エレベーターによる犬の事故が急増中
以前は犬を飼育できるマンションなどの集合住宅はそれほど多くありませんでしたが、最近新たにつくられたマンションの多くはペット可住宅となっています。そのような背景もあり、少子化で子どもが減る一方、ペットを飼育している家庭がとても多くなっています。
また、犬と一緒にお出かけできる場所も増えてきました。公園など屋外の施設以外にも、ショッピングモールやホテルなど人が利用する施設に一緒に入れることも多くなっています。
こうした生活環境から犬がエレベーターに乗る機会も増えており、それにまつわる事故も増加しています。そもそも、犬をエレベーターに乗るときの危険性や乗せる場合の注意点などを知らないという飼い主さんも多いと思います。しかし、エレベーターでは犬の命をおびやかす重大な事故が起こる可能性があるので、利用する機会がある人は十分に理解しておく必要があります。
実際にエレベーターで起きた犬の事故
犬の命に関わる重大事故
エレベーターでの事故は、最悪の場合犬の命を奪う可能性があります。実際に、中国などで犬が死亡する事故が起きており注意喚起と共に世界的に報じられています。その多くは、飼い主が犬を連れてエレベーターに乗り込んだ後、犬が乗る前に扉が閉まってしまったり、一緒に乗り込んでも扉が閉まる前に犬だけが飛び出してしまったりすることで起こります。
犬だけが外に出た状態で、リードが扉にはさまれてしまっていると、リードが引っ張られて犬が宙づりになって窒息死してしまうのです。中には、エレベーターの外で気がついた人がリードを切って救出した例などもありますが、いずれにしても大変危険な事故です。
飼い主が大きな怪我をした事例も
日本でも犬とエレベーターが関わる事故は起きています。犬だけがエレベーターの外に出た状態で動き出したことで、リードを手に巻き付けて持っていた飼い主の指が切断されてしまった事故がありました。エレベーターでの事故は、犬だけでなく飼い主にも大きな危険を及ぼす可能性があることを、しっかりと覚えておきましょう。
愛犬をエレベーター事故から守る方法
犬をエレベーターに乗せる機会がある時には、安全を確保するように心がけてください。エレベーターでの事故の多くは、飼い主さんと犬が離れてしまったことで起きています。そのため、小型犬であればしっかりと抱っこをして乗るようにし、大型犬の場合はリードを短く持っって離れないように抑えておきましょう。
エレベーターには基本的に安全装置が付いており、扉の開閉途中で物がぶつかったりはさまったりすると自動的に止まって開いたりするようになっています。そのため、犬の体がはさまるようなトラブルがあれば、すぐに開いて難を逃れる可能性が高いですが、リードのように細くやわらかいものがはさまっても安全装置が働かないことがあるのです。
また、エレベーターのドアの開閉時には、他の乗客や別階で待っている人を驚かせないようにすることも大切です。犬の安全を守るためにも、他人への配慮のためにエレベーター内では犬が外に飛び出さないように注意を払うことが重要です。
まとめ
犬と暮らせるマンションや一緒にお出かけできる施設が増えてきたことは、犬好きにとって喜ばしいことだと思います。しかし、基本的に人間のためにつくられている建物や施設では、思わぬ犬のトラブルや事故が起こる可能性があることを覚えておきましょう。
エレベーターも日常的に使用している人も多いと思いますが、最悪の場合命に関わる重大事故が起こることもあるので、抱っこをするなど安全をしっかりと確保して利用するようにしてくださいね。