犬が飼い主にあまり近寄らなくなる時の心理4選
1.飼い主さんに絶対的な信頼感を持っているから
家の中にいても飼い主さんが移動するたびに飼い主さんの後をついて回り、飼い主さんが外出して姿が見えなくなったら、ずっと吠え続けたりする場合は、「分離不安」と言って犬の問題行動の一つです。
飼い主さんから離れたら不安でとても落ち着いていられない状態です。それとは逆に飼い主さんが外出する時も、家の中で飼い主さんの姿が見えない場所にいても落ち着いていられるのは、「飼い主さんは絶対に自分の元に帰ってくる」「飼い主さんは自分を大切に思っている」という確信があるからです。
2.もともと独立心の強い犬だから
犬は、1頭1頭人間と同じで性格が違います。同じ犬種、同じ親から生まれた兄弟でも天真爛漫な性格だったり、神経質な性格だったりと千差万別です。
とはいえ、犬は長い間、人間と共生し、狩猟や牧羊、闘犬、愛玩など人間の目的によって品種改良がなされてきたことは事実です。特に人の指示を待たず、自分の判断が要求されるような使役に就いていた歴史がある犬種は、独立心が強い傾向があると言われています。
「独立心」とは、なにかに依存することなく、自分は自分であり続けようとする気持ちのことを言います。だとするなら、たとえ飼い主さんの側にいなくても、飼い主さんが自分を愛してくれていることを疑いもせず、なおかつ、自分は自分であろうとする、強い心を持っている尊敬すべき犬、ということではないでしょうか。
3.飼い主さんが怖いから
人間でも、恫喝されるとほとんどの人が怯み、恐怖を覚えます。言葉が通じない相手ならなおさらその恐怖は増すでしょう。犬にとっては、まだ家族になって日も浅く、飼い主さんとの信頼関係が築けていない状態で、トレーニングなどの最中に怒声を浴びせられたら、「人間は怖い」という記憶が刻み付けられてしまいます。
4.体調が悪いから
飼い主さんの側にいると、体を撫でられたり、抱き上げられたりするでしょう。普段なら、元気に動き回っていて、飼い主さんのいる場所どこにでもついて歩くようなタイプの犬が全く近寄ってこず、寝そべっているだけ…と言うときは要注意です。
飼い主さんとのコミュニケーションの時間を何よりも楽しみにしているけれど、それを避けるようにしているのは、が体調がすぐれないため、静かに体を休めたい…と思っているのかも知れません。
犬が飼い主にあまり近寄らなくなる時の対処法
今までと同じように愛情と敬意をもって接する
愛犬の精神的な成長を認めて、その段階にあったコミュニケーションの取り方を考慮する必要はありますが、愛犬の飼い主さんへの愛情が失われている訳ではありません。
飼い主さんにすり寄ってこなくても、膝の上に乗ってこなくても、飼い主さんの目の届く範囲でくつろいでいる姿を見せているのなら、なにも不安に感じることはありません。
愛犬が飼い主さんを信じてくれているように、飼い主さんも愛犬の愛情を信じましょう。そうすれば、今までと同じように愛情を注ぎ、さらにはレベルアップした成熟した大人の愛情を示してくれる愛犬に対して、より深い親愛の感情を持つことが出来るはずです。
愛犬の状態をよく観察し、適切に対処する
耳は聞こえているか、体のどこかに痛みを感じていないか、食欲はあるか、排せつ物に異常はないかをよく観察しましょう。また、目の輝き、毛の艶、呼吸音や体温などにも注意を払います。健康な時となんらかの違いが見られるのであれば、出来るだけ早く獣医さんの診察を受けましょう。
まとめ
辞書によると「飼う」という言葉は、「動物を養い、育てること」とあります。「養う」とは、「食物などを与えて育てる、または生活させる」とあります。つまり、私たちは「犬」という動物を「食物などを与えて、育てて生活させている」ことになります。
言葉の意味だけで考えると、私たちは愛犬よりも強い立場に立ち、家庭内において愛犬の生命与奪権を持っていることになるのですが、そんなことを愛犬が理解しているワケがありません。
愛犬たちは私たち飼い主を「安心して暮らせる家と大切な家族を守ってくれる存在」として認めているはずです。体調不良が原因でなく、飼い主さんに近寄らなくなったということは、愛犬の精神的成長だと考えましょう。確かに寂しさを感じるのは無理のないことです。
けれども、飼い主さんの側にいなくても飼い主さんの愛情を信じていられるように精神的な成長を遂げた愛犬と飼い主さんは、お互いの心と心はしっかりとつながっています。そのことを誇りに思いましょう。