犬を叱るのと褒めるの、どっちがいいの?しつけをする時の効果的な方法を解説

犬を叱るのと褒めるの、どっちがいいの?しつけをする時の効果的な方法を解説

犬のしつけ方法は以前とは変わってきています。犬という動物についての研究が進むにつれて、犬のしつけには「叱る」ことよりも「褒める」ことの方が効果的であるという意見も出てきました。今回は「犬のしつけ」について、効果的に愛犬に伝えるための方法をまとめました。

「褒める」が効果的な理由

なでられて笑顔の犬

犬と人間の脳の違い

人間の脳と犬の脳ではその構造が異なります。大きな違いの1つは「前頭葉」の発達です。人間は大脳皮質の約30%を占めるほど発達しているのに対し、犬の前頭葉は約7%ほどと発達していません。前頭葉は一時的で急激な感情の動きを制御する部分ですので、犬は人間よりも情動を自制することが難しいのです。

もう1つの大きな違いは「大脳辺縁系」という部分にあります。大脳辺縁系は食欲や睡眠欲などの本能的な欲求や意欲、喜怒哀楽、記憶、自律神経活動に関与している部分です。人間はあまり発達していませんが犬は発達しており、犬は人間よりも本能的な衝動が強いと考えられます。

「好き・嫌い」を判断する偏桃体

この大脳辺縁系には「偏桃体」という部分があるのですが、ここは情動反応の処理や短期的記憶を司っています。偏桃体は海馬からの「味覚」「嗅覚」「視覚」などの記憶情報をまとめて「好き・嫌い」を判断する部分です。また、偏桃体は「恐怖」や「攻撃性」にも関係しています。

犬も人間も、外から受けた情報をこの偏桃体で「好き・嫌い」に分別します。「好き」は「報酬系回路」と呼ばれ、「嫌い」は「嫌悪系回路」と呼ばれます。これらの回路には量に差があり、人も犬も報酬系回路と嫌悪系回路は「8:2」の割合であると言われています。

褒めることを重視した方が犬の喜びと意欲になる

犬にとっても「叱られること」よりも「褒められること」の方が幸せを感じます。褒められて報酬系回路が活性化すると、喜び物質であるドーパミンが放出されて「意欲」を司る部分も活性化されます。

犬は人間よりも偏桃体のある大脳辺縁系が発達していること、そして報酬系回路と嫌悪系回路が8:2という量の差を考えると、犬のしつけには叱ることよりも褒めることの方を重視した方が効果的であると言えます。

褒め方・叱り方

スリッパを噛む犬

褒めることは「正しい行い」を伝えること

たとえばトイレトレーニングの場合、失敗を責めるよりも成功を褒めた方が効果的です。犬は前頭葉の発達がほとんどないことによって、もともと善悪の区別をするのが苦手です。

人間にとっては「トイレはトイレでするもの」と当たり前のように分かりますが、犬にとってはもともとどこでトイレをしたって良いのが自然です。フカフカしたキッチンマットの上が「なんか良い感じだな」と思ったから、そこでオシッコをしてしまうだけなのです。

ここで「なんでできないの!」と叱っても、愛犬にはよく分かりません。そのため失敗を責めるのではなく、成功した時に褒めてあげることで「ここでオシッコをすると褒められる=良いことがある=次もそうしよう」と学んでいきます。

こうして成功体験を積み重ねていくことで、愛犬はトイレをトイレだと認識していきます。「褒める」という行いは言葉の通じない愛犬に「正しい行い」を教えてあげることなのです。

すかさず褒めることが大切

愛犬が「正しい行い」をした時には瞬時に褒めてあげるようにしましょう。正しい行いをした時に褒めてあげることで、愛犬は「この時はこれが正しいんだ」と理解することができます。

褒める時には普段よりも高めの声のトーンで、大好きなおやつやドライフードなどを与えながら褒めるのも効果的です。おやつは最初のうちだけにして、成功率が上がってきたら頻度を減らしていくと良いでしょう。

「叱る」の後には具体的な指示をあげよう

叱り言葉には「ダメ!」「ノー!」などがあります。普段からこの言葉で咎められている場合、愛犬はこれらの言葉でいけない行いを止めるかもしれません。しかしここで終わらずに、ぜひ「正しい行い」のコマンドを出してあげてください。「ダメ!」「ノー!」だけでは、愛犬がどうすれば良いのか分からなくなってしまう恐れがあるためです。

たとえばチャイムの音で吠えてしまう場合、愛犬は興奮している状態です。犬が興奮している時に大きな声で叱ると、その興奮をさらに助長させてしまう恐れがあります。

この場合は「待て」や「お座り」などのコマンドで「落ち着くこと」「静かにすること」を指示するのが効果的です。愛犬が吠えるのを止めたあとでしっかり褒めておやつを与えてみましょう。

「タイムアウト」で叱る

「タイムアウト」とは、愛犬が間違った行動を取った時に遊びやかまうのを止めるというしつけ方法です。愛犬に「こうすると楽しいことが終わってしまう」「こうするとかまってもらえなくなる」という方向で間違いを伝える方法です。

「ダメ!」という叱り言葉でも犬は理解することができますが、その行いによって「良くないことが起こる」と学んだ方がより効果的に伝わりやすくなります。

「失敗させない」環境づくりも大切!

愛犬へのトレーニングは、いかに「成功体験」を重ねていくかが重要です。「叱る」の機会を減らし「褒める」のチャンスを増やすことで、愛犬に正しい行いをしっかり褒められる経験をさせてあげる工夫が必要です。

たとえば「絶対ここでオシッコする」という玄関マットがある場合、トイレトレーニングが完璧になるまでマットは撤去する、または愛犬に玄関へ立ち入らせないというような「失敗させない環境づくり」が大切です。

まとめ

見つめる犬

愛犬を「叱る」のも「褒める」のも、適切に行おうと思うと簡単なことではありませんよね。「叱るしつけ」の方が見た目には早くしつけが入ると思われがちですが、実は「叱られてたから止めただけ」という上辺だけになってしまう恐れもあります。

「褒めるしつけ」には根気が必要で、何回も何回も地道に成功体験を繰り返していく必要があります。1日2日では完成しないため途中で諦めてしまうことも多くありますが、根気強く向き合ってきた時間によってしつけが定着しやすくなります。

褒めるしつけはすぐに褒めてあげないと効果が薄れてしまうため、ある程度愛犬と向き合う時間も必要です。「一緒にチャレンジしよう」という気持ちで、ぜひ愛犬と向き合うしつけトレーニングを行ってみてください。

しつけとは「伝えること」ということを心に留めておけば、愛犬はきっとその気持ちを受け取って頑張ってくれることでしょう。ぜひ愛犬に「成功させてあげる工夫」「成功に気付いてちゃんと褒めてあげること」を意識してみてください。

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