1.「言えばわかる」「言って聞かせる」は間違い
人間は言語を持っていて言葉を話すことができるため、言葉や会話を使ってほとんどのコミュニケーションを行います。そのため、犬にしつけを行う時、犬のイタズラを叱る時など、何かを理解してほしい時に「言えばわかる」「言って聞かせる」ということをしてしまいがちです。
人間の子供には理解できるかもしれませんが、犬は全く理解することができません。犬が飼い主さんの指示に従ったり、ごはんやおやつを理解することができるのは、「言葉」としてではなく「音」として理解しているためです。試しに「ごはん食べる?」ではなく、同じトーンで「わわん食べる?」と言ってみてください。
言葉が違っても音が同じであれば犬は理解できます。このようなことから、人間の常識である「言えばわかる」「言って聞かせる」は犬には通用しないということがわかります。
2.「やればできる」は間違い
人間がよく口にする「やればできる」は、犬の心や体に負担を与えます。SNSで話題になったら良いなという気持ちから、愛犬に無理な行為をさせる飼い主さんを見かけます。例えば、人間は上手に滑り台を滑りますが、犬には恐怖でしかありません。ただ、器用に滑ることができる犬がいるだけです。
人間は上手に二足歩行ができますが、犬には負担でしかありません。首や脊椎や関節を傷めてしまいかねません。海外では飼い主さんと一緒にバイクに乗る犬もいますね。
このような行為もすべての犬がやればできるものではありません。私たちもやれば全ての人がオリンピック選手並みの動きができるわけではないのと同じでしょう。
また、人間の体と犬の体は構造が全く違います。人間は2足歩行ですが、犬は4足歩行ですので骨格のつくりが異なります。犬の体の構造をよく知って理解すれば、人間の常識である「やればできる」は犬には通用しないということがわかります。
3.擬人化すること
人間は当たり前にベッドや布団で寝ますが、犬にとっては常識ではありません。犬用のベッドや布団を与えても使わない犬もいます。フローリングやタイルの上で寝たがる犬もいますし、庭の芝生や土やコンクリートの上で寝たがる犬もいます。
人間は当たり前に服を着て、用途に合わせて着替え、オシャレだって楽しみますが、犬にとっては常識ではありません。防寒用や安全を守るための服は犬にも必要ですが、オシャレやカワイイのための服は不要でしょう。ダイニングテーブルに愛犬専用の席があり、椅子に座らせ、テーブルに食器を置き、まるで人間のように食事をさせる飼い主さんまでいます。
どれもこれも人間には常識かもしれません。愛犬は大切な家族の一員です。しかし、「犬」であることを十分に理解し、「人間とは違う」「擬人化してはいけない」ということも理解しなければなりません。
犬の常識を人間は理解できない
人間の常識があるように、犬にも犬の常識があります。そして、人間の常識が犬に通用しないことと同じように、犬の常識を私たち人間は理解することができません。例えば、犬には「相手のお尻のニオイを嗅ぐ」という挨拶の常識があります。人間にはとても理解できません。
犬には「排泄物で汚れたら舐めてキレイにする」というお手入れの常識があります。人間には到底理解できません。このように人間の常識と犬の常識の違いを比べてみると、愛犬に自分と同じ生活を求めることがいかに難しく間違いであるか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
まとめ
犬に絶対にNGな人間の常識には、
- 「言えばわかる」「言って聞かせる」は間違い
- 「やればできる」は間違い
- 擬人化すること
などがあります。人間の常識を犬に押し付けると、犬は心と体を病んでしまうことがあります。場合によっては、犬の安全や命を守ってあげることができないこともあります。犬をよく理解し、愛犬の性格や好みをよく理解し、お互いが快適に暮らせることが理想です。
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20代 男性 匿名