老化をケアする栄養素
1.オメガ3脂肪酸のオイル
- オメガ3脂肪酸
- オメガ6脂肪酸
- オメガ9脂肪酸
これらは体内で合成することができない「必須脂肪酸」と呼ばれています。3、6、9の脂肪酸はバランス良く摂取することが推奨されていますが、オメガ6脂肪酸は過剰になりやすく、オメガ3脂肪酸が不足しやすい傾向があります。
オメガ3脂肪酸は体内でEPAからDHAへと代謝され、
- 皮膚や被毛
- 心臓や血管、血液
- 脳
- 関節
- 眼
などの健康維持に役立つ成分です。オメガ3脂肪酸を愛犬の年齢ケアに取り入れることで老化を穏やかにすることが期待できます。
オメガ3脂肪酸で有名なのは「アマニ油(亜麻仁油)」ですが、犬は植物性の食材よりも動物性の食材の方がより消化吸収に適しているため、サーモンやマグロなどのフィッシュオイルもおすすめです。
2.抗酸化作用のある食材
体内で酸素が食べ物をエネルギーへと変換する際に「活性酸素」が発生します。活性酸素は体に必要なものですが、過剰に発生すると体内の酵素や細胞膜に悪影響が及ぶと言われています。これを予防するために「抗酸化作用」のある食材を取り入れるのもおすすめです。
抗酸化作用のある食材には、
- かぼちゃ
- にんじん
- 小松菜
- ブロッコリー
- トマト
- オリーブオイル
- サケ
- イワシ
- ゴマ
などがあります。年齢を重ねると消化機能が衰えてくるため、手作りフードやトッピングにこれらの食材を与える場合は、
- 柔らかく茹でる
- すりおろす
- ミキサー等でペースト状にする
などの工夫で消化しやすくなります。食べ慣れていない食材はアレルギーや消化不良に十分注意して与えましょう。
3.関節や軟骨のケア
- グルコサミン
- コンドロイチン
これらは関節や軟骨を作ったり、新陳代謝を促したりする成分です。年齢をケアするフードにはこれらの成分が含まれているものも多く、手作りフード派の場合はサプリメントで補う方法もあります。
グルコサミンはカニやエビなどに多く含まれるため、なかなか食材から取り入れるのは難しいですが、コンドロイチンは納豆やオクラなどネバネバ食品に含まれているため、手作りフード派の方も取り入れやすいです。
年齢ステージごとのポイント
4.7歳頃から「肥満予防」を意識する
7歳頃になると、体に老化のサインが表れやすくなります。シニア期に突入した頃から運動量が減り代謝も落ちるため、今まで通りの食事だと肥満になりやすいところに注意が必要です。肥満は骨関節や心臓に負担をかけますので、若い頃以上に肥満防止を心がけましょう。
5.11歳頃からはしっかり栄養を吸収できるごはんを
11歳を超える頃には消化機能も衰えやすく、食べる量も減りやすいです。栄養の吸収率が低下することから、食が細くなったわんちゃんの場合は「少量で栄養とカロリーをしっかり補えるフード」を選ぶと良いでしょう。「シニア用」とされるフードには、カロリー設定が成犬用よりも高くなっているものも多くあります。
シニア用のフードには関節をケアできるような成分が入っていたり、消化しやすい工夫がされたもの、粒が砕けやすく噛む力が弱くなってきている老犬でも楽に食べることができる工夫がされているものもあります。パッケージを確認してみてください。
6.消化に優しいごはんを
高齢になるほど「消化に優しいごはん」を意識し、消化機能に負担をかけずに栄養を摂れる工夫をしてみましょう。ドライフードの場合はふやかしてから与えることで消化しやすくなり、水分補給もできるようになります。鶏ささみの茹で汁を使ってふやかすと嗜好性が上がるでしょう。
高齢のわんちゃんには栄養面も大切ですが、まずは「食べることを楽しめる工夫」も大切です。1回で今までの量を食べられなくなった場合は、1回の量を減らし回数を増やすと良いでしょう。
まとめ
老化現象は自然の摂理ですので仕方のないものですが、年齢をケアする食事によって老化のスピードを穏やかにしてあげられる可能性が高くなります。老化によって消化機能が衰えたり、1回に食べられる量が減ったりするかもしれません。
そこで無理に食べさせようとせずに、消化しやすいよういつものドライフードを柔らかくふやかしたり、食材を与える際には茹でて細かく刻んだりして、愛犬の体に負担がないように食事を工夫してあげることが大切です。
愛犬が食べることを楽しみに感じてくれるよう、おいしく楽しく年齢をケアしてあげる工夫を検討してあげてください。