犬がストレスに感じる意外なもの
飼い主さんであれば、愛犬がストレスを感じるものはある程度は推測することができるでしょう。例えばコミュニケーション不足や散歩不足、不適切な食事、不適切な生活環境、お留守番、大きな音など、さまざまなものが考えられますよね。
しかし中には、飼い主さんが無意識なうちにしている行動によって犬がストレスを感じている場合もあるんです。その「意外なもの」とはどんなものなのでしょうか?
犬がストレスに感じる「意外なもの」1:過度なコミュニケーション
今や、子供の数よりもペットの数が上回っています。愛犬にかける時間やお金を惜しみなく使う飼い主さんが増えてきており、そして犬自身も、飼い主さんとのコミュニケーションやスキンシップを幸福と感じる瞬間です。
しかしそれが過度となると、逆効果となってしまいます。犬も人間と同じで、ひとりになりたい時間があります。飼い主さんから離れて自分のお気に入りの場所で寝始めたり、オモチャで遊んだり、そのようなときは「ひとりでのんびりしたい」という気持ちがあらわれています。
そんなときに構おうとすると、いくら飼い主さんであっても「邪魔だなあ」とストレスを感じてしまいます。愛犬の気持ちを察して、触れないようにすることも飼い主さんの優しさとなります。
犬がストレスに感じる「意外なもの」2:引っ越し
人生の大きなイベントの一つである引っ越しは、犬にとってもストレスになります。「引っ越し準備をするのは人間だし、犬は移動するだけであってストレスを感じないのでは?」と思うかもしれませんが、実は犬にさまざまな影響を与えているんです。
飼い主さんが家の片付けや掃除をすることで、掃除機を使用する回数が増えます。つまり、掃除機が苦手な子にとってはストレスを感じる時間が長くなるということです。ホコリが舞うことも環境としては良くないですよね。
また、荷造りによって家にあふれる段ボールも、犬に威圧感を与えてしまいます。新居への移動や、新しい土地での慣れない生活も、犬はストレスを感じてしまいます。
犬がストレスに感じる「意外なもの」3:飼い主さんのケンカ
人間同士のケンカも、犬にとってはストレスを感じるものの一つです。犬は人間の感情に敏感な動物で、とくに飼い主さんに対しては瞬時に察するでしょう。飼い主さんの表情や仕草、声のトーン、雰囲気などを観察し、「なにかあったのかな?」「ケンカしてるのかな?」と考えています。
また、ケンカが長引くと愛犬に執着する飼い主さんも多いようです。例えば、犬に向かって「〇〇ちゃんは私の味方だよね~」と執拗に撫でたり抱っこしたり。
逆に、ケンカが長引くことで気持ちが落ち込み、愛犬を放置したり八つ当たりすることもあるようです。このような気まぐれで一貫性のない愛情表現は、犬にとって大きなストレスとなります。
犬が出すサイン
人間と共生し、室内飼いが主流となっている今も、オオカミの名残を未だに残っている犬は警戒心が強く、繊細な動物です。人間への共感能力が非常に高いため、ストレスを感じやすい動物ともいえます。
人もストレスを感じると貧乏ゆすりをしたり爪を噛んだり、頭を掻いたりしますよね。犬も同じで、ストレスを感じると何かしらの行動や仕草を示します。これをカーミングシグナルといい、オオカミ同士うあ犬同士が持つコミュニケーションツールの一つで、全ての犬に当てはまる共通の行動といえます。
カーミングシグナルの種類は多数挙げられますが、その中でも、「ストレスを感じているときのカーミングシグナル」をいくつかご紹介します。
- あくびをする
- 体を掻く
- 伸びをする
- 視線を外す
- 背中を向ける
などが挙げられます。
しかし、一概に全てが常にカーミングシグナルというわけではありません。実際に体が痒い場合に体を掻くこともありますし、寝起きなどは伸びをする犬も多いでしょう。ここで重要なのは、犬が発するカーミングシグナルを飼い主さんが正しく見極めることです。
まとめ
私たちの何気ない行動で、愛犬がストレスを感じているなんて…。飼い主さんとしては、とても悲しいことですよね。
軽度のストレスは成長していくうえで良い刺激になるのですが、それが継続的になると重度のストレスとなり、心のバランスを崩して健康状態にも悪影響を及ぼす恐れもあります。愛犬は私たちに癒しや元気を与えてくれます。私たちも愛犬にとって、心地の良い存在でありたいですね。