理由①食べ物のにおいがする
原因や心理
犬がウンチを食べる理由として、ウンチから食べ物のにおいがしたり、とてもお腹が空いていたりと、食欲が影響していることが考えられます。
基本的に適切な食事を与えていればひどい空腹になることはないと思いますが、過度なダイエットを行っていたり、虐待などで適正な飼育環境でなかったりする場合などには、ウンチを食べて空腹をしのぐことがあります。
また、ウンチに食べ物のにおいが強く残っている場合に、つい口にしてしまうということもあります。犬は味覚よりも嗅覚が優れているため、においが食欲と直結しています。においが残りやすい食事をした場合や、子犬や老犬など十分に消化吸収が行えていない場合などに食べ物のにおいがウンチに残ってしまうことがあります。
対策や改善方法
消化機能が未熟でウンチに食べ物のにおいが残りやすい上、好奇心旺盛で何でも口にしてしまう子犬は食糞をしやすい傾向にあります。また、食糞はくせになりやすいので一度経験すると、その後繰り返し行ってしまう傾向にあります。
そのため、くせにならないうちにできるだけ早くやめさせることが大切です。子犬や老犬の場合は、消化吸収を助けるためにドッグフードをふやかしたり、少量ずつこまめに食べさせたりするなど食事の与え方を工夫しましょう。また、消化酵素のサプリメントを追加するのも効果的です。
理由②退屈しのぎやストレス解消
原因や心理
留守番中に退屈しているときや、何らかのストレスを感じたときに吠えやいたずら、自傷行為などの問題行動を起こすことがあります。その問題行動のひとつに、食糞も入るのです。
ストレスを感じたからといってなぜ食糞をするのかと、理解できない飼い主さんもいると思います。しかし、ストレスや不安を感じているときに起こす行動は、犬自身も無意識・無自覚に行っていることが多く、ただ体を動かすことでそれらの感情を緩和しているのです。
対策や改善方法
退屈を感じたときに遊びのつもりで食糞を始めてしまった犬の場合は、留守番中や一人遊び用のおもちゃを工夫してあげるようにしましょう。ボールやぬいぐるみなどのおもちゃをポンッと渡すだけでは、犬はすぐに飽きてしまいます。遊んでいる最中に形が変わるおもちゃや、おやつを詰めて遊ぶおもちゃなど、犬が頭を使う知育系のおもちゃを用意してあげてくださいね。
また、ストレスを感じている場合はその原因自体を解消することが必要です。この状態で食糞だけを叱ったりやめさせようとしたりしてもなかなかうまくいかないでしょう。
理由③飼い主に構ってほしい
原因や心理
飼い主さんの気を引くために犬がウンチを食べてしまうということは非常に多くあります。犬がウンチを食べると、飼い主さんはとてもびっくりすると思います。
そこで、慌てて駆け寄って抱き上げたり、大きな声を出したりすると、犬は飼い主さんに注目してもらえたと喜んでしまうのです。ちょっとした騒ぎのようになると、犬は飼い主さんも遊んでいると勘違いしたり楽しい気持ちになってしまったりして、食糞をすることが増えてしまいます。
また、トイレのしつけをする中で強く叱ったことがあると食糞するようになることもあります。飼い主さんはそんなつもりではなくても「ウンチをしたから叱られた」「早くウンチを隠さなきゃ」という心理が働いて、ウンチを食べてしまうことがあるのです。
対策や改善方法
食糞をすると、飼い主さんは驚いたり慌てたりすると思いますが、そうした反応が犬を喜ばせてしまっている可能性があります。特に飼い主さんから注目されたり、構ってもらったりすることが大好きな犬は、いたずらなどわざと怒られるようなこともします。
食糞をやめさせたい場合は、ウンチをしたらすぐに片付けて食べるタイミングを与えないようにしたり、ウンチをした瞬間におやつを離れた場所に投げてトイレから遠ざけるようにしたりしましょう。万が一食べてしまっても、慌てず騒がず冷静に対応するようにしてください。
まとめ
犬がウンチを食べる食糞は、動物にとっては異常な行動ではありません。食欲やストレスなどが原因になることはめずらしくなく、飼い主さんの気を引くために食糞をする犬もいます。
しかし、見ている飼い主さんからすると、食糞は絶対にやめさせたい行動のひとつだと思います。食糞をやめさせるためには、とにかくウンチを食べるタイミングを与えないことと、食べてしまいそうになったときに大騒ぎしないことです。
犬のトイレは即座に片付け、ウンチを食べそうになったらテーブルを叩くなど、大きな音で一瞬びっくりさせて犬の動きを止めます。そして、もし食べてしまっても無視するか、目を合わせず無言で片付けをするようにして「ウンチを食べても飼い主さんは構ってくれない」ということを学習させましょう。