アイコンタクトの意味とは
愛犬に「聞く姿勢」になってもらうこと
動物にとって「目を合わせること」は敵意を表す行動になることが多いのですが、犬と飼い主にとっては違った意味も持ちます。
「アイコンタクト」とは飼い主と犬が目を合わせることによって、犬は指示を聞く姿勢になり飼い主が指示を伝えやすくするためのしつけです。ただ目を合わせるだけでなく、犬が飼い主に注目することによって「集中して聞く姿勢になる」ことが大切です。
事故を防止するために
どんな状況でもアイコンタクトが取れるようにトレーニングしておくことは、愛犬の事故を防止するためにも大変重要です。犬はとても賢い動物ですが、興奮すると我を忘れてしまう恐れもあります。
衝動的に走り出してしまったり他の人や犬に飛びかかってしまうと、交通事故や相手に怪我を負わせてしまう危険があります。どんな状況であっても飼い主とアイコンタクトが取れるようにしておくと、愛犬の衝動的な行動を未然に制御することができます。
飼い主さんと愛犬の信頼関係を築くため
犬は飼い主を信頼しなければ指示を聞く姿勢になれません。逆を言えば、アイコンタクトがしっかり取れるということは愛犬と飼い主さんの信頼関係が良好である1つの要素となります。
アイコンタクトのトレーニング方法
1.名前を呼ぶと反応できるようにしておく
アイコンタクトは「呼び戻し」と少し似ています。愛犬とアイコンタクトを取るには合図が必要ですが、愛犬の名前にしておくと良いでしょう。アイコンタクトのトレーニングを開始する前に、愛犬が自分の名前に反応できるようにしておきましょう。
犬にとって、自分の名前もコマンドの1つのようなものです。極端な例を挙げると、名前を呼んだ後に良いことも悪いことも起こらなかった場合、犬は自分の名前と自分を関連付けることが困難になります。
名前を呼んでから「嫌なこと」をするのはNG!
名前を呼んでからなでたり褒めたりおやつをもらえたりする経験を重ねると、犬は「自分の名前=良いことが起こる」と認識するようになります。名前を呼んだ後に叱ったり爪切りをしたりするなど愛犬にとって「嫌なこと」が起こる経験を重ねてしまうと、犬は「自分の名前=嫌なことが起こる」とネガティブな認識をするようになってしまいます。
そうすると名前を呼ばれても目を背けたり逃げたりしてしまう恐れがあるため、愛犬の名前を呼んでから嫌なことをしないよう注意しましょう。
2.名前を呼んで目が合ったらほめる
まずは愛犬が近くにいる時に、名前を呼んで目を合わせることから始めましょう。名前を呼ばれた愛犬が飼い主さんの目を見て注目できたら、すぐにおやつを与えて褒めましょう。
3.おやつを手に握った状態で名前を呼ぶ
愛犬が近くに居る状態でアイコンタクトが取れるようになったら、今度はおやつを手に握った状態で名前を呼んでみましょう。
愛犬は手に握られたおやつが気になってやや興奮気味になりますが、その状態でもおやつより飼い主さんの目を見て注目できることが目標です。おやつを目の前にしても落ち着いて飼い主さんに注目できたらおやつを与えて褒めてあげましょう。
4.愛犬が「何かに夢中の時」に名前を呼ぶ
おやつだけでなく、遊んでいる最中や外を眺めている時など「愛犬が何かに夢中の時」にも名前を呼んでみましょう。どんな状況でも名前を呼ばれたら飼い主さんに注目するトレーニングをすることで、お散歩時に興奮してしまったときやドッグラン利用時のリードがない状態でも愛犬を制止しやすくなります。
5.愛犬が離れている状態で名前を呼ぶ
愛犬が近くに居ない時にも、名前を呼んでアイコンタクトが取れる状態にできるようにしましょう。これは「呼び戻し」も兼ねており、愛犬の名前を呼んで目が合ったら「おいで」のコマンドで飼い主さんの近くに来させるトレーニングをしてみましょう。愛犬が離れた場所に居ても飼い主さんに注目することができ、呼び戻しができるようになることが目標です。
まとめ
アイコンタクトは「お座り」「待て」など様々なコマンドのトレーニングの基本姿勢となります。愛犬が離れた場所に居ても何かに夢中な時にも、名前を呼ばれたら飼い主さんの方に注目できるようにすることが目標です。
「呼び戻し」のトレーニングと似ていますが、アイコンタクトのトレーニングでは「飼い主さんの目を見て落ち着いて聞く姿勢になること」を目標にしてみましょう。
トレーニングの成功率が上がってきたらおやつを与えずに褒める回数を徐々に増やしていくと、おやつなしでもアイコンタクトが取れるようになっていくでしょう。みなさんもぜひ愛犬とアイコンタクトのトレーニングを通じて、目と目で気持ちを合わせてみてください。
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20代 男性 匿名