1.極端に太っている、あるいは極端に痩せている
犬には、BCS(ボディ・コンディション・スコア)という体格を評価するための方法があります。BCSは5段階で犬の体格を評価します。痩せているという評価を1とし、1から5までの5段階評価となります。極端に痩せていたら腎臓や消化管などになんらかの疾患の疑いがあり、極端に太っていたら、糖尿病や代謝不全などの病気の可能性があります。
2.口臭や体臭が強い
内臓の働きになんらかの異常があり、体に入った毒素が排泄されず、体に蓄積されると口臭や体臭の原因になります。また、下痢や軟便が出ると肛門付近の被毛に汚れが付着したままになると当然、悪臭が愛犬の体にこびりつきます。歯周病などで歯茎や歯肉が炎症を起こしていても、口臭が強くなります。
3.目に生気がない
人間も、体調が悪くなると表情が冴えなくなり、目に力がなくなります。犬も同じです。むしろ、人間は自分の体調が悪い理由を「風邪だから熱が出ている」「食あたりでおなかが痛い」などある程度予想できますし、自分自身で対処できます。しかし、犬は体調が悪いとじっとうずくまる傾向があります。体調の悪さや痛みなどは耐えてしまいますので、表情が曇り、目に生気がなくなります。
4.運動を嫌がる
本来、健康な犬は飼い主さんとの散歩の時間が大好きです。にも関らず、散歩に行きたがらないのは体のどこかに痛みがあるのかも知れません。
愛犬が「不健康」な状態になった時、飼い主が出来ること
獣医さんの指示を守ること
愛犬を受診した獣医師さんの指示があれば、投薬の回数やタイミング、食事、散歩の回数や時間など、愛犬のためにしっかりと守りましょう。
出来るだけ普段通りの態度で接すること
飼い主さんが不安そうな顔をしていると、愛犬はより一層不安を感じます。普段、愛犬に接しているように明るく、穏やかにやさしく接するように心がけましょう。
体の状態に気を配ること
排せつ物、食事の量や内容、目の輝き、呼吸音や体温などに気を配ります。また、不健康な状態になった時に早い段階で異常に気付くことができるので、健康な状態の時の状態を覚えておきましょう。
愛犬を不健康にする生活習慣
愛犬の生活環境に無頓着
人と一緒に暮らしている犬には、飼い主である人間が与えてくれる生活環境の中で生きていくしかありません。動物だから食事さえ与えれば生きていけるだろうと考え、食事の内容、量、回数にも全く無頓着で、散歩などの運動もさせず、体を休めるための寝床が不潔でも気にしないような飼い主さんに飼育されてたら、健康な犬でも健康を害してしまうでしょう。
犬が欲しがるだけ人間の食べ物を与える
犬の食性は、「限りなく肉食に近い雑食」と言われています。ですから、人間の食べ物を絶対に犬に与えてはいけない、ということではありません。ただ、やはり犬と人間は違う動物です。内臓の仕組みや体の中にある酵素などの働きが違う部分もあります。ネギやニラ、たまねぎなど人間には無害でも犬にとっては毒になる食べ物があるのはよく知られた一例です。
また、カロリーや塩分も人間が摂取して問題ない量であっても、犬にとっては塩分過多でハイカロリーな食べ物を摂取していることになります。例え、犬が欲しがってねだっても、人間の食べ物を欲しがらないようにしつけることが大切です。
予防接種をしない
狂犬病の予防接種は、犬だけでなく私たち人間の命を守るために犬の飼い主に課せられた義務です。それだけでなく、「混合ワクチン」を呼ばれている予防接種は感染し発症したときに特に致死率が高い病気を予防するために必要です。
まとめ
「飼育」という言葉には、「育む」という漢字が含まれています。「はぐくむ」とは、「養い、育てること」という意味があります。健康で長生きできるように、愛情を込めて栄養バランスの取れた食事を与え、必要な運動をさせ、愛犬の健康を維持出来るようにすることが「犬を育む」ことだと思います。
健康な犬を育むのも人間であり、逆に健康な犬を知識の不足などで不健康な犬にしてしまうのも人間です。つまり、愛犬の体は飼い主さんの愛情で作られるのです。
ですから、初めて家族として犬を迎え入れるのなら、初めて子供を授かった親のように、「わが子を健康に育てる術」について学びましょう。そして、愛犬のために正しく学んだことを実践し、間違っていたことは改めるようにしましょう。