毎日ご飯を与えていても栄養失調になることも…
最近愛犬の毛づやの悪さや脱毛が気になったり、元気がなくて心配だったりしませんか?これらは、犬が栄養失調になったときに見られる症状です。
このほかにも体がやせ細る、食糞をする、歯が抜けたり欠けたりする、腹水がたまるといった症状が現れることもあります。栄養失調になると成長に影響が出たり、病気になりやすくなったり、場合によっては死に繋がることもあります。
「毎日ご飯をあげているのに、まさか栄養失調なんて…」と思うかもしれません。でも『ご飯の与え方』が栄養失調を引き起こすこともあるので注意が必要です。そこで今回は、犬が栄養失調になってしまう『ご飯の与え方』をご紹介したいと思います。
犬が栄養失調になってしまう『ご飯の与え方』
1.極端に少ない量を与える
肥満は椎間板ヘルニアや糖尿病、心臓病といった様々な病気の原因になります。そのため愛犬が標準体重をオーバーしていたり、去勢/避妊手術後は太りやすくなると聞いたりすると、愛犬のダイエットに一生懸命になる飼い主さんは少なくないでしょう。でも飼い主さんの判断で、極端にご飯の量を減らすダイエットをするのは危険です。栄養失調に陥ってしまうことがあります。
栄養失調に陥ると内臓機能に異常が出て全身状態を悪化させ、命にかかわることもあります。愛犬の肥満が心配なときは、まずは獣医師に相談してダイエットが必要かどうか、必要ならどのようにしたらいいのかアドバイスをもらうようにしましょう。
また多くのカロリーや栄養が必要な子犬に、大きくさせたくないという理由で極端に少ない量のご飯しか与えないのも栄養失調を招きます。子犬の場合は、栄養失調によって低血糖症になる可能性が高いです。低血糖症は進行するとけいれんなどを起こし、最悪死に至ることもあります。飼い主さんの身勝手な考えで、愛犬につらい思いをさせないようにしましょう。
2.ライフステージに合っていないドッグフードを与える
犬をライフステージで分けると
- 哺乳期(生まれてから30日程度まで)
- 離乳期(生後20~60日位まで)
- 成長期(生後約50日~1歳前後まで)
- 成犬期(1歳前後~7歳まで)
- 高齢期(7歳以降)
となります。成長期は犬の大きさによって異なり、小型犬は生後50日~10ヵ月程度、中型犬は生後50日~1年程度、大型犬は生後50日~1年半程度の期間です。そして大型犬は成犬になるまではゆっくりと成長しますが、成犬になってからは成長スピードが速くなるため、5歳から高齢期と見なされることが多いです。
ライフステージによって必要なカロリーや栄養素の比率は異なりますが、それに合わせたドッグフードが市販されています。ライフステージに合ったフードを与えるのは重要なことで、成長期用のフードは成犬期や高齢期の犬には高カロリーで肥満になってしまいます。
反対に成犬期用や高齢期用のフードは成長期の犬にはカロリーや栄養が足りず栄養失調になり、成長に支障を来す恐れがあります。
愛犬のライフステージに合わせてフードを切り替えていく必要があるわけですが、その最適なタイミングには個体差があります。例えば7歳になったらすぐに高齢期用のフードに切り替えるのではなく、加齢の進行具合など愛犬の状態も見ながら切り替えていきましょう。
3.知識なしで作った手作り食を毎日与える
『総合栄養食』と表示されているドッグフードには犬に必要な栄養素が全て含まれており、新鮮な水と一緒に与えれば健康を維持できるように栄養バランスが調整されています。ですから愛犬に合った良質な総合栄養食を適切に与えていれば、栄養失調になることはないでしょう。
飼い主さんの中には、原材料に何が使われているかよく分からない市販のドッグフードよりも、使う食材を自身で把握できる手作り食を愛犬に与えたいと考える人もいると思います。でも栄養バランスの取れた手作り食を作るのは案外難しく、犬の栄養に関する十分な知識が必要になります。
多少栄養バランスの悪い手作り食でも、それがたまになら健康に影響が出ることはあまりありませんが、それが毎日となると栄養失調を引き起こすかもしれません。手作り食を毎日与える場合は、犬の栄養バランスや必要量、与えてはいけない食材などの知識を十分に深めてからにしましょう。
4.『一般食』や『副食』を主食にして与える
パッケージに『一般食』や『副食』と表示されたドッグフードがあります。これらは人の食事で言えば、おかずのようなもの。栄養バランスが完全ではないため、主食として与え続けていると栄養失調になってしまう可能性があります。
主食として与えるドッグフードは『総合栄養食』と表示されているものです。一般食や副食は、主食と組み合わせて与えるようにしましょう。あくまでも総合栄養食がメインで、一般食や副食はサブです。バランスにも気をつけましょう。
まとめ
今回は、犬が栄養失調になってしまう『ご飯の与え方』を4つご紹介しました。栄養失調の状態が長く続くと命にかかわることもあるので、愛犬にはご紹介したようなご飯の与え方はしないように注意しましょう。
病気や、消化吸収能力の衰えなどが栄養失調の原因であることもあるので、食べているのに痩せるなど、もし愛犬に栄養失調が疑われる症状が見られる場合は、まずは早めに獣医師に相談を。