ウィンターノーズとは?考えられる原因
「ウィンターノーズ」とは、冬の時期に見られる犬の鼻の現象。別名「スノーノーズ」とも呼ばれ、普段黒い犬の鼻が冬になるとピンク色や脱色したように見えます。そして春になるにつれて再び黒い鼻に元通りになることが多いです。
人間も寒くなると鼻の頭が赤くなることがありますよね。しかし犬の鼻が変色する現象は寒さではなく違う原因があると言われています。
「もしかして病気なの?」と気になりますよね。その点を含めて以下の原因を確認してみましょう。鼻の色が変わるメカニズムは解明されていませんが、考えられる原因は主に次の4つです。
原因1.紫外線の影響
「犬の黒い鼻は紫外線を防いでいる」という説を前提とした場合、冬の日照時間がウィンターノーズに関係していると考えられます。冬になるにつれ紫外線が減少、それに伴いメラニン色素が薄くなり、鼻の色がピンク色へと近づいている可能性があります。
原因2.銅欠乏症
栄養バランスが偏り、体内の銅が不足すると皮膚や被毛の色素が薄くなることがあります。もし愛犬の鼻、体や皮膚が薄くなったと感じた場合は食事チェックを行ってみてください。
原因3.加齢
犬の老化現象のひとつとして被毛に白髪が混ざったり、鼻の色素が薄くなることがあります。この場合は季節は関係なく現れます。あくまでも老化が原因である場合は病気ではありません。
原因4.遺伝
中には遺伝的に鼻の色が薄い犬もいます。成長とともに現れるケースが多いです。ウィンターノーズと勘違いしやすいですが、冬以外にも現象が見られるのが特徴です。しかし病気である可能性も考えて、少しでも異変を感じたら獣医師へ相談してみましょう。
ウィンターノーズによる考えられる悪影響
犬のウィンターノーズは2つの病気が原因となっているケースもあります。飼い主さんとしては心配になるかもしれませんが、まずは症状や予防や治療方法を知りましょう。適切な対応を行うことで愛犬のケアを図れます。
ここでは病気と考えられる悪影響について以下にまとめました。
円板状エリテマトーデス
「円板状エリテマトーデス」とは自己免疫性疾患のひとつ。犬の鼻の色が薄くなる、かさぶたができるといったウインターノーズに似た症状が見られます。
原因は解明されていませんが、犬の場合は遺伝、レトロウイルス感染、紫外線やストレスの影響。薬物投与などの影響も考えられています。
治療方法には薬物投与のほか、紫外線を浴びない生活を行うことになるため日中の散歩や外出などを避けなければなりません。鼻、耳、眼に症状が出やすい病気ですので、異変を感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
ブドウ膜皮膚症候群
「ブドウ膜皮膚症候群」とは、眼や皮膚、粘膜に異常をもたらす病気です。特にメラニン色素が存在する部分に大きな影響が出てしまう自己免疫性疾患です。鼻や唇や被毛が脱色したり眼の異常が出ることも。とくに眼の異常が出た場合は早期治療を行う必要があります。
この疾患は秋田犬に多く、遺伝と何らかの関連があると見られています。ウィンターノーズと似ている症状ではありますが、手遅れになると失明するおそれがあるので注視してください。
そのため、少しでも異変を感じたら獣医師に相談することが望ましいです。治療については免疫抑制療法などが採用され、生涯治療を続けることになります。
まとめ
犬のウインターノーズには、全く問題がない場合と病気である場合があることをお伝えしました。もしも後者だった場合は犬に悪影響を与えてしまうので、自己判断をせずに獣医師に相談することが大切です。
鼻だけではなく、皮膚や眼などにも異常がないかチェックしてくださいね。早期発見・早期治療を行うためにも、愛犬のボディチェックは怠らないように心がけましょう。