愛犬にとっての飼い主とは
犬は地球上の動物で一番初めに人間と生活を始めた生き物。その昔は狩りの仲間として、そして一昔前は番犬として、そして現在はコンパニオンアニマル(伴侶動物)として大切に育てられているワンちゃんが多いと思います。
非常に賢い生き物ではありますが、知能は人間の3歳前後と言われ、当然ながら何もかもを理解しているわけではありません。
私たちにとっては愛おしく大切な家族ですが、愛犬から見ると私たち飼い主はどんな存在なのでしょう?
愛犬は飼い主さんをどう思っているの?
愛犬との関係は良好ですか?個体の性格、飼い主さんとの関係性、生活環境などで違いはあると思いますが、多くの犬は飼い主さんのことを「家族」ととらえていると思います。
犬の祖先は群れの仲間と共に生活をするオオカミです。群れの仲間と共に餌となる獲物を捕まえたり、寝床となる巣穴を掘って生活していました。もちろん現在人に飼われている犬は狩りをすることもなければ、寝床となる巣穴を掘ることもありませんが、犬ならではの本能や習性はあります。
本来、群れの仲間と共に生活をする犬にとって飼い主さんは大切な家族(群れの仲間)という存在になっているはず。時々、犬は飼い主のことを「ご飯をくれるだけの人」や「散歩に連れて行ってくれるだけの人」と感じているはず、という意見も耳にしますがそれは接し方に問題があるのでは?と個人的には感じます。
愛情と優しい気持ちと共に重要なしつけをしっかりと行い、信頼関係を築けた飼い主さんは愛犬にとって頼もしく大好きで大切な家族になれているはずです。
飼い主さんと他の人の違いは?
人通りの多い道で少し離れた場所から愛犬に近づいて行っても、不思議と「あ!飼い主さんだ!」と気づいてくれますよね。気づいたとたんに笑顔で真っすぐにこちらを見つめ、尻尾をブンブン振りながらお出迎えしてもらったことがある飼い主さんも多いと思います。
多くの人の中から大好きな飼い主さんのことを見つけ出す犬の能力は凄いですよね!飼い主さんと他の人の違いをどうやって認識しているのか調べてみました。
ニオイで区別している
皆さんご存知のように犬は非常に嗅覚が優れた生き物。飼い主さんと他の人を区別する時、まず第一に「ニオイ」で確認しているよう。
犬の嗅覚は人と比べると100万~1憶倍と言われていますが、ずいぶんと差があると思いませんか?
実は犬種によって嗅覚にかなり差があり、マズルが長い犬種のほうが嗅覚が優れていると言われます。非常に高い嗅覚を持つ個体の中には目隠しをしたままでも飼い主さんのニオイを認識することができるとか。
また逆にパグやフレンチブルドッグなどのマズルが短い鼻ペチャな短頭種はやや嗅覚が劣っているようです。とは言っても人と比較すると非常にすぐれた嗅覚なので、鼻ペチャな犬種でも飼い主さんのニオイはしっかりと覚えてくれていると思います。
しかし犬が飼い主さんを認識するのはニオイだけではないようです。
音で区別している
犬の聴覚も人と比較すると非常に優れた五感のひとつ。どうやら飼い主さんと他の人の声を聞き分けることができるようです。
犬が「音」で飼い主さんを認識するのは、声だけでなく歩く足音やリズム、また飼い主さんがいつも持っているバックや鍵など、ほんのわずかな音しか発しない物でもその音をとらえて「飼い主さんだ!」と認識してくれているようです。
顔を見て区別している
嗅覚や聴覚と違い人より劣っていると言われるのが犬の視覚。
しかし劣っているというよりは視力が弱く0.3程度ということ、また色をほとんど識別できないという点はありますが、動体視力や暗闇で物を見る能力は人よりはるかに優れています。
そして犬は物を見るとき焦点を合わせるのが苦手。飼い主さんの顔もピントが合わずボンヤリと見えている可能性があるため、顔を見て認識するのは難しいのでは?と考えられていましたが、様々な実験により人間の顔を見分けて記憶しているという結果が出ています。
モニターに飼い主んさんの顔と知らない人の顔を映し出し犬の反応を見る実験では、飼い主さんが映った時だけ長い時間モニターを見つめるという傾向があったようです。
まとめ
まったく知らない人にはどうしても懐くことが出来ないワンちゃんでも、飼い主さんだけには優しくいい子に接することができるという子も少なくないはず。犬は確実に人を見分けることが出来ているようですね。
違う種族である私たち人間に飼われている犬を幸せにできるかどうかは、家族となった飼い主さん次第です。大切に育て優しい時間を共に過ごしていきたいものですね。