犬のしつけは何分くらいがベスト?やりすぎるとどんな悪影響がある?

犬のしつけは何分くらいがベスト?やりすぎるとどんな悪影響がある?

家庭で犬のしつけをする場合、1回を何分くらいにするべきなのか悩んでいる飼い主さんもいると思います。この記事では、、一般的なしつけをするのにちょうど良い時間やしつけのコツなどを紹介していきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬のしつけは1回5~10分程度で

時計の横に伏せて首を傾げる子犬

この記事では、子犬やしつけに慣れていない成犬のしつけについて紹介していきます。

犬のしつけをするとき(新しいことを教えたり、既に出来ることをやらせるとき)に、最適だと考えられる時間は5~10分程度です。この時間を見て、「短い!」「そんな時間で覚えられるの?」と思う人もいることでしょう。

しかし、犬、特に子犬は長い時間ひとつのことに集中していることができないですし、しつけは楽しく、犬と飼い主さんのやる気が続いている時間内で行うものです。やる気があって楽しくできなければ、教えたことを効率的に覚えられずしつけの時間が嫌な時間になってしまいます。

しつけトレーニングに慣れている成犬の場合は、10分以上集中していられることもあると考えられますが、子犬や老犬、しつけに慣れていない成犬の場合などは、まずは5分程度までにおさめ、様子を見ながら時間を調整するのがベストです。

もちろん、犬の性格や気質、体調、しつけの進み具合などによって集中していられる時間は異なるので、しつけを行いながら、犬の様子を観察して時間を調整するようにしましょう。声掛けなどになかなか反応しなくなったり、地面のにおいを嗅ぐ時間が増えてきたりしたときは集中力が途切れているので、そのような行動が見られる前に練習を終わりにした方が良いでしょう。

犬をしつける(新しいことを教える、覚えてもらう)方法は多くある上に、しつけが成功するかどうかはしつける人の技量、知識にも左右されます。何度やってもうまくいかない場合には、しつけの時間を延ばしたり回数を増やす前に、その方法が正しいか、その犬にあっているやり方かどうかを再度検討してみましょう。

何度も繰り返すこと

子供にお手をするビーグル犬と見守る父親

上で説明した通り、しつけは短い時間で終わらせることがポイントです。そして、さらに大切なポイントが、何度も繰り返し行うということです。

1日の中で間を開けて、3~5回程度しつけを行うと効果的だと言われています。犬がしっかりと集中している状態で、反復練習をすることで教えたことが身に付きやすく、忘れにくくなるのです。

短い時間でやる気があるうちに終わらせることで、犬に「もう終わり!?」「もっとやりたい!!」と思わせることもできます。飼い主さんの言うことを聞いてほめてもらうしつけの時間が楽しくて、「もっとやりたいなぁ」と思っているうちに一旦終了することで、次にまたしつけをする時に「やる!やる!」と犬のやる気をアップさせることができるのです。

また、反復練習をするときにはいろいろな場所・いろいろな時間に行うとより効果的です。これは「般化」と呼ばれる過程で、いつ、どんな場所で、どのような状況で指示を出されてもきちんとできるようにするというものです。

『おすわり』というひとつの行動を教える場合でも、「ご飯の前にキッチンで」「散歩中に道や公園で」「寝る前にはリビングや寝室で」など、いろいろな場所でこまめに練習を行うと、その行動がしっかりと定着しやすくなります。般化を行う際には、「絶対にできる場所や状況」がある状態で始め、少しずつ犬の気が散る要素がある場所や状況へとステップアップします。ステップアップを少しずつにすることと、できなかったら前のステップに戻ることがポイントです。

ごほうびに食べ物を使ってしつけをする際には、ごほうびの与え方をランダムにしながら、少しずつごほうびを出す頻度を下げていく必要があります。「おいしいものがもらえるから指示に従う」となることを避けるためです。ごほうびとしての食べ物を与える際にもほめますが、食べ物をやめていく際にはもっとしっかりとほめるようにしていきましょう。

犬のしつけのやりすぎのデメリットとは?

疲れて伏せているトイプードル

犬のしつけに一生懸命取り組むまじめな飼い主さんほど、長時間やりすぎてしまう傾向にあります。犬のしつけでは、多くのことを教えるにはしつけをたくさんやる必要がありますが、一度のしつけ時間を長くするのは効率的とは言えず、短時間で終わりにするしつけを何回も行い、完璧になるまで時間をかけて繰り返し練習するのが良いでしょう。

練習時間が長くなると、犬の集中力が切れて教えたことが覚えられないだけでなく、飽きてつまらなくなりしつけの時間や練習自体へのモチベーションが下がってしまいます。

また、しつけにかけた時間と結果が比例しないことで、飼い主さんのやる気もなくなってしまったり、犬に対してイライラしてしまったりすることも。愛犬と楽しく快適に暮らしていくためのしつけが原因で、関係が悪化してしまうことは避けたいですね。

まとめ

ロープ状のおもちゃで飼い主と遊ぶボーダーコリー

犬のしつけを効果的に行うために大切なのは、短い時間のトレーニングを何度も繰り返し行うことです。5~10分、子犬の場合には5分もかけないしつけを1日3~5回程度行うことで、犬が常に集中した状態で意欲的にしつけに取り組むことができるのです。

犬が飽きてしまう前に短時間で終わらせることで、「楽しかった」「もっとやりたい」と思わせることができます。また、終わらせるときにごほうびとしておもちゃ遊びなどを取り入れると、練習すること自体の印象が犬にとって楽しいものになるのでさらにやる気になってくれることでしょう。

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