犬が舐める場所…それぞれが表す意味は?
犬が人をペロペロと舐めるのは、愛情を伝えているサインとよく言われています。しかし、犬が舐める場所によって意味が異なるので、一概に愛情表現とは言い切れません。では、犬が舐める場所によって、どのような意味があるのでしょうか。
顔や口周り:愛情表現や挨拶
よく犬が飼い主や頻繁に会う知人の顔や口周りをペロペロと舐める光景を見かけます。実際、犬を飼っている人は、ほぼ毎日のようにこのペロペロ攻撃に遭っているという人も珍しくないのではないでしょうか。
顔や口周りを舐める行為は、基本的に愛情表現です。「あなたのことが大好き!」と愛情を伝えていたり、何かしてもらったことに対して「ありがとう」に似た気持ちを伝えていると言われています。
また、初対面の人や飼い主以外の人に会ってすぐのタイミングで舐める場合は、「こんにちは」「仲良くしてね」と挨拶の意味合いが強いです。
手:催促や情報収集
手をペロペロと舐めることがあります。手を舐める場合は、飼い主であれば「ごはんがほしいな」「おやつが食べたいな」「一緒に遊んでほしいな」など、催促の意味が強いです。
また、要求的な意味合いとしては、歯磨きなどの犬が嫌がるようなお世話をしたときに、「もうやめて」「終わりにして」とやめることを要求するために手を舐めることも多いです。
一方、初めて会った人に対して手を舐める場合は、その人の情報を収集しています。犬は「この人はどんな人だろう」「僕のこと嫌っていないかな」といった情報を手の匂いから習得するのです。
足:じゃれ合いや安心感
なぜか足をペロペロと舐められることはありませんか。足や足の指の間など、ペロペロと舐められると、とてもくすぐったいですよね。
犬が飼い主の足をペロペロと舐める時は、遊びの一環として舐めていることが多いです。一種の『じゃれ合い』のような意味と捉えましょう。「遊んで遊んで!」と遊びに誘っていることもあるので、手が空いている時はかまってあげてくださいね!
また、人間の足には、アポクリン腺と呼ばれる汗腺が多くあります。つまり、その人独特の汗の臭いが強く出ている場所なので、飼い主の足を舐めることで飼い主の匂いを存分に感じ、安心感を得ている犬もいます。
鼻や耳:垢や鼻水の味が好み
ちょっぴり飼い主にとっては嫌な理由ですが、鼻や耳を重点的に舐めてくるときは、鼻水や耳垢といった皮脂や体液を舐め取っている可能性があります。
これらは、犬が舐めると少し塩っぱい味がするため、犬にとっては「美味しい」と感じてしまうことがあるのです。犬によってはその味がやみつきになってしまい、以降何度も鼻や耳を重点的に舐めてこようとする犬もいます。
舐め方によっては細菌感染の恐れがあるので要注意!
犬がその人を舐めようとするのは、愛情表現や興味からくる心理が強く関係しています。そのため、さまざまな意味がありますが、どれも悪い意味ではありません。
しかし、顔や口周りを舐められるときは、口に唾液を入れられたりしないよう注意しなければいけません。なぜならば、犬の口内にはさまざまな細菌が存在し、感染してしまうと炎症や発熱などを引き起こす恐れがあります。
人畜共通感染症と呼ばれるレプトスピラ症は、重症化してしまうと最悪命にかかわるリスクが高まる恐ろしい病気です。これも犬が人間の口を舐めることによって感染することが多いので、基本的に口は舐めさせないようにするべきです。
特に、免疫力が下がっている持病を持っている人や、高齢者、小さな子どもなどは、重症化しやすいため、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は舐める場所によって、さまざまな気持ちを伝えたり、情報を収集しようとしたりしています。しかし、口を舐められてしまうと、犬の口内にいる細菌に感染してしまうリスクがあるので、口は舐めさせないよう日頃から注意しましょう。