犬のトリミングを冬にするメリット
抜け毛、毛玉などの被毛のトラブルを避けることが出来る
冬でも、犬の被毛が伸びるスピードは変わりません。また、防寒のために服を脱いだり、着せたりするたびに脇のあたりの毛が生地にこすれてからまったり、切れたりすることで、夏よりも毛玉ができやすくなります。そういった被毛のトラブルを回避するには、やはり、定期的なトリミングは欠かせません。
皮膚を清潔に保つことが出来、皮膚病、怪我などのリスクが減る
トリミングをお願いすれば、シャンプーをしてくれるので、見た目がすっきりするだけでなく被毛についた汚れが落ち、耳の中や肛門腺も手入れをしてくれるので、愛犬の体を清潔に保つことが出来ます。また、足の裏の毛もキレイに刈って貰えるため、室内で滑りにくくなり、怪我や関節にかかるリスクを減らせます。
犬のトリミングを冬にするデメリット
体調を崩すことがある
ペットサロンも室温やシャワーの温度などに十分に配慮してくれていますが、単純に考えても、犬の被毛をカットするということは、人間でいえば、着ていたセーターやオーバーを脱がされるようなものです。
トリミング後に寒いと感じるのはごく自然なことだと思います。それだけではなく、おうちからトリミングサロンに移動中の気温と室温の差やトリミングがきっかけでおなかが冷えたり、ストレスを感じたりして、お腹が緩くなってしまうこともあります。
静電気が起きやすい
冬は、空気が乾燥し、静電気が発生しやすくなります。私たち人間でも、セーターを脱ぐときやドアノブを触るときに「パチ!」と音がするほど静電気を帯電してしまうことがよくあります。犬も同じで、むしろ人間よりもみっしりと体中被毛で覆われていますし、絨毯の上で寝ていたり、毛布に包まっていることで帯電しやすくなります。
また、トリミングから帰ってきたら寒いだろうと、エアコンを作動させたりして普段より室内が乾燥し、その上、トリミングが済んで帰ってくると被毛がフワフワになっているのでトリミング前よりも、静電気が発生しやすくなります。
デメリットを回避する方法
服で防寒する
気温が低い時期は、やはりシニア期の犬や寒さに弱い犬種にとっては、体にかかる負担を考慮しなければいけません。ペットサロンでも十分に寒さ対策をしてくれているとは思いますが、特にシニア期の犬にとっては大きな負担となることは否めません。
また、ペットサロンの繁忙期は他の犬と隣り合わせのケージに入って長時間待たされることもあります。よほどトリミングに慣れている犬でない限り、ストレスを感じることもあるでしょう。
ですから、心身の健康状態に不安がある犬の場合は本格的な冬を迎える前に少し短めにカットしてもらい、冬の間は服を着せてしのぐようにすれば、いろいろなデメリットを回避出来ます。
トリマーさんへのオーダーを工夫する
いつも、同じトリマーさんにお願いしているのであれば、必ずカルテを残していてくれるはずです。そのカルテを見ながら、相談するとトリマーさんにとっても飼い主さんがどんなカットを希望しているのか理解しやすいでしょう。
もしも、初めてのサロンやトリマーさんにお願いするのであれば、「寒くないように足先は短く、胴体部分はサマーカットの時よりも少し長めに残してください」など、トリマーさんに出来るだけ細かくオーダーします。
「夏場はとても短くカットしていたけれど、冬なので胴体部分は少し長めにしてください」あるいは、逆に「服を着せますので、被毛が切れたり毛玉にならないように短めにお願いします」といった風に、飼い主さんがどんな風に防寒対策をするかによって愛犬の被毛の長さをイメージし、トリマーさんに出来るだけ詳細にその要望を伝えるようにしましょう。
静電気を防止する
ブラッシングの際に静電気防止用のスプレーを使用したり、掃除をこまめにしてホコリを除去すると静電気を抑制することが出来ます。また、防寒用の服も、ポリエステルなどではなく、羊毛、綿などを使用したものを選び、それを選択する際は柔軟剤を使うと、静電気を予防できます。
まとめ
犬は、人間と違って自分で服を着たり、自分で暖房器具の操作をして寒さをしのぐことが出来ません。被毛を伸ばして寒さをしのぐか、服を着せやすくカットして体温調節するかは愛犬の性格を熟知していて、体調の管理をし、世話をする飼い主さんが判断するしかありません。
一番優先するべきなのは、愛犬の姿かたちを愛らしく整えることではなく、愛犬の健康を守ることです。それを踏まえて、飼い主さんが愛犬の体の汚れ具合や、被毛の状態、健康状態をよく観察してトリミングのタイミングを決めましょう。