1.吠える条件を把握する
犬の行動にはほとんどの場合に理由と原因があります。まずは愛犬が「どんな時に吠え続けてしまうのか」を把握し、吠える理由を考えてみましょう。
- お散歩や遊びなどの「要求」
- チャイムや人の声などの「警戒」
- 他の犬への「牽制」
- 飼い主さんの帰宅時の「喜び」
- 留守中に吠え続ける「ストレス」
このように吠えるタイミングを考えてみると、愛犬が吠える理由や原因を絞りやすいです。
なぜ吠えるのか、何のために吠えているのかによって、愛犬が吠えずに済むトレーニング方も変わってきます。ただ単に「ダメ!」と叱るだけでは、犬の本能に根ざした「吠える」という行動を制御するのは難しいのです。
2.冷静な態度で号令をかける
静かに「ストップ」をかける
筆者自身も反省していることなのですが、私たち飼い主の態度が愛犬の無駄吠えを助長させてしまっている場合があります。
筆者の愛犬はインターホンで吠えてしまうのですが、よく考えてみると
- インターホンが鳴る
- 筆者がいきなり立ち上がる
- バタバタと身支度を整える
- 大きめの声で知らない人と会話をする
と、愛犬の緊張を促していたのは筆者の行動かもしれないと反省しました。これでは「インターホンの音=慌ただしい出来事」と認識されてしまいます。
嬉しくて吠えていても恐怖で吠えていても、吠えている時の犬は興奮しています。飼い主さんが大きな声を出すと愛犬もさらに興奮してしまいますので、愛犬に吠えるのを止めてもらう「ストップの号令」をかける際には、飼い主さんは威厳がありつつも静かな態度で愛犬に伝える方が良いでしょう。
大きな音で驚かせるのはおすすめできない
「大きな音を鳴らしてビックリさせる」という天罰方式のしつけがありますが、興奮している愛犬に過剰なビックリを与えるのはあまりおすすめできません。
- 愛犬がビックリしてさらに興奮してしまう恐れ
- 大きな音で心の負担になること
- 音の原因が飼い主さんだと分かると信頼関係に影響する
- 「慣れたら効かなくなる」こともある
など、けたたましい音でビックリさせて吠えるのを止めさせる方法はリスクが高いと考えられます。
吠え出したら「お座り」など指示を出す
「ストップ」「ダメ」などの号令だけでは、犬に「正解の行動」が分かりにくい恐れがあります。もしこのような制止の号令で吠え止まない場合は、愛犬に
- お座り
- ハウス
- おいで
などの「正しい行動を示す具体的な指示」を出してみるのも良いでしょう。
飼い主さんの号令によって愛犬が吠えるのを止めて指示に従えたら、静かにしっかり褒めてあげてください。根気と時間が必要ですが、成功すると「吠える前に飼い主さんの方を伺う」「嬉しくても飛び付かずにお座りして待つ」ことができるようになることもあります。
3.愛犬の欲求不満を発散する
思いっきり吠えることがストレス発散に!
犬にとって「吠えること」は本能的な行動です。しかし吠える以外の問題行動とされる行動にも共通しますが、何かの行動を「過剰に行う」ことにはストレスのサインが隠れている場合が多くあります。そして一生懸命吠えると体力を使いますので、犬にとっての「ストレス解消」として吠えている場合もあります。
過剰な吠えが「欲求不満のサイン」であることも
また留守番中ずっと吠えてしまうという場合には
- 留守番の寂しさや不安
- 留守を守る使命感が強すぎる
- 分離不安の疑い
- 運動不足による欲求不満
など様々な理由が考えられます。
恐怖、警戒、嬉しさなど明らかな吠える対象がなく、欲求不満によって吠えることが過剰になっているという場合もあるのです。
そのため無駄吠えが気になるわんちゃんには、その子が何かにストレスを受けたり欲求不満を抱えたりしていないかなども考えみましょう。
まとめ
犬という動物を考えれば、吠えることはごく当たり前の行動です。吠えるのを止めさせたいというのは、吠える声が迷惑になるという人間側の感じ方です。吠えるのが本能である犬に吠えるのを止めてもらうためには、根気強く愛犬と向き合って「吠える代わりの正しい行動」を理解してもらうことが大切です。
子犬の頃に「吠えたら遊んでもらえた」「吠えたら要求が叶った」という経験をしてしまうと、吠えることが良いこととして癖づいてしまいやすいため注意が必要です。愛犬が吠えた時の私たちのリアクションや、愛犬のストレスなども要因となっている場合があるため、様々な方向から愛犬の吠えに向き合ってみる必要があります。