犬が早食いをすると起こる危険なこと
犬が早食いをすることは、実は自然なことです。野生で暮らしていた頃の名残であり、犬の本能です。常に危険が伴う野生環境でゆっくり食事をしている余裕はなかったのです。そして、犬は人間のように味わって食べること(咀嚼)をしません。
しかし、野生で暮らしていた頃の食事は生肉です。ドッグフードとは全く違います。市販されているほとんどのドライフードは水分の含有量が10%未満であり、消化吸収の面で大きく影響を及ぼし、様々な危険があります。
1.喉に詰まらせてしまう
犬が早食いをするとドライフードを喉に詰まらせてしまう危険があります。早食いだからという理由からドライフードと水を一緒にお皿に入れて与えることがあるようですが、これにも危険が伴う恐れがあります。
水を含むことで油分が溶けだし、ドライフード同士が密着するように固まることがあります。これが喉に詰まってしまう危険があります。応急処置ができなかったこと、発見が遅れてしまったことによって、命を落としてしまいかねません。ドライフードの早食いは大変危険です。
2.消化器官への負担
犬が早食いをすると胃腸などの消化器官にかなりの負担がかかります。早食いが気になる愛犬の便の状態はいかがでしょうか。軟便や下痢が続いていませんか?早食いをすることで消化が悪くなってしまい、未消化のまま排泄されている可能性があります。
このまま消化器官に負担がかかりすぎると危険です。消化器官の機能が低下してしまうとやがて軟便や下痢は慢性化します。
3.嘔吐を繰り返す
犬が早食いをすると嘔吐してしまう危険があります。吐くという行為そのものも犬の体に大きな負担と影響を及ぼします。嘔吐すると胃酸が逆流し、胃の粘膜や食道の粘膜が傷つきます。粘膜が荒れることで起こる胃炎や食道炎、膵炎にまで発展してしまう危険があります。
4.胃拡張と胃捻転
大型犬に多いのですが、犬が早食いをすると胃拡張や胃捻転の危険があります。原因は明らかにされていませんが、早食いをすることで胃の中にガスがたまり、その状態で激しい運動をしたりすることがきっかけになり胃が膨れ上がったり捻じれたりする病気です。早期発見と早期治療が重要であり、発見や手術が遅れれば死に至る危険もあります。
5.腸捻転
犬が早食いをすることで起こる胃拡張や胃捻転がおこり、にそれに伴って腸捻転を引き起こす危険があります。胃が膨れ上がったり捻じれていたりする状態で激しい運動をすると腸も捻じれてしまい、腸捻転を発症します。
早食いをした後、家の中を走り回って遊んだり、おもちゃで楽しく遊んでいたりした犬が急に元気がなくなってしまい、うずくまるようにして倒れてしまうことがあります。かなりの激痛がありますし、捻じれてしまった周囲の血管も一緒に捻じれ、壊死してしまうことがあります。発見や手術が遅れれば死に至る病気です。
犬の早食いをやめさせるために
落ち着いてから食事を与える
運動や遊びの後など、犬が興奮しているときに食事を与えると早食いになりやすいです。興奮が冷め、落ち着いてから食事を与えるようにしましょう。
「ごはんだぁ~!」と大興奮してしまう犬もいますが、そのままの状態で食事を与えると早食いになりやすいです。お座りや待てなどのコマンドを出し、しっかり落ち着かせてから与えるようにしましょう。
少量ずつお皿に入れる
1食分を全てお皿に入れてしまうと早食いをして、あっという間に食べ終えてしまいます。喉に詰まらせてしまいやすいです。一気にお皿に入れるのではなく、少量のフードをお皿に入れ、食べ終わったら犬を落ち着かせ、また少量のフードを入れるということを繰り返します。
一粒ずつ与える
何をしても早食いをやめられない。そんな愛犬にはドライフードを一粒ずつ与えるしかありません。実は私の愛犬がそうなのです。消化吸収をよくするためにドライフードに少しお湯をかけてやわらかくします。そして一粒ずつ食べさせるのです。大変ですし面倒にも思いますが、愛犬の健康と命には代えられません。
まとめ
犬の早食いが危険な理由は、死と隣り合わせの行為だからです。
- 喉に詰まらせてしまう
- 消化器官への負担
- 嘔吐を繰り返す
- 胃拡張と胃捻転
- 腸捻転
このような症状や病気を引き起こす危険があります。愛犬の早食いは今すぐにやめさせるべきです。