1.狂犬病予防法
狂犬病予防法は1950年(昭和25年)8月26日に公布された法律です。過去に日本では狂犬病の感染により多くの人や犬が亡くなりました。感染を食い止めるための処置として定められた法律です。
定められた当時の施行内容は「犬の登録」「狂犬病の予防注射」「野良犬等の抑留」の徹底でした。これによって日本ではわずか7年という短期間での狂犬病の撲滅が実現されたのです。
狂犬病に感染すると人も犬もほぼ100%の確率で死亡するとされています。狂犬病と狂犬病予防法に関する正しい知識を持つことが重要であり、犬の飼い主が勉強するべき知識です。
この法律によって犬の飼い主に義務付けられていること
【犬の登録】
犬を飼い始めたら、その主をお住まいの自治体に届け出ましょう
【予防注射】
1年に1回、愛犬に狂犬病の予防注射を受けさせましょう
【鑑札と注射済票の装着】
愛犬の首輪やハーネス等に鑑札と注射済票を装着しましょう
2. 動物の愛護及び管理に関する法律
一般的には「動物虐待の禁止」や「動物取扱業者の規制」が目的であるとして広く認知されていますが、この法律には「飼い主としての責任の徹底」などが盛り込まれています。略称は動物愛護管理法です。略称の方が馴染みがあるかもしれませんが、ぜひ正しく覚えてほしいです。また、次のようなことを守って飼育しましょう。
- 飼育する動物の習性等を正しく理解すること
- 最期のときまで責任を持ってお世話をすること
- 近隣に対し、糞尿や鳴き声などによって危害や迷惑をかけないこと
- むやみに繁殖させないようにすること
- 動物による感染症について正しい知識を持つこと
- 所有者(飼い主)を明確にすること(自治体への登録やマイクロチップの装着など)
3.犬の飼育に必要な生涯費用
とある調査によると、犬1頭にかかる生涯費用は120万円ほどであるとされています。
この費用には一生涯にかかる食費・医療費(狂犬病の予防注射、混合ワクチンの接種・フィラリア症の予防薬など)・管理費(首輪・ハーネス・リードなど)等が含まれています。その他、ケガや病気による高額な費用が加算されることがあります。
毎月かかる必要は犬種や個体によって異なります。しかし、狂犬病の予防注射や混合ワクチンの接種、フィラリア症の予防薬の投与など全ての犬に必要な医療があります。
これにかかる生涯費用はある程度の予測ができますし、自分自身の経済状況と合わせて「生涯、犬の飼い主としての責任を果たすことができるか」ということを考えることができます。
4.介助や介護が必要になるということ
犬はわずか1歳で成犬になります。子犬である期間は数か月ほどしかありません。7歳を過ぎればシニア犬です。10歳を過ぎた頃からは老化によって体の機能が低下し始めます。体調を崩しやすくなりますし、病気にもかかりやすくなります。付きっきりの介助が必要になることがあります。
また、予防医療によって犬も長生きする時代です。寝たきりの介護が必要になる可能性も高くなります。高齢の犬には認知症・徘徊・夜鳴きなどがみられることがあります。
犬の介助や介護には飼い主としての精神力が重要です。体重が20kgを超える犬であれば体力も重要です。いつまでも元気に走り回っているわけではありません。
加齢とともに起こる体の変化、老犬の病気に関する知識、介助や介護に関する知識を事前に得ておくことで犬の飼い主に相応しいかどうか判断することができます。愛犬の将来の幸せのためにも必要なことです。
まとめ
犬の飼い主が勉強するべき知識には次のようなものがあります。
- 狂犬病予防法
- 動物の愛護及び管理に関する法律
- 犬の飼育に必要な生涯費用
- 介助や介護が必要になるということ
知らずにいると愛犬を不幸にします。愛犬を失ってしまうことがあります。ぜひ犬を飼う前に知ってほしいです。犬を飼ってから得ても遅くない知識です。ぜひ一緒に学びましょう。