犬がトイレを失敗してしまう理由とは?
「子犬のトイレトレーニングが思うように進まない」「以前まで普通にトイレができていたのに、なぜか突然トイレを失敗するように…」という飼い主のお悩みの声はつきません。
しかし、犬がトイレを失敗してしまうのには、きちんと理由があります。ここでは、トイレトレーニング中の子犬と失敗するようになってしまった犬、それぞれの理由を紹介していきます。また、それぞれの理由に適した対策も解説していきます。
1.トイレのタイミングでトイレの場所を教わっていない
皆さんは子犬のトイレトレーニング時、きちんとトイレのタイミングを把握し、その都度、トイレの場所まで連れて行ってあげていますか。基本的なことではありますが、意外とできていない飼い主さんは多いです。
しかし、子犬は初めからトイレシーツの敷かれたトイレの場所を知っているわけではありません。飼い主が「ここでおしっこをするのよ」と教えてあげなければ、所構わず気に入った場所でしてしまいます。この最初の段階をクリアするためには、飼い主がトイレのサインを見逃さず、そのタイミングでトイレの場所へと連れて行く必要があります。
犬のトイレがしたいときのサインは以下の通りです。
- 床の臭いを執拗に嗅ぎ始める
- くるくると落ち着かない様子で回り始める
- 行ったり来たりする
これがトイレに行きたいサインです。この仕草が見られたら、抱っこしたり声をかけたりしてトイレに連れて行き、おしっこやうんちが出るまでその場で待機させましょう。トイレでおしっこができたら、思い切り褒めたり、時々ご褒美としておやつをあげたりしましょう。
ちなみに、目を離さなければいけないとき(仕事や外出時など)は、寝床であるサークルやケージ内にトイレを設置し、子犬でもトイレに辿り着きやすいようにしましょう。寝床に近すぎる場所にトイレがあると犬は嫌がるので、少しだけ距離を空けた場所に配置することをおすすめします。
2.トイレのサイズが小さすぎる
トイレトレーニングを初めて行う子犬の場合、トイレが小さすぎると失敗する回数が増えてしまいます。通常、トイレのパッケージには『小型犬用』などとサイズ目安が書かれていますが、それよりも1サイズ大きめのトイレを購入するとトイレの成功回数が上がります。
しかし、トイレも1台1台値段がかかるため、トイレができるようになったら通常のサイズのトイレを買って…となると、費用が2倍かかってしまいます。お金をできるだけ節約したいという場合は、始めのみ、トイレシーツだけを敷いて対応しましょう。最初は2~3枚と多めの枚数を使用し、トイレができる範囲を広く取ります。
しっかりその場所でトイレができるようになったら、徐々に範囲を狭めていき、最終的に通常のトイレの大きさ(トイレシーツ1枚)でできるようにしましょう。
3.トイレで排泄してはいけないと勘違い
トイレトレーニング中の子犬によくありがちな間違いとして、トイレトレーニング中に怒鳴られたり怒られたりすることで、「トイレでおしっこしてはいけない」と間違えて学習してしまっている可能性が挙げられます。
犬は人間の言葉を100%理解できません。特に子犬はまだまだ学習段階なので、飼い主の言葉をイントネーションや声のトーンから察する能力が低いです。そのため、なぜ飼い主が怒っているのかを正確に判断する能力も、成犬ほど備わっていません。
トイレトレーニング中に少しはみ出したからと怒鳴ったり叱ったりしてしまうと、「はみ出したから怒られた」とは思わず、「ここ(トイレ)でしたから怒られた」と勘違いしてしまうことも多くあります。基本的にトイレトレーニング中は大声で叱ったり怒鳴ったりせず、失敗してしまったら黙々と片付けるようにしましょう。
また、このように勘違いしてしまっている場合は、始めからトイレトレーニングをやり直し、その場所でトイレができたら思い切り褒めるなど、一から「ここでしていいんだよ」ということを植え付けるようにしましょう。
4.違う場所がトイレだと勘違いしている
前述の理由とは真逆の理由です。以前、違う場所でトイレをしてしまった際、笑顔で「もう、ダメじゃない」と言ったり、大きなリアクション(「ここでしちゃったの!」など)をとったりしていませんか。実はこの行動が原因である可能性があります。
トイレを違う場所でした際、このようなリアクションを取ると、「飼い主さんが笑っているから正解だ!」と間違えて覚えてしまったり、大きなリアクションに対して「飼い主さんが喜んでくれた」と勘違いしてしまったりすることがあるのです。飼い主側からすると怒ったつもりでも、叱り方によっては弱かったり、勘違いさせたりすることがあるので気を付けなければいけません。
対策としては、次にそこで排泄をしてしまった際、近くで目を見つめ、低い声で「ダメ」と叱ってください。笑顔は見せてはいけません。その後、黙々とリアクションせずに片付け、10~15分程度、愛犬から距離を取って行動しましょう。
すると、「あれ?何だかいつもと違う」「もしかして怒ってる?」と愛犬に気付かせることができ、これを繰り返すことにより、「ここはトイレではないのかもしれない」と学習させることに繋がります。
また、これと同時にトイレのサインを見せているときは、正しいトイレの場所に連れて行き、トイレで排泄させることも大切です。その際は、成功時にしっかり褒め、時々ご褒美を与えてあげましょう。
5.飼い主の気を引くために失敗している
以前までトイレができていたにも関わらず、ある日突然、トイレを失敗するようになった場合、飼い主の気を引くためにわざと失敗している可能性が考えられます。
このような状況になる原因はいくつかあります。例えば赤ちゃんや子犬が家にやってきたとき、家族の誰かが家から出て行ってしまったとき、引っ越しのとき、飼い主が忙しくてなかなか構えなくなったとき…。
このようなときに寂しさのあまりわざと悪いことをして、飼い主に自分のお世話をしてもらおうとするのです。対策としては、毎回トイレを失敗したときにリアクションを取らず、黙々と片付けた後、一旦部屋を去ったり、愛犬と距離を置いて行動したりします。
犬は構ってもらうことが目的なので、このように行動することで、「トイレを失敗してみせても構ってもらえない」と学習させます。しかし、トイレを失敗したとき以外は、きちんと愛犬と向き合い、遊んだりスキンシップを取ったりする時間をたっぷり取りましょう。元々は寂しさが原因なので、その原因を解消することが最も重要です。
まとめ
今回は犬がトイレを失敗してしまう理由とその対策法を解説してきました。子犬のトイレトレーニングは非常に芯の折れるしつけですが、一度しっかり覚えてしまえば、後は問題なくトイレをしてくれるようになります。今が踏ん張りどころだと思い、頑張りましょう。