愛犬のウンチに異常が起きた時
ウンチの状態を見ることで愛犬の毎日の健康状態を知ることができますね。朝は良いウンチだったのに夜になって急に異常に臭いなと感じられることもあります。ニオイだけではなく、ウンチの形状や一日の回数、色なども合わせて健康状態を確認し、異常なニオイから考えられる病気についても予測することができます。
1.腸内細菌の異常
犬のウンチが異常に臭い時、腸内細菌のバランスが乱れてしまっている可能性があります。ウンチのニオイには腸内に住んでいる細菌叢(さいきんそう)が関係しています。体に良い働きをする菌もいれば、体に悪い働きをする菌もいます。
よく知られている善玉菌・悪玉菌・日和見菌の数は犬の体調によって変化しますが、食生活・生活習慣・生活環境によって大きく変化することがあります。
例えば、普段は食べない物を食べた時やストレスを抱えている時、善玉菌が減り、悪玉菌が増えたことでウンチが異常に臭くなることがあります。悪玉菌が悪臭ガスや発ガン性物質を作り出してしまうことが原因です。
2.大腸炎
犬のウンチが異常に臭い時、さらに表面にゼリー状の粘液が付着している時は大腸炎を引き起こしている可能性があります。ニオイの変化は全く感じられないこともありますし、血の混じった下痢をすることもあります。
大腸炎は、季節の変わり目・環境の変化・食事の変化・ウイルス・細菌・寄生虫などが原因で起こります。ニオイの異常や変化だけではなく、排便の回数(増える)にも注意が必要です。薬の投与で改善されますが、普段から適切な食生活を心がけ、愛犬が暮らす環境を常に清潔な状態に整えてあげることで予防することができます。
3.慢性膵炎
犬のウンチが異常に臭い時、さらに黄色っぽいウンチである時は慢性膵炎である可能性があります。ニオイの変化は全く感じられないこともありますし、軟便が続くこともあります。これは、膵臓から消化酵素が正常に分泌されていないことが主な原因です。膵炎は急性である場合も慢性である場合も明確な予防法はないとされています。
しかし、脂肪分の多い食事やおやつが主な原因であるとされているため、食生活の改善によってウンチの異常も改善されることがあります。
4.感染症または腸炎
犬のウンチが異常に臭い時、さらにサラサラした水様便である時は感染症または腸炎である可能性があります。ウイルスや細菌に感染したこと、重度の腸炎であること、そして長引けば命の危険があることを示しています。水様便によって急激な脱水症状も引き起こします。
このような場合には自宅で様子を見るという対処法は間違いです。すぐに病院へ連れて行ってください。全ての犬に可能性のある病気です。下痢だけでなく食欲不振や嘔吐を伴うと体調が急激に悪くなる可能性があります。緊急を要する場合もありますので、夜間にも対応してくれる病院を事前に把握しておくことが大切です。
5.ポリープまたは腫瘍
犬のウンチが異常に臭い時、腸内にポリープまたは腫瘍が存在している可能性があります。かなりきついニオイを発することがありますので異常に気づきやすいです。
また、ウンチの回数が増える、軟便や下痢が続く、便が黒いなどの症状もみられることがあります。犬の腸内のポリープは中高齢に発生しやすく、遺伝的要因が関係することもあるとされています。犬の腸内の腫瘍には様々な種類があり、外科的に切除した後、病理組織診断が必要です。悪性腫瘍なのか良性腫瘍なのかを判断しなければならないためです。
まとめ
犬のウンチが異常に臭い時に考えられる病気をウンチの形状や回数などと合わせて解説しました。
- 腸内細菌の異常
- 大腸炎
- 慢性膵炎
- 感染症または腸炎
- ポリープまたは腫瘍
食事を変えた時や普段は食べ慣れない物を食べた時にもウンチが異常に臭く感じられることがあります。そのため、形状や回数や色などの変化にも注目する必要があります。