力が弱い飼い主が大型犬を飼うということ
力が弱い人は大型犬を飼うべきではないのか、いいえ、そんなことはありません。大型犬を連れて歩いている人は、皆さん体がうんと大きくて強そうなプロレスラーのような人でしょうか。
体が小さく華奢な女性がドーベルマンやシェパードを連れてお散歩していることだってあります。大型犬を飼うために必要なことは力の強さではないのです。
大型犬を飼うべきではない人はこんな人です
「適切なしつけを行うことができない人」は大型犬を飼うべきではない人です。お手・お座り・伏せ・待て・来い・放せなど、基本的なしつけを飼い主さんや家族でも行うことができますが、どうしてもそれだけでは不十分です。どんなときも、どんな状況におかれても、確実に飼い主さんの指示に従うことができなければなりません。
この点がなかなか素人では難しいのです。犬は興味を引くものがあれば真っすぐに走っていってしまいます。力に自信のある人でも大型犬の力では引きずられてしまうことがあります。
もしリードを手放してしまったら…「戻っておいで!」と言う飼い主さんの指示に確実に従うことができるでしょうか。その先で他の人や犬を襲ってしまった事件が日本でも多く発生しています。
大型犬に適切なしつけを行うために必要なこと
大型犬の飼い主さんの不安は、お散歩などで家の外に出たとき、制御不能になってしまわないかということです。興奮し、暴れる大型犬を力だけで抑えつけるのは困難です。どんなときでも飼い主さんや家族の指示に確実に従うことができるよう、訓練所に預けるという選択肢が必要な場合があります。
飼い主さんや家族で適切なしつけを行うことができないのであれば、訓練所で適切な訓練を受けることが必須であると言えます。愛犬の安全と命を守るために必要なことです。実際に大型犬と暮らす飼い主さんのほとんどが訓練所に預けるという選択をしています。
大型犬を飼うときに注意すべきこと
お散歩中、他の人や犬、鳥や野良猫などを見て興奮し、暴れてしまうのであれば困ります。力に自信のある飼い主さんでさえも制御不能になり、リードを手放してしまうかもしれません。逃げ出した先で人や犬を襲ってしまったら…と考えると恐ろしいですよね。
特別な訓練が必要かどうかの判断
訓練所に預け、特別な訓練を受ける必要があるかどうか、飼い主さんが判断しなければなりません。全ての大型犬に必要であるとは限らないからです。飼い主さんとアイコンタクトをしながら歩く大型犬を見てどのように感じますか?
「やっぱり大型犬は頭が良いんだな」と考える人がほとんどです。それは違います。知能が高い犬種の多い大型犬だからこそ、しっかりと信頼関係を築き、適切なしつけを十分に行ったからこそ、お利口さんに歩くことができるのです。
時には力が必要なこともあります
力が弱い人は大型犬を飼うべきではない、なんてことはありません。何度も言うように、適切なしつけを十分に行うことができれば、力の弱い人でも大型犬を飼うことに問題はありません。しかし、愛犬もいつかは高齢になり、介護が必要になります。自力では立ち上がることさえもできなくなるかもしれません。
そんなとき、動物病院へ通うため、抱っこして車に乗せなければなりません。愛犬を抱きかかえることができるだけの力や体力があるでしょうか。寝たきりになったとき、愛犬の体を支えながら寝返りを打たせてあげることができるでしょうか。
まとめ
力が弱い人は大型犬を飼うべきではない?いいえ、決してそんなことはありません。ただし、適切なしつけを十分に行うことができないのであれば、大型犬だけではなく、犬を飼う資格はないと言っても過言ではありません。愛犬をコントロールすることができず、どうしようもなくなり、家の中や檻に閉じ込めておく人や手放す人も決して少なくはないです。
自分で徹底したしつけを行う、訓練所に預ける、出張で訓練を行ってもらう、様々な選択肢がありますが、高額な必要がかかります。それでも愛犬を守るために必要なことです。その覚悟がある人が、その責任を負うことができた人が、大型犬と暮らす人です。