犬の年齢を人間の年齢に換算する方法は進化している
皆さんは、自分の愛犬の年齢は、人間に換算すると何歳くらいになるのだろう…と考えたことはありますか。実際に自分で調べて「こんなにいってるの!?私より年上…」なんて驚いたことがある人も多いでしょう。
犬の年齢を人間の年齢に換算する方法は、年月を経て、徐々に進化しています。まずは従来の犬の年齢の換算方法を見ていきましょう。皆さんの愛犬は何歳ですか。
一昔前までは犬の年齢×7歳で換算
一昔前までは、犬の年齢に7をかけることで、人間の年齢に換算できるとされていました。今に比べて、犬に関する研究があまり進んでいなかったため、単純に計算でき、最も近い年齢に換算できる数字が用いられたと考えられます。
しかし、犬を飼っている方は実感していると思いますが、犬の成長スピードは、年々下がっていきます。犬は子犬期に最も成長し、そこからは徐々に成長スピードが遅くなっていくのです。
そのため、単純に7をかけるだけでは、正確な人間の年齢に換算することが難しいと考えられます。
例えば、この方法で計算すると、現在の平均寿命とされている14歳では、98歳と換算されます。実際、15歳、16歳と生きている犬は多くいるので、これでは換算年齢が合っていないと感じる人も多いでしょう。
現在の一般的な年齢換算方法は?
そんな一昔前の計算式を経て、現在は以下のような計算式が用いられることが一般的になっています。
- 小型犬と中型犬=(犬の年齢+4)×4=人間年齢に換算
- 大型犬=12+(犬の年齢-1)×7=人間年齢に換算
これは、1歳の時点で小型犬や中型犬は24歳である事に対し、大型犬は12歳であること、しかし、小型犬や中型犬に比べて、大型犬の成長スピードが早いことを考慮して生み出された計算式です。
この計算式により、一昔前よりも正確に犬の年齢を人間の年齢に換算することができるようになったとされています。
最新の研究では『エピジェネティック時計』を応用
今まで、そして現在でも一般的に犬の年齢を人間の年齢に換算する際、用いられる計算式は、上記で紹介した計算式です。獣医師や研究者、あるいはメディアによって、小型犬と中型犬に少し差を加えたりはしているものの、上記の計算式を基に換算し、記載していることが多いです。
しかし、最新の研究によって、新たな計算式が生み出されました。発表されたのは2019年11月とごく最近です。これは、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームによって公開された計算式です。
この計算式は、『エピジェネティック時計』と呼ばれる人の生物学的年齢の推定に使われるDNAのメチル化に着目し、それを犬に応用したものです。今回研究の対象となった犬種の多くがラブラドールレトリーバーであったこともあり、今回の計算式は、大型犬にのみ用いられると発表されています。
生後1ヶ月から16歳までと幅広い年齢の犬104匹の血液サンプルと、1歳から103歳までの人間の血液サンプルを分析することで、より正確な換算式を生み出したと公開されています。
このように計算式を作ることで、「特に犬の年齢(月齢)が低い間の成長が早い」という点も、以前より正確に反映することができるのです。では、具体的にどのような計算式になったのでしょうか。
※ln=犬の年齢の自然対数
ln(自然対数)は常用対数から返還しなければいけないため、返還の際は2.303倍とし、計算するとのことです。返還した上で、ln部分に犬の年齢の自然対数を埋め込み計算することで、より正確な変換年齢が出せるということです。
前述したように、今回は大型犬であるラブラドールレトリーバーを多く用いて研究したため、小型犬や中型犬においては、まだ正確な計算式ではないとされています。
しかし、これらの理論を組み込むことで、より小型犬や中型犬も、正確に年齢を換算することができると期待されているのです。今後の研究結果が楽しみですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。最新の計算式は、数学的要素が強く埋め込まれているため、一般的にはまだ浸透していません。しかし、ネット上には、年齢換算表として記載されているので、気になる方は一度チェックしてみてくださいね。