そもそも犬は人の会話を聞いている?
犬と一緒に生活をしていると、犬の前で会話をする機会は多いと思いますが、そのようなとき犬は人の発する言葉を聞いていると考えられています。
もちろん会話で使用される言葉の意味すべてを理解できるわけではありませんし、理解しようと意識して聞いているとは限りません。しかし、犬は「自分に話しかけられるかもしれない」「自分に関係があることかもしれない」と思って、体を休めながらでも耳をそばだてていることが多いのです。
本来は、自分に危険が迫っている場合にすぐに逃げることができるように周囲の音や状況を敏感に察知していまし。しかし、身の安全が確保されている家庭内ではどちらかというと「自分にいいことが起きるかもしれない」という期待で、人の会話を聞いている傾向にあると考えられています。
会話のすべてを理解できなくても、「おやつ」「ごはん」「散歩」などうれしいことや「シャンプー」「病院」など苦手としていることに関わる単語を聞き取って状況を把握しようと考えているようです。
食べ物の話をしていたら愛犬がすぐそばまで来ていた、散歩に行こうかとつぶやいたらもう玄関に走っていた、などという経験をしたことがある飼い主さんは多いのではないでしょうか?このように、自分に直接関係のある会話をしている可能性があるため、犬は飼い主の会話に注目していると考えられます。
犬が人の会話をどれだけ理解している?
犬が人の会話を聞いて理解できるのは、基本的には知っている単語が出てきたときだと思います。自分に直接関係のある「おやつ」「散歩」などの単語や、飼い主さんが日々くり返し発する「行ってきます」「いいこだね」などの言葉を聞き取って、その後の行動や状況によって意味を理解します。
そのため「おやつをあげる」という犬への声掛けも「おやつを買いに行こう」という家族間での会話も、どちらも「おやつ」という単語に反応することが多いとされています。
知っている単語の後に続く言葉の意味や、接続詞などをすぐには理解できないまたは聞いていないので、どちらにしても犬が近づいてくるということはめずらしくありません。
しかし、一緒に生活する中で飼い主の会話にも慣れてくると、どれが自分に関係のある会話であるかということへの理解が深まっているとも考えられています。
言い争いやケンカは犬のストレスになるので注意
犬が人の会話の意味を理解するとき、言語そのものの意味を知っているということ以外に、言葉を発している人の声のトーンや速度、表情、ボディランゲージなどで大まかに把握できるということもあります。
人間同士であっても、声のトーンや表情で言葉にしない感情が何となくわかるということがあると思います。いわゆる「空気を読む」ということにつながりますが、犬はそれがとても得意だと考えられています。会話をしている人たちが楽しんでいるのか、険悪なのかということを雰囲気で感じ取るのです。
イライラとした気持ちを抑えながら話してもため息ひとつで犬はその人の感情に気がつくでしょう。犬を楽しませるためにテンションを上げて遊びに誘っても、心から楽しんでいなければ犬はそれを察知して乗ってこないこともあります。
このような犬の特性を考えると、気をつけたいのが家庭内での言い争いや喧嘩です。大好きな家族が喧嘩をして、家庭内が険悪な雰囲気になっていると犬は強いストレスを感じます。ストレスが原因で体調を崩したり、問題行動につながることもあるので、できるだけ愛犬の前では激しい言い争いや喧嘩は控えてあげてください。
まとめ
犬は私たちが思っている以上に、人の会話を聞いているようです。犬に向かって発した言葉ではなくても、会話の中に知っている単語が出れば反応しますし、会話をしている人たちの声のトーンや表情からその雰囲気を理解することもあります。
犬が私たちの会話を聞いているかもしれない、と考えて犬のストレスとなる言い争いや喧嘩は控えて、できるだけ楽しい雰囲気の中で生活させてあげてくださいね。