1.犬ジステンパー
犬がウイルスによって感染してしまう病気はたくさんありますが、今回はその中から感染しやすいといわれている感染症を3つお伝えしていきます。まずはじめは『犬ジステンパー』です。
おそらく犬を飼っている人なら一度はジステンパーという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。それほどまでに知名度が高い『犬ジステンパー』は感染力が強く、酷い場合だと命を失ってしまう恐ろしい病気となります。
症状
犬ジステンパーの症状は以下のとおりです。
- 発熱
- くしゃみや鼻水がでる
- 咳が出る
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 下痢や嘔吐
- 結膜炎
など
これだけ見るとただの風邪のように感じますが、症状が重くなってしまうとさらに鼻や肉球の皮膚が硬くなってしまったり『けいれん』や『発作』、『脳炎』や『脳症』、『神経症状』といった危険な症状が出てしまったりすることが多いそうです。さらに犬ジステンパーから回復しても、けいれんやチック、歩行障害などの後遺症が残ってしまうことが少なからずあるようです。
犬ジステンパー自体には効果的な治療法がありませんので、基本的にはそれぞれの症状ごとに治療を行ったり細菌の二次感染を防ぐために抗生物質によって病気と闘うことになるそうですよ。
原因
犬ジステンパーは人間の風邪やインフルエンザと似たような原因で感染します。犬ジステンパーに感染している犬のオシッコやウンチ、鼻水や唾液などに触れることで感染してしまうのだそうです。また、空気感染によって発症してしまうこともありますので、ワクチン接種を行い予防することが大切といえるでしょう。
2.ケンネルコフ
通称『犬風邪』といわれることがある『ケンネルコフ』という病気も犬が感染しやすい病気の1つとなります。別名『伝染性気管支炎』とも呼ばれていて、気管支炎という名前がついているだけあって、主に呼吸器系に症状が出ることが多いといえます。パラインフルエンザウイルスやアデノウイルスなどが感染し発症します。
症状
ケンネルコフの症状は以下のものとなります。
- 発熱
- せき
- くしゃみ鼻水
- 下痢嘔吐
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
など
ジステンパーと同じく人間が風邪をひいたときに見られる症状が多いといえますが、ケンネルコフを発症してしまうと特に激しい咳に悩まされることになります。ケンネルコフは基本的に2週間ほどで症状が回復していきますので、命を失うほどの重症化になることは少ないそうです。
しかし、ほかの病気を併発したり免疫力が低下していたりしていると、症状が悪化してしまって肺炎や気管支炎になってしまうこともありますので、安心できない感染症の1つといえるでしょう。
原因
ケンネルコフに感染している犬との接触。または咳やくしゃみなどによる空気感染や同じ水を飲んだりすることで感染してしまうことが多いといえます。感染力が非常に強いので犬がたくさんいる場所に行くときは気をつける必要があるといえるでしょう。
3.犬伝染性肝炎(いぬでんせんせいかんえん)
犬伝染性肝炎はその名の通り、感染してしまうと肝臓に炎症が起きてしまう病気となります。一歳以下の子犬が発症してしまうと、1日~2日で命を失ってしまうことのある危険な感染症としても知られています。
そんな犬伝染性肝炎の原因となるウイルス『アデノウィルス』は生命力が強く感染力も高いので、他の感染症同様に常日頃から予防や対策を行うことがとても大切といえるでしょう。
症状
犬伝染性肝炎の症状は以下のとおりとなります。
- 発熱
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 下痢嘔吐
- 腹痛
- 結膜炎
など
症状が重症化してしまうと『40度以上の高熱』がでたり『肝臓が腫れる』ことになったり…『吐血や血便』『ひきつけ』などの症状が出てしまうこともあるそうです。発症してしまうと症状が悪化するまでのスピードが早いのでとても恐ろしい病気となります。
原因
犬伝染性肝炎も他の感染症と同じように感染している犬のくしゃみや唾液などが感染経路になることが多いそうです。また、おしっこやウンチを舐めることで感染してしまうこともよくあるそうですよ。
主な予防法
混合ワクチンを受けることが一番の予防法
ご紹介した3つの感染症は年に一度、混合ワクチンを接種することで予防することができます。ただ人間がインフルエンザのワクチンを接種してもインフルエンザにかかることがあるように、犬も混合ワクチンを接種しても感染症を完全に防げるわけではありません。
しかし、もし感染したとしても重症化しにくくすることはできるといえるでしょう。ですので、愛犬に持病があって混合ワクチンを接種できないといった場合以外は毎年ワクチンを接種させることを強くおススメします。
また混合ワクチンで予防する意外にも、なるべく犬がたくさんいる所に行かせない。他の犬のウンチやオシッコをにおったり、口にさせない。といった対策も行うようにするとより感染症を発症しにくくすることができるといえるでしょう。
まとめ
今回は犬が感染しやすい病気を3つご紹介しました。どれも感染力が強いものとなり、重症化してしまうと命を危険にさらしてしまう恐ろしい病気となります。ですので感染しないように日頃からしっかりと予防することが大切といえるでしょう。愛犬の健康は飼い主の行動によって大きく左右されますので、いつまでも愛犬が元気でいられるようにしっかり健康管理してあげてくださいね。