①隠れる、遠くに離れる
犬が飼い主さんを警戒しているとき、部屋の中などで自分の身を隠すことがあります。飼い主のいない部屋に行くだけでなく、カーテンの裏やソファーの後ろ、ベッドの下などに隠れて様子を伺うような行動を見せることもあるでしょう。
「シャンプーをされる」「病院に連れていかれる」などこれから苦手なことや嫌なことをされると感じるときなどに、隠れたり遠くに離れて警戒することがあるのです。
単純に飼い主の存在に怯えたり、恐怖心を感じているわけではなく「これから何をされるんだろう?」というような不安があるときにはこのような行動が見られます。
すぐには捕まらない場所まで離れ、遠くから飼い主の様子を伺うのです。明らかに自分に害が及ぶことではなくても、見知らぬ人が自宅を訪ねてきたときや大きな荷物が届いて開封しているときなどにも、遠くから観察するような様子を見せます。
警戒する必要がないと伝えたいときは、無理やり捕まえに行ったり近づいたりせずに、離れた場所から優しく声をかけたり、にっこり笑ったりして安心感を与えてあげてください。
②頭や尻尾を下げる、震える
犬が飼い主を警戒しているときに、頭の位置や尻尾を下げることがあります。基本的に飼い主に対して尻尾を下げることなどはあまりないと思いますが、そのような様子を見せるときは警戒心や不安が強く出ている可能性があります。
また、飼い主がイライラしていたり、いつもとは違う態度のときなどに、頭や体を低く下げて上目遣いでこちらの様子を伺うような態度をすることもあります。そのときに尻尾を両足の間に丸め込んでいたり、耳を後ろにペタンと倒しているときには警戒心や不安感がより強いのではないかと思います。
さらに強く警戒しているときには体を小刻みに震わせることもあります。それほど強い反応が出ているときは、恐怖心に近いものを感じている可能性が高いでしょう。
飼い主相手ではそれほど強い警戒心や恐怖心を見せることはあまり多くないと思いますが、シャンプーや爪切りなど特に苦手なことや怖いと思っていることをされる前などにはこのような行動が見られることもあるでしょう。
飼い主が大声を出したり、身振り手振りを大きくしているときなどにも驚いてこうした態度を見せることがあるので、犬が安心できるよう静かな態度で接してあげるといいかもしれません。
③威嚇する(唸る・吠える)
「こちらに来ないで欲しい」「今していることをやめて欲しい」などと感じているときに、犬は唸ったり吠えたりして威嚇行動を起こします。歯を剥きだして唸ったり、吠えたりして威嚇するときはかなり強い警戒心があると考えられるため、飼い主に対してはあまり見せないかもしれませんね。
しかし、一度叩いたり蹴ったりという体罰を与えてしまった後や、人間に不信感を持つ犬を飼い始めたばかりのときなどにはこのような警戒の行動が見られることがあります。
こうしたときに無理に近づいたり、嫌がっていることを強要すると威嚇から攻撃行動に発展してしまう可能性が高いので注意しましょう。威嚇するほど強い警戒心を持ってしまっている犬に対しては、時間をたっぷりかけて信頼関係を築く(または築き直す)ことを考えましょう。
犬が不安にならない距離を保ちながら、「嫌がることはしない」「何も害は与えない」ということが伝わるように接してあげてください。
まとめ
犬が警戒しているとき、対象のものから隠れたり距離を取ったりすることが多いと思います。また、不安感を伴うときには頭や体を低くして上目遣いで様子を伺ったりもするでしょう。それは飼い主が相手でも同じこと。
飼い主がなぜかイライラしているときやいつもとは違う態度を見せるとき、これから犬が苦手としていることをされそうな予感がするときなどにこのような行動が見られると思います。また、非常に強い不安や恐怖を感じているときは飼い主相手でも唸ったり吠えたりして威嚇、警告の行動を起こすことがあります。
犬が警戒しているときには不用意に近づいたり、無理強いしたりするのはNGです。より警戒心を強めてしまいますし、飼い主に対する不信感を持たせてしまうことにつながるので、犬が自ら近づくなどの行動を起こすまでじっくりゆっくり待ってあげてくださいね。