危険!犬のチョコレート中毒
チョコレートの原料であるカカオには「テオブロミン」という苦み成分が含まれています。犬の体はこの物質の分解速度が遅いため、許容量を超えて中毒症状を起こしやすくなっています。犬にチョコレートを与えてはいけない理由や中毒症状の詳細について、確認していきましょう。
犬にチョコは絶対ダメ!な理由3選
1.「テオブロミン」を含んでいるため
チョコレートに含まれる「テオブロミン」、人間には利点とされていますが、犬にとっては有害な物質です。この成分は犬の心臓や筋肉に強い興奮作用をもたらすため、最悪死に至る恐れがあります。
2.「カフェイン」を含んでいるため
「カフェイン」には中枢神経を刺激する働きがあり、過剰に摂取すると、めまいなどの症状が表れます。お茶やコーヒーに比べると含有量は多くはないものの、チョコレートにもカフェインが含まれています。
3.「脂肪分」を含んでいるため
チョコレートは「脂肪分」の多い食品となり、急性膵炎を誘発する可能性があります。急性膵炎は発症してから進行が速いのが特徴で、激しい腹痛を伴う怖い病気です。
種類別 テオブロミン量の違い
テオブロミンの含有量は、チョコレートの種類によって異なります。ホワイトチョコレートとビターチョコレートを比較すると、その差は一目瞭然です。
《チョコレート100gあたりの含有量》
- ホワイトチョコレート:3.7mg
- ミルクチョコレート:150mg〜240mg
- ビターチョコレート:500mg〜1,100mg
- 製菓用無糖チョコレート:1,300mg
高カカオを謳っているチョコレートほど、犬にとっては有害だということが分かります。上記以外に「ココアパウダー」にもカカオが使われているため、同じく誤食には注意してください。
チョコレートによる中毒症状
チョコレート中毒の症状は、すぐ表れることもあれば、12時間以上経ってから表れることもあるため、数日間は油断禁物です。
《軽度の症状》
- 嘔吐
- 下痢
- 脱水症状
《中度の症状》
- 心拍数の増加
- パンティング
《重度の症状》
- 発熱
- 痙攣
- 昏睡
チョコレートによる中毒症状は約90〜100mg/kg、致死量は約100〜200mg/kgとされています。犬の大きさや食べた量によって重症度が変わるため、少しでも食べた形跡があったら、すぐに動物病院を受診してください。
まとめ
犬はチョコレートの匂いや味を好みます。そのため、飼い主が気付かないうちに、隙を見て食べてしまうことがあるのです。しかし、残念ながらチョコレートに有効な解毒剤はありません。もし誤って食べてしまった場合には、獣医師の判断で催吐処置や胃洗浄が行われます。
まもなくやってくるバレンタインデー。手作りチョコレートを考えている方は、テーブルの上に作りかけのチョコレートを置きっぱなしにしないよう、十分気を付けていただきたいです。美味しそうな香りに釣られて、犬は食べるチャンスを窺っています。
人間の食べ物を犬に与える場合は、本当に与えて問題ないものかどうか、きちんと調べてからあげるようにしてください。たとえ少量であっても、チョコレートは絶対駄目ですよ!危険性を認識し、犬の健康を守りましょう。