ができない犬がいます。室内に閉じ込められて暮らしていた犬や庭に繋がれたまま暮らしていた犬です。自宅の敷地内から一歩も外へ出たことがありません。飼い主や家族以外の人や犬とも接したことがありません。
そのため外へ連れ出そうとすると不安・恐怖・緊張・ストレスを感じます。その場から身動きできなくなってしまう、パニックになって暴れる、人や犬を威嚇する、攻撃をしようとするなどの問題行動を起こしてしまうことがあります。車にも過剰に怯え、飛びかかろうとしてしまうことがあり、ヒヤッとする場面もあります。
5.病気の有無
これは保護犬を家族に迎えたとある飼い主さんの体験談です。事前に犬の健康状態を確認したところ、予防医療を全く受けたことがないことを知ったそうです。家族に迎えた後、動物病院で受けた健康診断では、フィラリア症を発症しており、口の中は歯周病と歯石でひどい状態でした。
フィラリア症が完治するまでは全身麻酔をすることができないため、口の中のひどい状態を1年もの間見守るしかありませんでした。フィラリアの成虫がすでに心臓に寄生していたのです。完治した後にやっと歯石の除去と抜歯をすることができましたが、ほとんどの歯を失ってしまったそうです。
かなり高額な治療費がかかりました。その後のケアにも費用がかかります。経済力と愛情がなければ乗り越えられないかもしれません。
保護されるまでの間、粗悪な環境で暮らしていたことで恐ろしい病気を抱えてしまった保護犬もいるということを知ってほしいです。
まとめ
保護犬を飼う前に必ず確認しておくべき大変なことを5つ解説しました。
- 怯えてパニックになることはないのか
- ごはんは誰が与えても食べてくれるのか
- トイレトレーニングはされているのか
- お散歩はできるのか
- 病気の有無
私も保護犬を迎える前にこのようなことを実際に確認しました。トイレトレーニングが全くされておらず、極度の怖がりでお散歩できるようになるまでに随分と時間がかかりました。
人を恐れて威嚇する犬でした。家族になって8年が過ぎた今でもお散歩は私にしかできませんし、家族以外の人や同居する犬猫以外は違づくことさえも許しません。もし、このような保護犬でも家族に迎える覚悟があなたにはあるでしょうか。
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名