飼い主としての責任
犬は単なるペットではありません。その地域に暮らす社会の一員です。愛犬が安全に暮らすためには飼い主としての責任を果たさなければなりません。人と犬が共存するために欠かせないことです。
1.犬の登録を行うこと
犬の登録はお住まいの市区町村の役場にて行います。登録を申請するための手数料がかかります。登録を行うことで受け取れる「犬鑑札」は愛犬の首輪やハーネスなどに着用します。
災害の時や迷子の時などに飼い主を特定する目的があります。引っ越した時や犬が死亡した時など登録内容に変更がある場合、30日以内に手続きを行わなければなりません。
2.狂犬病の予防注射を受けさせること
1年に1回、狂犬病の予防注射を受けさせなければなりません。動物病院にて受けることができます。またはお住まいの市区町村の役場にて集合注射も行われています。行われていない場合や中止されている可能性もありますので役場の担当者にお問い合わせください。
狂犬病の予防注射を受けることで受け取ることができる「注射済票」は、犬鑑札と一緒に愛犬の首輪やハーネスに着用します。
3.愛犬が他人に損害を与えた場合には賠償を行うこと
- ドッグランで遊ばせていたら他人に飛びかかって転倒させケガを負わせた
- 遊びに来ていた友人の腕を噛んでしまいケガを負わせた
- 愛犬が他人の家の敷地内に侵入して物を壊してしまった
このようなことが起きてしまった時、犬の飼い主に課せられる責任は、賠償として治療費や修理費などの費用を支払うということです。
ケガの具合によっては通院費や交通費、入院費なども支払わなければならないことがあります。これは民法718条第1項「動物(犬)の占有者は他人に加えた損害を賠償する責任を負う」として定められているものです。
知らなかったでは済まされません。また、事情によっては裁判にて慰謝料の支払いを命じられることもあります。
4.他人に迷惑をかけないこと
他人に迷惑をかけないために犬の飼い主が厳守しなければならないことがあります。
- 適切なしつけを行うこと
- 許可されていない場所で放し飼いやノーリードで散歩させないこと
- 公共の場や他人の敷地内で排泄物で汚さないこと
- 抜け毛や鳴き声による対策を徹底して行うこと
飼い主としての責任であり、ノーリード・排泄物・鳴き声などによる迷惑行為は、自分も犬の飼い主でありながら「あの飼い主さんは責任を果たせていないな」と呆れてしまいます。犬と暮らしていない他人であれば尚更のことです。
5. 動物の愛護及び管理に関する法律に従うこと
飼い主は犬の習性を十分に理解し、適切な飼育と管理を行う責任があります。愛犬を犬として理解せず、人間のように扱うことは虐待なのではないか?と問題視されることがあります。
~動物の愛護及び管理に関する法律の概要~
- 愛犬の健康管理を怠ること
- 費用の問題で愛犬の病気を放置すること
- しつけと言って殴る蹴るなどの暴力を加えること
- 犬同士または犬と動物を闘わせること
- 犬の体に外傷が生じる行為を行うこと
- 犬に恐怖を与えるなどし心理的に抑圧すること
このような行為は意図的な虐待またはネグレクトであるとしています。このような行為を行う人は飼い主としての責任を全く果たせていません。
まとめ
犬の飼い主に課せられている責任を5つのテーマで解説しました。
- 犬の登録を行うこと
- 狂犬病の予防注射を受けさせること
- 愛犬が他人に損害を与えた場合には賠償を行うこと
- 他人に迷惑をかけないこと
- 動物の愛護及び管理に関する法律に従うこと
この解説を読んでいかがでしたか?難しくてよく分からなかった方。面倒に感じた方。何となく知ってはいるけどあまり気にしていない方。今すぐに犬の飼い主に課せられている責任について学んでください。あなたが大切にしている愛犬の命と幸せのために重要なことです。
おすすめは厚生労働省の公式ホームページです。検索バーに「犬」と入力して検索してください。犬に関する法律や飼い主の責任を学ぶことができます。または、お住まいの市区町村で定められている犬の飼い方や犬に関する条例について、役場の公式ホームページからご確認いただけます。