犬のしつけは1回5~10分程度がベスト
犬のしつけトレーニングをするときに、最適だと考えられる時間は5~10分程度です。この時間を見て、「短い!」「そんな時間で覚えられるの?」と思う人もいることでしょう。
しかし、犬はこれ以上長い時間、ひとつのことに集中していることができないのです。もちろん、長い時間でもトレーニング自体をすることはできますし、体を動かし続けることも可能です。しかし、トレーニングに集中できていないため、教えたことを覚えられず意味のない時間になってしまいます。
しつけトレーニングに慣れている成犬の場合は、10分程度集中していられると考えられています。子犬や老犬、しつけトレーニングを始めたばかりの犬の場合などは5分程度がベストです。
ただし、犬の性格や気質、体調などによって集中していられる時間は異なるので、しつけトレーニングを行いながら、犬の様子を観察して時間を調整するようにしましょう。声掛けなどになかなか反応しなくなったり、地面のにおいを嗅ぐ時間が増えてきたりしたときは集中力が途切れてきているので要注意です。
何度も繰り返しトレーニングすること
上で説明した通り、しつけトレーニングは短い時間で終わらせることがポイントです。そして、さらに大切なポイントが、1日の中で何度も繰り返し行うということです。
1日の中で間を開けて、3~5回程度しつけトレーニングを行うと効果的だとされています。犬がしっかりと集中している状態で、反復練習をすることで教えたことが身に付きやすくなるのです。
短い時間でやる気があるうちに終わらせることで、犬に「もう終わり!?」「もっとやりたい!!」と思わせることができます。「もっとやりたいなぁ」と思っているうちに、トレーニングを行うことでさらにやる気がアップするのです。
また、反復練習をするときにはいろいろな場所・いろいろな時間に行うとより効果的です。これは「般化」と呼ばれる工程で、いつどんな場所で、どのように指示を出されてもきちんとできるようにするというものです。
『おすわり』というひとつの行動を教える場合でも、「ご飯の前にキッチンで」「散歩中に道や公園で」「寝る前にはリビングや寝室で」など、いろいろな場所でこまめにしつけトレーニングを行うと、その行動がしっかりと定着します。
犬のしつけのやりすぎのデメリットとは?
犬のしつけに一生懸命取り組むまじめな飼い主さんほど、長時間やりすぎてしまう傾向にあります。犬のしつけは、たくさんやればやるほど多くのことを教えることができますが、一度のトレーニング時間は長くしてもあまり意味がありません。
トレーニング時間が長くなると、犬の集中力が切れて教えたことが覚えられないだけでなく、飽きてつまらなくなりトレーニング自体へのモチベーションが下がってしまいます。
また、トレーニングにかけた時間と結果が比例しないことで、飼い主さんのやる気もなくなってしまったり、犬に対してイライラしてしまったりすることも。愛犬と楽しく快適に暮らしていくためのしつけが原因で、仲が険悪になってしまう可能性もあるのです。
まとめ
犬のしつけを効果的に行うために大切なのは、短い時間のトレーニングを何度も繰り返し行うことです。5~10分のトレーニングを1日3回程度行うことで、犬が常に集中した状態でしつけに取り組むことができるのです。
犬が飽きてしまう前に短時間で終わらせることで、「楽しかった」「もっとやりたい」と思わせることができます。また、終わらせるときにごほうびとしておもちゃ遊びなどを取り入れると、しつけトレーニング自体の印象も良くなるのでさらにやる気になってくれることでしょう。