犬は他の犬の真似をすることができるの?
犬を飼われている方の中で多頭飼いされている方はそれほど多くはなく、半数以下だとか。しかし犬好きであれば多頭飼いに興味がある方も少なくないと思います。
「先住犬に寂しい思いをさせたくない」や「可愛い家族を増やしたい!」という気持ちで多頭飼いに踏み切る方が多いようです。そしていざ多頭飼いをすると後輩犬が先輩犬の行動を真似することが良くあると耳にします。果たして後輩犬は本当に先輩犬の真似をするのでしょうか?
犬は他の犬の真似をするの?
人間であれば、憧れている人のメイクやファッションなどを真似ることは良くあると思います。この「真似をする」という行動、実は犬もすることがあるようです。
犬は他の犬の行動をしっかりと目で見ることで学習し、真似をして同じ行動をとるのだとか。特に親しくて深い関係にある犬の真似は良くするそうなので、多頭飼いで一緒に暮らしている犬の真似をすることはごく自然ことかもしれません。
実は犬をはじめとした動物は他の個体の真似をすることが良くあります。これは他の個体の行動を真似することで自信の命を守るためだとか。言葉を持たない動物たちの世界では「真似をする」という行為は生きるために重要なことなのです。多頭飼いの後輩犬が先輩犬の行動を真似ることは、「安全に生きるため」という気持ちからの行為なのかもしれません。
とはいえ、もちろん個体差もあり先輩犬の真似を全くしない後輩犬も存在しますし、そもそも同じ行動をしていても真似をしているわけではなく、単なる犬の習性で同じ行動をとっているというケースもあるようです。
犬の多頭飼いで後輩犬が先輩犬の行動を真似する理由2つ
後輩犬が先輩犬を上位者と認めている
本来犬は群れの仲間たちと暮らす動物。その群れの中には「上位者」と「下位者」が存在するのは皆さんご存じかと思います。
一昔前は「飼い主さんが愛犬の上位者になれるようなしつけする」という考え方が一般的でしたが、現在ペットとして飼われている犬は飼い主さんに対して「上位」「下位」などの考えを持つことはなく、信頼できる親犬のような存在になることが理想的と言われています。しかし、犬同士であれば話は少し違うよう。
後輩犬が先輩犬のことを「上位者」として認めている場合、多くのことを学ぶため先輩犬の行動をよく観察して真似することが多いようです。また、先輩犬が後輩犬にしつけをしてくれるいう話も時おり耳にしますよね。「2頭目は先輩犬が全部教えてくれたから、しつけが楽だった」というご意見もあるよう。
この場合、先輩犬が後輩犬にとって「信頼できる上位者」であること、また相性が良いこと、先輩犬のしつけがしっかりと入っていることが絶対条件になると思います。
真似する環境を飼い主さんが作っている
先輩犬であろうが後輩犬であろうが、同じ種族である「犬」という生き物です。同じ環境下で暮らし、同じお散歩コース、同じしつけをしているということで「真似している」というよりも「行動が似てくる」こともあるよう。飼い主さん目線では「ああ先輩犬の真似をしているんだな」と感じるような行動でも、単純に犬の習性として同じ行動をとっているケースもあります。
例えば玄関のチャイムに先輩犬が吠えてしまい、後輩犬が真似をして吠えるという行動は、真似をしているのではなく、後輩犬もチャイムの音に反応しているだけかもしれません。チャイムの音に反応して吠えるのを止めさせたいのであれば、双方の犬にいちからしつけをする必要があります。
後輩犬が先輩犬の行動真似するうえで気をつけたいこと
上記にも書いたように、犬が他の個体の真似をすることは珍しいことではないようです。そして多頭飼いだと高い確率で真似します。先輩犬の良い行動だけを真似てくれると良いのですが、もちろんそう上手くはいきません。先輩犬に問題行動が多い場合は、その問題行動も真似してしまい飼い主さんの苦労は倍になってしまうことも…。
多頭飼いに興味があり2頭目を迎え入れるのであれば、先輩犬のしつけをしっかりとしておきましょう。後輩犬が良い面を真似してくれるので、しつけが少し楽になるかもしれません。
まとめ
可愛い家族が増えるのは、愛犬家としては嬉しいことかと思います。しかしその反面、愛犬に費やす時間や出費も倍になります。時間や金銭的な余裕、また飼い主さんの精神的な余裕も必要になるかもしれません。
そして先輩犬の問題行動は高い確率で後輩犬が受け継いでしまいます。まずは先輩犬のしつけをしっかりとしてから、多頭飼しても大丈夫なのか検討することをお勧めします。