犬の知能
哺乳類は一般的に他の動物に比べて知能が高いものが多いと言われていますが、その中でもイルカやクジラ、大型の家畜や犬、猫などは特に高い知能を持っています。
世界の心理学者や動物行動学の学者が言うには、犬たちはおよそ2歳~4歳の知能を持っているそうです。そのため100~200程度の人間の言葉(単語)を理解し、3~4程度までは数えることができるとも言われているようです。
このように人の言葉を理解して行動することができる程度の知能の高さがあったので、古来より人と犬はパートナーでいられたのでしょう。犬種や個体による差はありますが、こんなに知能が高いということは人間の幼児と同じような行動をとることも頷けますよね。
犬のずる賢い行動
犬たちはその高い知能で人の指示を理解し行動することができ、人間社会で生きていくことができます。そして知能が高いため、「こうしたらこうなった」「これをしたら〇〇だった」という原因と結果を学習し、生活に活かしていこうとするのです。そういった学習の結果、人から見ると「ずる賢い!」と思われる行動をすることがあります。
可愛いといわれる行動をする
犬は自分が褒められたときのことをよく覚えています。褒められたということが分からない子犬の時期でも、自分にとって嬉しいことが起こったということはちゃんと覚えているので、これをすると人が褒めてくれる(自分にとって嬉しいことが起こる)ということを学習すると、その行動をよくするようになります。
人が「可愛い!」というときは、声だけでなく犬を撫でたりしながら言うことも多いため、犬はその直前の行動と「可愛い!(なでなで)」という人の行動を結び付けて覚えます。撫でられることは犬にとって嬉しいことなので、こういう行動をすると褒めてもらえる(撫でてもらえる)と学習し、そのときの行動を繰り返し繰り返しするようになるのです。
つまり、自分が可愛いことを理解しているというより、可愛いといわれる行動をすることで「可愛い!」と人が反応してくれることを覚えているんですね。ちょっとずるい、けれど賢い犬ならではのあざとさですね。
悪戯を見られたときにしょんぼり反省する
スリッパや本、ペットシーツなどを齧ってしまったり、家具に悪戯をしたり、子犬のうちは好奇心の赴くまま様々な行動をします。彼らにとっては何の悪気もなく、ただ興味を惹かれたから噛んでみた、引っ張ってみた、ということなのですが、人にとっては迷惑な行動です。
そのため、悪戯をさせないようにしつけを行います。しかし、相手は人間の幼児程度の知能を持つ犬です。叱られても次の瞬間にはまた別の物に興味を示し、悪戯を開始するでしょう。
その悪戯を見つけたとき、人はつい叱りつけてしまいます。何回か繰り返すと、犬はこの行動が人にとって良くない(自分にとっても良くないことが起こる)と学習します。
この学習の最中に、叱っている人の側が犬の表情を見て「しょんぼりしているな、かわいそうになってきたな」と感じて叱るのを辞めることがあります。犬はこれも学習するのです。
何だかわからないけど、こういう顔をしたらお母さんの声が怖くなくなった、ということを学習し次に厳しい声で注意されたときも同じように神妙そうな顔をします。その顔をみてまた声を和らげると、犬は「こういう顔をすると叱られない」ことを学んでいくのです。
その結果、悪戯が見つかったときにしょんぼりと反省した顔をして、自分が強く叱られるのを避けようとするのです。こちらも学習能力の高い犬ならではの行動でしょう。
まとめ
いかがでしょうか。これらはちょっとずるいけれど、賢い犬ならではの行動です。この他にも、おやつのためなら死ぬ気でパフォーマンスをしたり、常に自分を甘やかしてくれる人にべったりしにいったり、具合も悪くないのに具合が悪いふりをしたり、などという行動をとる犬もいます。
どのような行動も犬にとっては「より自分にとって得な結果」を得るための世渡り術なので、ずるいなと思ってもやめさせることはできません。賢さゆえと思って丸ごと可愛がってあげてくださいね。
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20代 男性 匿名