こんな病気に要注意!
お散歩は犬にとっての日々の運動です。散歩嫌いな犬にもできる限り習慣化してあげたいものです。体重を維持するため、ストレスを発散するため、病気を防ぐために必要不可欠だからです。散歩嫌いな犬は次のような病気にかかりやすいので注意してあげてください。
1.関節炎
関節炎は主にシニア犬や老犬に発症する病気ですが、散歩嫌いで運動不足な若い犬にも発症することがあります。外傷が見られないため、飼い主さんが気づきにくく、この症状が原因で散歩嫌いになっているとはなかなか考えないかもしれません。
歩き方がおかしい、手足を引きずって歩く、関節の部分が腫れているなどの症状が見られますが、初期症状では気づけず、いつの間にか悪化してしまいやすいです。いつ頃から散歩嫌いになってしまったでしょうか。
もしかすると、関節炎の違和感や痛みによって歩くことを嫌がるようになったのかもしれません。関節炎は触診やX線検査によって診断されますが、抗炎症剤・痛み止め・食事の改善・適度な運動・適切な体重の維持などが必要になることがあります。
2.心臓病
一般的な心臓病の症状には咳・食欲不振・呼吸困難・失神などがありますが、心臓病はかなりの重度な状態になるまで一切の症状をあらわさないという恐ろしい一面を持っています。ある程度までは心臓の機能や形態が変化することができるためです。
では、なぜ散歩嫌いが心臓病の原因になるのか。主な原因は肥満です。肥満は現代の犬に多い生活習慣病です。室内で過ごすことが多いこと、飼い主さんの都合でお散歩へ行く習慣がないこと、おやつを食べることが習慣化したことなどが理由です。
運動は不足しているにも関わらず、食事は適度に与えられ、さらにおやつまで与えられてしまっては肥満になるばかりです。無駄な脂肪を蓄えれば蓄えるほど、心臓への負担も増えるばかりです。
3.糖尿病
散歩嫌いで運動不足が続き、肥満になると犬も糖尿病になりやすいです。犬の糖尿病は気づかれずに放置されやすく、死に至ることのある危険な病気です。ちょっぴり肥満体型なところが可愛い♡なんて言っていると、あっという間に愛犬を失ってしまうかもしれない病気です。
犬の糖尿病は飲水量が多い、食べる割に痩せてくるなど特徴的な症状があるため気づきやすい病気ですが、肥満傾向があったりほかの内分泌系疾患を併発するとコントロールが難しくなり、治療が困難になる可能性もあります。基本的にはインスリン依存性糖尿病と呼ばれ、インスリンの分泌が不足する病気であるとされています。
犬が糖尿病を発症すると毎日インスリンを投与する治療が必要になります。動物病院で投与してもらうこともできますが、毎日のことなので基本的に投与するのは飼い主さん自身となることがほとんどです。
愛犬の生活習慣病について考える
生活習慣病は突然に起こる病気ではありません。散歩嫌いによる運動不足などの日々の積み重ねによって起こる病気です。愛犬の生活習慣病を予防する方法は2つ。日々の適切な食習慣と適切な運動習慣による体と心のケアです。
愛犬が散歩嫌いで運動不足だと感じているのであれば、まだ飼い主さんが気づいていないだけで、すでに愛犬は生活習慣病の予備軍である可能性があります。予備軍であるならば、まだ改善の余地があります。生活習慣病は進行する病気です。飼い主さんに気づかれずに放置されやすいためです。
食事や運動を正しく管理すること、生活を工夫することで防ぐことができる病気です。ご自身だけでは解決することが難しいときは、ぜひかかりつけの獣医師に相談しましょう。一人で抱える必要はありません。
まとめ
散歩嫌いな犬がかかりやすい3つの病気について解説しました。
- 関節炎
- 心臓病
- 糖尿病
散歩嫌いで発症した病気なのに、病気のせいでさらに歩けなくなると病気は悪化するばかりです。そうなってしまう前にお散歩することを習慣化し、病気を予防しましょう。いきなり長距離を歩く必要はありません。少しずつお散歩が楽しくなる工夫をしてあげましょう。