健康な犬の舌はどんな状態?
「ピンクでツヤツヤ」が元気の印!
まずは健康な時の犬の舌を知っておきましょう。
- ピンク~赤みがかった色
- 唾液でツヤツヤしている
このような状態が犬の健康な状態の舌です。犬は暑い時に「パンティング」という口呼吸をしますが、その時は血液が舌に集中しやすいため普段よりも赤く見えることがあります。
生まれつき「黒っぽい斑」がある子もいる
わんちゃんによっては、生まれつき舌に斑点がある子もいます。これは「舌斑(ぜっぱん)」と言って、人間の蒙古斑(もうこはん)のようなものです。舌斑は青~紫~黒の色で、小さい斑の子もいれば舌全体の広範囲にある子もいます。
黒っぽいできものがあると「メラノーマでは?」と心配になりますが、舌斑とメラノーマには形状の違いがあります。舌斑は舌に色が付いているだけで、着色部分に盛り上がりはありません。
一方メラノーマはその部分が盛り上がったり、他の部分と状態が明らかに違うことが多いです。そして舌斑は遺伝的な要素が強く生まれつきのものなので、幼い頃からあることがほとんどです。ある日突然黒い部分が現れた場合はかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
危険な舌の状態
1.白っぽい
舌全体の赤みが薄れ白っぽいときには「貧血」を起こしている疑いがあります。
貧血を起こす要因は多岐に渡りますが、
- 体内での出血
- 白血病
- 骨髄の異常
など重大な病気の恐れもありますので、早めに受診するようにしましょう。
2.赤すぎる
健康な犬の舌は赤みを帯びていますが、赤すぎる場合には「一酸化炭素中毒」を起こしている恐れがあります。これは一酸化炭素とヘモグロビンが結合すると鮮やかな赤色になるためです。締め切った室内での火鉢や古いガスストーブなどの使用は大変危険です。
3.黒い
舌斑ではなく舌が黒くなる原因の1つに「ナイアシンの欠乏」があります。ナイアシンはビタミンB3とも言い、これが欠乏すると犬の場合は舌が褐色~黒になるため「黒舌病」と呼ばれています。
4.青紫
犬の舌が青黒くなっている時には「チアノーゼ」を起こしている疑いがあります。チアノーゼは血液中の酸素濃度が低下することが原因で、舌だけでなく歯茎やほっぺの内側の粘膜にも現れます。
犬がチアノーゼを起こす病気は
- 肺水腫
- 気管虚脱
- 心房中隔欠損症
- 熱中症
- 低体温症
などがあります。
5.腫れ・ただれ
舌が赤く腫れていたり表面が白くただれている場合は「舌炎」が疑われます。
犬が舌炎を起こす原因は
- 歯垢や歯石などによる細菌増殖
- レプトスピラ菌感染
- カンジダ真菌感染
- 歯が当たったり噛んでしまう
- 口腔腫瘍
- 糖尿病
- 腎臓病
など多岐に渡ります。痛みも伴いますので、早急に受診して原因を探り治療を開始しましょう。
まとめ
舌は味を感知するだけではなく病気のバロメーターにもなる大切な部位ですので、愛犬の舌の色や質感などをチェックすることも愛犬の体調管理の1つです。犬は水を飲む時に舌をスプーンのように使っていますので、痛みや不快感が伴う舌炎になってしまうとごはんを食べるのもお水を飲むのも大変になってしまいます。
中には生まれつき黒い斑がある子がいたり、シャーペイやチャウチャウは深い青や紫色の舌です。そのように生まれ持ったものではなく「突然異変が現れた」という場合には早めに受診するようにしましょう。