飼い主のNG行為が愛犬を苦しめる…!?
室内犬とは、室内で飼育されている犬のこと。小型犬でも大型犬でも、室内で飼われていれば室内犬です。今は昔と違って室内飼育が主流なので、多くの犬が室内犬ということになります。
雨風にさらされることなく、飼い主さんや家族と一緒にいることが多い室内犬は、安心して暮らすことができるように思えるでしょう。でも室内にも、気をつけるべきことはたくさんあります。
飼い主さんの行動がケガや病気、事故、ストレスの原因を作り、愛犬を苦しめてしまうことがあるので注意が必要です。そこで今回は、室内犬への絶対NG行為をご紹介したいと思います。
NG行為①安全対策をしない
室内で犬を飼う場合、何も安全対策をしないのはNGです。ケガや事故が起こる可能性が高く、犬の命にかかわることもあります。室内において、人には問題なくても犬には危険なことは案外あるものです。犬目線に立った安全対策が必要になります。
床
フローリングの床はツルツルとしていて滑りやすく、犬の関節などに負担がかかります。転倒してケガをすることもあります。愛犬が過ごすスペースには毛足の短いカーペットやコルクマット、タイルカーペットなどを敷きましょう。滑り止めのワックスを塗布するのも手です。
電気コード
床に電気コードがあると、犬が噛んでしまう恐れがあります。通電している状態で噛んでしまった場合は感電する危険があり、命にかかわります。電気コードは噛めないように、家具の後ろに配置する、配線カバーをつけるなどしましょう。
誤飲しやすいもの
薬、アクセサリー、タバコ、クリップ、輪ゴムなどは、床に落ちたままになっていたり、テーブルの上に置きっ放しになっていたりしがちですが、愛犬が誤って飲み込んでしまうと大変です。場合によっては、内視鏡手術や開腹手術になることもあります。
誤飲の危険のあるものは引き出しにしまったり、愛犬の届かないところに置いたりする習慣をつけましょう。
階段やキッチン
階段は犬にとって無理な体勢で昇降することになり、足腰に負担がかかります。足を滑らせてケガをしたり、転落したりする危険もあります。
キッチンには刃物のほか、犬に有害な食ベ物が保管してあるなど、危険がいっぱいです。留守番中の犬がガスコンロの点火ボタンに触れて火をつけてしまい、火災が起こったケースもあります。
こうした危険な場所は愛犬が自由に行き来できないように、ゲートを設置するのがおすすめです。
NG行為②室温の調整をしない
暑すぎたり寒すぎたりする環境は、犬にストレスを与えます。また、体調を崩す原因にもなります。「室内だから大丈夫」と油断せずに冷房や暖房を使って、犬が快適に過ごせる温度(夏場は26℃前後、冬場は20℃前後が目安)に調整しましょう。湿度は50~60%をキープしましょう。冬場は乾燥しやすいので、加湿器を利用するのもよいでしょう。
犬は高温多湿な環境が苦手で、人よりも熱中症になりやすいため、特に夏場はエアコンによる室温調整が必要になります。愛犬だけで留守番させる際も、エアコンをつけて出かけましょう。
NG行為③ハウスを設置しない
「家の中で自由に過ごさせてあげたい」という考えから、クレートやケージなどのハウスを設置しないのもNGです。ハウスがないと犬が落ち着いて過ごせる場所がなく、ストレスになってしまうことがあります。
クレートは狭くてかわいそうに感じるかもしれませんが、野生時代の犬は穴倉で暮らしていたため、薄暗くて適度に狭い空間にいると安心してくつろぐことができます。ハウスを設置して、愛犬だけの居場所を作ってあげましょう。
普段からクレートやケージなどのハウスで過ごすことに慣れておくと、ペットホテルでの宿泊時や動物病院での入院時、被災時の避難所生活の際などに、犬のストレスや不安が軽減されるというメリットも期待できます。
NG行為④ベッタリしすぎる
愛犬とコミュニケーションやスキンシップが取りやすいというのは、室内飼育のメリットのひとつです。でも、ずっと愛犬とベッタリというのはよくありません。飼い主さんへの依存心が強くなり、飼い主さんと離れたときに愛犬が不安を感じるようになってしまうことがあります。
エスカレートすると、分離不安(飼い主さんと離れると大きな不安を感じ、問題行動や体調不良を起こす心の病気)に発展することも。愛犬とは適度な距離感を持って接することが大切です。飼い主さんが家にいても別々に過ごす時間を作り、愛犬の自立心を育てましょう。
まとめ
今回は、室内犬への絶対NG行為を4つご紹介しました。愛犬を室内で飼っているとそれだけで何となく安心してしまいますが、室内だからこそ、またそばにいるからこそ気をつけなればいけないことがたくさんあります。愛犬を苦しめることにならないように、ご紹介したようなNG行為はしないように注意しましょう。