1.問題行動が増える
犬には「歩き回りたい」という欲求がある
散歩は犬にとって欲求の1つで「一定の範囲を歩き回りたい」という習性があります。それは犬が群れで自分たちの縄張りを歩き回り、狩りをしたり縄張りをチェックしたりといった本能的な欲求によるものです。お散歩には運動の役割りもありますが、犬の精神面にも必要な習慣なのです。
散歩不足は精神的にもストレスになる
本能的な欲求が叶えられないとストレスを受けてしまいます。運動不足による肉体的なストレス、そして欲求不満による精神的なストレスです。
ストレスを受けている犬は
- 噛み癖
- 吠え癖
- 破壊行動
- 手足を舐め続ける
など、問題となる行動が目立ちやすくなる傾向があります。
このような問題行動が散歩不足だけが原因ではありませんが、ストレスによる行動が見られた時は散歩不足についても見直してみると改善のきっかけになるかもしれません。
散歩は飼い主と愛犬の「信頼関係による共同作業」
散歩は飼い主と愛犬との「共同作業」とも言えます。犬はただ歩くのではなく、道に残った誰かの排泄の臭いをチェックしたり、車の存在や知らない人など街にあふれる刺激に触れます。このような外部の刺激を飼い主さんと一緒に探索することは、犬にとってとても楽しいひとときです。
そして飼い主の歩行やリードコントロールに従ったり、途中でさまざまな指示を受けることでトレーニングの一環にもなります。これは飼い主と愛犬の良好な信頼関係の構築にも大変重要ですので、お散歩の時間が足りないと愛犬とのコミュニケーションに悪影響を及ぼす恐れがあります。
2.無気力
「食べる」「眠る」だけが楽しみになってしまう恐れも
外の刺激に触れることは犬にとって「ワクワク」「ドキドキ」を感じる楽しい時間です。小型犬は強度の高い運動を必要としないと言われますが、お散歩はそういった刺激を受けて気分転換をするためにも必要な習慣です。
おうちの中は安心してくつろげる場所ですが、ワクワクしたりドキドキしたりしないことは犬にとって「退屈」です。退屈すると家の中で荒っぽく遊んでしまうことのほかに、寝てばかりいてどこか無気力な様子になってしまうことも。
脳に良い刺激を受けることは認知症予防にも効果的
犬にも認知症がありますが、散歩をして様々な刺激を受けることは認知症予防にも大切なことです。犬はシニア期に入ると体力も衰え始めて眠る時間も増えますので、お散歩を充実させて脳に良い刺激を与えることが大切です。体力が心配な子も体調に問題が無ければ、カートに乗って外の刺激に触れるだけでも良い気分転換になります。
3.肥満
筋力が衰えると基礎代謝が落ちてしまう
散歩はもちろん運動の時間でもあります。筋力が衰えると基礎代謝も下がってしまうため、散歩が不足すると肥満のリスクが高まります。肥満になると心臓や関節への負担も大きくなり、首のまわりに脂肪がつきすぎると気管が圧迫されて呼吸が苦しくなってしまいますので予防の意識が大切です。
毎日のお散歩習慣と共に食事管理も重要
肥満は散歩を頑張るだけでなく摂取カロリーの管理も重要です。現在肥満であると判断された場合、重くなった体重でいきなり激しい運動をすると身体への負担が大きいため注意しましょう。毎日のお散歩を充実させて、食事管理を徹底しながら徐々に適正体重へと戻していくことが大切です。
まとめ
今回は「お散歩不足のサイン」を3つ解説しました。散歩は運動をするだけが目的ではなく、愛犬が外の世界の刺激に触れてワクワクドキドキするための大切な時間です。飼い主さんとコミュニケーションを取りながら散策したり、知らない人や匂いを感じたりすることは愛犬の情緒面にも良い刺激となります。
お散歩が不足するとストレスによって問題行動が目立ったり、無気力な様子になってしまったり、肥満になりやすくなります。愛犬の心身の健康を守るためにも、愛犬にとって適切なお散歩を習慣づけることが大切です。