寒い季節でも犬を毎日お風呂に入れるのはNG
犬用のバスタブが販売されていたり、犬も入れる温泉宿などがあったりするため、「犬にもお風呂って必要?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。特に寒い季節は、お風呂に入ると体が芯からあたたまるので、寒がりな犬の場合は入れてあげたくなることもあるでしょう。
しかし、結論から言うと犬を毎日お風呂に入れることはおすすめできません。犬の皮膚は人間の約1/3の厚みしかなく、非常にデリケートなのでシャンプーも3~4週間に一度でいいと考えられています。頻繁にシャンプーをしすぎると必要な皮脂も除去してしまい、皮膚のバリア機能を低下させてしまう可能性があるからです。
皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に弱くなって炎症や湿疹などのトラブルが発生しやすくなります。(皮膚疾患の治療のために、頻回なシャンプーが必要な場合もありますので、その場合は医師の指示に従ってください。)
シャンプーをせず、お湯に浸かるだけの場合は、皮膚への負担が減るので少し頻度を増やしても構いません。しかし、入浴後はドライヤーで乾燥させる必要がありますし、多少なりとも皮膚に負担がかかるため、多くても1~2週間に一度程度にしておきましょう。
お湯につかることで代謝がよくなったり、毛穴の汚れも取れやすくなったりするのでシャンプー前に入浴時間を作るのもおすすめです。
犬のお風呂の適切な温度とは?
犬をお風呂に入れるときは、お湯の温度に気をつけましょう。人間の場合、個人差はあると思いますが40℃程度で入浴している人が多いと思います。しかし、犬の場合は皮膚が薄く、平熱も高いため、人間よりものぼせやすく皮膚も乾燥しやすいので、低めの設定にする必要があります。
シャワーの場合でも夏は36℃前後、冬は38℃前後がいいとされていますので、浸かる場合はそれよりもやや低めにしておくといいでしょう。
また、長時間浸からせず5分程度の短めの時間にしておきましょう。お湯に浸かることに慣れていない犬は暴れることもあるので、少なめの湯量で様子を見ながら入浴をさせてみましょう。入浴中は決して目を離さず、そばにいるようにしてくださいね。
犬をお風呂に入れるときの注意点
シャンプーのときも同様ですが、犬をお風呂に入れたときに最も大切なことが皮膚と被毛をしっかり乾かすことです。ざっと拭いて、完全に乾かすのは自然乾燥に任せてしまうと長時間毛の根元や皮膚が濡れている状態になってしまいます。濡れた状態が続くと雑菌や細菌が繁殖しやすくなるので、皮膚疾患を引き起こしたり、被毛の変色が起きたりします。
また、濡れた状態でいると室内であっても冬は体温が奪われて体が冷えてしまいます。そのため、お風呂の後は必ずドライヤーで完全に乾かさなければなりません。
さらに、お風呂に入ることはリラックスできることですが、実はとても体力を使うことです。シャンプーやトリミング後にぐったり疲れ果てている犬も少なくありません。そのため、病後の犬や子犬、老犬など体力が十分でない犬はお風呂の頻度を減らすようにしてください。
また、食後1時間程度はお風呂を控えるようにしましょう。お風呂で体力を使ってしまうため、消化能力が低下して消化不良を起こすことがあるので気をつけてください。
まとめ
人間にとってお風呂に浸かることはとても心地の良いリラックスタイムになります。しかし、犬の場合は皮膚が薄く、適切な被毛の管理も必要になるため、頻繁なお風呂は推奨されていません。頻度や温度に注意して、愛犬の様子をしっかりと観察しながらお風呂に入れるようにしてくださいね。