無気力とはどんな状態?
犬が無気力になる原因は、老化だけではありません。言葉で不満を伝えることが出来ない代わりに、飼い主にメッセージを伝えようとしています。犬の様子としては、以下のような行動が見られます。
《無気力を表す犬の様子》
- ごはんを食べようとしない
- 体を縮めて遠くを見ている
- しっぽを振ることがなくなった
- 呼びかけても反応しない
上記の症状は一例ですが、無気力状態が見られたら、すぐに動物病院を受診して下さい。重篤な状況に陥る前に、早い段階で専門家の意見を聞き、指示を仰ぐようにしましょう。
犬が無気力になるときの心理
1. ストレスが溜まっている
人間が考えている以上に、犬はストレスを感じやすい動物です。過剰なストレスがかかると、動く意欲すら失ってしまうことがあります。犬は嗅覚と聴覚が優れているため、飼い主が良かれと思って置いた芳香剤の匂い、かけている音楽がストレスの原因になることがあります。
2. 気分が落ちている
ひとりぼっちで留守番の時間が長いと、生活に刺激がないため、元気がなくなってしまいます。犬にとって、散歩や外出は気分転換となりますが、出かける機会が減ると、楽しみがなくなって気分が下がってしまうのです。
3. 病気で元気が出ない
無気力状態に加えて「体重の減少」「排泄物の異常」が見られたら、何らか病気の可能性が考えられます。毎日の習慣に「触る」「観察する」時間を取り入れることで、早期発見に繋がります。
《考えられる病気》
- 慢性腎不全
- 急性胃腸炎
- 肝疾患 など
ちなみに、人間用の「抗うつ剤」を誤飲した場合も麻酔作用が強く働き、動きたがらなくなる傾向があります。人間と犬では体重に対する投与量が異なるため、個人の判断で与えるのは危険です。
犬にも「うつ病」がある
「うつ病」の疑いがあるサインとは?
犬が患う心の病の一つに「うつ病」があります。
ストレスの多い現代社会において、「うつ病」になる犬の数が増えてきています。
《これってうつ病かも?》
- 飼い主から隠れようとする
- 目から輝きが消える
- 抜け毛の量が極端に増える
犬の「うつ病」の治療法
「原因を取り除く」「獣医師による診察」「投薬」などで治療を続けていきますが、一度うつ病になると、完治するまでに長い期間を要します。うつ病になる前に予防するのが一番ではありますが、発症してしまった場合、飼い主が愛犬と過ごす時間を増やすことも、改善に向けた糸口になるかもしれません。
「ストレス診療科」「行動診療科」の存在
人間の「心療内科」に近しい「ストレス診療科」「行動診療科」の存在を知っていますか?ストレス関連疾患や問題行動を解決する手助けをしてくれる専門診療科です。まだまだ国内には数える程しかないのが現状ですが、気になった方は調べてみて下さいね。
まとめ
無気力に見える時間がほんの一瞬なのであれば、一時的な体調不良かもしれません。しかし、この記事を読んで、愛犬と向き合う時間を見直して下さる方がいたら、非常に嬉しいです。
言葉を交わすことが出来ない以上、飼い主はちょっと過保護なくらいがちょうど良いのではないか、と筆者は思います。その絶妙なバランスが、愛犬との暮らしを支える基盤となっているのではないでしょうか。