①脱走、迷子
散歩中にリードを手から離してしまったり、首輪が外れてしまったりすることは珍しいことではありません。それでもすぐにリードや犬の体を掴むことができれば問題ありませんが、犬が自由になったことにはしゃいで走り出してしまうこともあります。
道の向こうに他の犬や猫を見つけたり、何かのにおいを感じ取ったりと何かに夢中になると飼い主さんの制止の声も聞こえなくなってしまうでしょう。また、飼い主さんが慌てて追いかけようとすると、犬は追いかけっこなどの遊びと勘違いして楽しそうに逃げてしまうこともあります。
また、これは決してしてはいけないことですが、公園や空き地などで犬をノーリードにして遊ばせている人もいると思います。多くの人は「うちの犬は逃げないから」と言いますが、絶対にそうとは言い切れません。
普段はきちんと言うことを聞いて逃げることはなかったり、憶病で飼い主さんからあまり離れないタイプの犬だったりしても、雷や地震など予想外のできごとに驚いて犬がパニックに陥ってしまうことがあります。
パニックになっているときは、飼い主さんの呼ぶ声も聞こえず、無意識に走り出してしまうので、気がついたときには自分がどこをどうやって走ってきたのかわからず途方にくれてしまうこともあるのです。
②他人や他の犬とのトラブル
犬の散歩中に絶対に避けたいトラブルのひとつに、出会った人や犬に怪我をさせてしまうことです。散歩で公園などに行くと、小さな子供が犬を見て駆け寄ってきてくれたり、お年寄りの方が声をかけてくれたりすることがあります。また、フレンドリーな犬が急に近づいて挨拶をしてくることもあるでしょう。
このような状況では、犬が驚いて相手に噛みついてしまったり、吠えてしまったりすることがあります。特に犬好きな人や子供は、犬を撫でようと頭の上から手を出してくることが多くありますが、犬にとってはその行動は恐怖を感じるものです。
慣れない人に何をされるかわからないという不安から、威嚇行動に出てしまうことは自然なことだと思います。これは、犬を触る側のマナーですが、犬を触る前には必ず飼い主さんに確認を取ることが大切です。驚いただけで悪意はなくても、相手に怪我をさせてしまったら犬が悪者になってしまいます。そのようなことがないように、十分注意しなければなりません。
逆に他の人や犬と会えたことがうれしくてテンションが上がり、飛びついて転倒させてしまうことも考えられます。人に飛びつく癖がある犬や犬との遊び方が激しい場合は、飼い主さんがしっかりとコントロールしながら接触させるようにしましょう。
③交通事故
犬が脱走してしまったときなどに、自動車と衝突するなどの事故が起こることがあります。しかし、交通事故はそれだけでなくリードをつけて歩いているときにも起こる可能性があるのです。
例えば道路の曲がり角を曲がった瞬間に反対側から自転車が来ていたり、車道の脇を歩いていたら犬が車道側に寄ってしまい車と接触したりということはよく聞かれる事故です。
また、伸縮リードを道路でもロックせずに歩くことは大変危険です。伸縮リードの多くはリード部分が細く目立ちにくいため、長くして歩いているとリードがあることに気がつかずに、自転車やランニングをしている人が間を通ってしまうことがあるのです。これは転倒事故につながり、犬も引っ張られて巻き込まれる可能性が高いので非常に危険です。
④拾い食い
散歩中の困りごとに拾い食いを挙げる飼い主さんも多いと思います。理解している人も多いと思いますが、拾い食いは大変危険です。道路や公園には、犬が口にすると体に害を及ぼすものが落ちていることがあります。
草や木を食べる程度であればそれほど問題ではありませんが、噛んだ後のガムやお菓子・お弁当の食べ残し、ごみ集積所付近の生ごみなどは、犬がつい口にしてしまいやすいので要注意です。
また、タバコや食べ物が入っていたビニール、薬など犬の体にとって非常に危険度の高いものが落ちていることもあります。犬と散歩をするときは、危険な拾い食いを避けるために、道の状態や犬の様子を確認しながら歩くようにしましょう。
まとめ
散歩は犬にとって楽しいものですが、実は様々な危険が隠れています。犬自身が怪我をしたり、他者に迷惑をかけたりすることもありますし、飼い主さんが傷ついてしまうこともあるでしょう。散歩を楽しいもので終わらせるために、飼い主さんは楽しみつつも周囲の状況に気を配るようにしてくださいね。