飼い主さんにくねくねしているとき
1.こっちを見て!
飼い主さんの目の前で仰向けになり、飼い主さんの顔を見上げて体をくねくねして見せているときは「かまって欲しい」「こっちを見てほしい」というアピールをしているのではないでしょうか。
2.触って!撫でて!
仰向けになっていた愛犬のおなかを触っていて、「大分撫でたし、もういいかな」と思って撫でるのを止めると、鼻からキュンキュン、ピーピーと甘えるときの音を出しながらくねくねしている…という仕草を見せたときは、「もっと触って!もっと撫でて!」とアピールしていると考えられます。
3.べたべたくっついていたい!
触ってもらうだけでなく、飼い主さんの体のどこでもいいので触れていたい…と考え、飼い主さんが自分の体から少しでも離れたら、体をくねくねさせて密着してくることがあります。とにかく、甘えたい、愛してやまない飼い主さんを独占したい、という強い気持ちの表れと言えます。
地面や床の上などでくねくねしているとき
4.背中がかゆい!
犬は、自分の体のどこかがかゆいとき、後ろ足か、口を使ってその部分を掻きます。ところが、背中やお尻は後ろ足や口では届きません。そこで、地面の凹凸を使って自分があおむけになり、かゆい場所を地面にこすりつけ、体をくねらせてその部分にちょうど良く地面の凸凹が当たるように、体をくねらせて微調整しているのではないでしょうか。
5.自分の体についたニオイが気に入らない!
トリミングあるいはシャンプーした後の愛犬は、とてもいい匂いがします。飼い主側からすれば、「汚れも落ちてキレイなったし、いい匂いがして気持ちがいいね」というところでしょう。ですが、愛犬からすれば自分の匂いが薄れてしまい、さらにシャンプー後の匂いが気に入らないと、落ち着かない気持ちになります。
愛犬は、なんとなく落ち着かない気持ちを鎮めるために、普段生活している環境の中、一番落ち着くニオイを、とりあえず体にこすりつけたい衝動に駆られます。
そして、愛犬にとって一番落ち着くのは飼い主さんの匂いが染みついたベッドや布団のシーツ、飼い主さんが脱いだ服などです。そこで、「くねくね」の出番です。とりあえず、自分の匂いが戻ってくるまでは、大好きな飼い主さんのニオイを体にこすりつけ、嫌いなニオイを消そうとするのです。
6.好きなニオイを体につけたい!
犬が最も好きなニオイとして知られているのは何か御存じでしょうか?飼い主さんのニオイでもなく、ドッグフードのニオイでもありません。
犬が最も好むニオイは、実は「干からびたミミズ」のニオイが一番好きだと言われています。何もない野原などで地面の上でくねくねするのは、かすかに匂うミミズのニオイを体に擦り付けているのかもしれません。
歩きながらくねくねしているとき
7.こんにちは、会えて嬉しい!大好き!
嬉しさのあまり、尻尾を振る勢いが体に伝わってしまうのか、明らかに普通の歩き方とは違う、全身をくねくねさせながら忙しなく歩き、口にはお気に入りのぬいぐるみやスリッパを咥えて、外から帰ってきた家族や、何度か遊びに来たお友達の来訪を大歓迎します。
また、散歩の途中で大好きなお友達の犬やその飼い主さんに出会ったときも、独特の「くねくね歩き」で近づき、嬉しいという気持ちを爆発させます。
8.ここで楽しいこと、いっぱいしたい!
普段は、近所を一時間ほど徒歩で散歩するだけですが、週末など少し遠出して何度も訪れたことのある公園に連れていくことがあります。
そんなとき、車に乗った時点で「どこかに連れて行ってくれる」という期待は持っていますが、犬は記憶力に優れた動物ですから、「車に乗っただけでお留守番だった」こともしっかり覚えています。
お散歩か、お留守番か…と、ドキドキしながら外の景色を眺めているうち、記憶に刻まれている風景を目にするようになります。
「この道を進むと公園があって、そこで楽しく遊んだ」という記憶もしっかり残っていますので、その「楽しい記憶」と今、そこに向かっているかもしれない可能性が犬の頭の中で結びつき、「楽しい経験ができること」に対する期待で興奮してきます。
そうすると、また興奮して左右に揺れる尻尾に連動して、体もくねくねとうねったような動き方になります。
まとめ
私たち飼い主と愛犬は、言葉を交わさなくても意思を通じ合えることはたくさんあります。けれども、「どうしてそんな不思議な動きをするの?」と疑問に思っても、愛犬が言葉を話せないので真実は何もわかりません。
しかし、正解かどうかわからなくても、愛犬の行動や仕草に常に注意を払い、何に怒って何を嫌がり、何に喜びを感じ、どんなことをすれば楽しいと感じるのかなど、愛犬の心の中を想像することは、飼い主としての楽しみでもあります。
さらに言えば、愛犬に対して常に興味を持ち続けることは愛情を持ち続けることだと思います。これからも、「体をくねくね動かす」以外にも、愛犬の意外な仕草をもっとよく観察して、その心理を想像してみましょう。そうすれば、愛犬との暮らしがもっと楽しくなるのではないでしょうか。