口臭がひどくなりやすい犬の特徴5つ
1.口の中が汚れている犬
人間にも犬にも同じことが言えますが、歯にまつわる疾患は、放置しているとさまざまな病気の引き金となり、最終的には命に関わるような重篤な病気すら引き起こす原因となり得ます。愛犬の口臭に気づいた時、可能であれば愛犬の口の中をじっくり観察してみましょう。
歯の根元に茶色い歯石がたまっていませんか?歯石は、歯垢(しこう)にミネラルなどが混じり硬い石のようになったものです。
この歯石が固く、分厚くなり歯を支えている歯肉を圧迫すると、歯と歯肉の間に歯周ポケットという隙間が出来ます。その隙間に細菌が入り込み、炎症が起こると「歯肉炎」となり、さらにその炎症が進行すると、歯周病を引き起こし、重度になると歯を支えている骨が破壊されていきます。
歯の周囲にある歯肉のみに炎症が起こり、しかも軽度である場合を歯肉炎といいます。歯肉炎が悪化し歯の周囲だけでなく歯を支える歯槽骨にまで炎症が及んだ状態を歯周炎といいます。愛犬の口の中を観察した時、歯茎が異様に腫れていたり、歯がぐらついていたりする箇所があれば、歯周病が進行しています。
本来、成長する過程で抜け落ちて、永久歯に生え変わるはずの乳歯が残っていたり、正常な咬み合わせでない場合は、特に歯垢がたまりやすいので日ごろから注意が必要です。
2.よだれが多い犬種
ブルドッグ、セントバーナード、ラブラドールリトリバー、アメリカン・コッカースパニエルなどは唇が垂れ下がるといった特徴があるため、よだれが多く出てしまう傾向があります。よだれが多くても口の中の環境が良く、歯肉炎などがない場合はよだれが垂れても強い臭いがしないことがほとんどです。
しかし、歯肉炎や歯周炎がおこるとよだれにも多くの細菌が混じるようになり、さらに歯槽膿漏をおこすと膿の臭いが混じるためかなり強い臭いのするよだれが垂れるようになります。
3.元気がない犬
腎不全などを引き起こすと処理できない毒素が原因になり口からアンモニア臭がするようになります。
4.シニア期の犬
唾液の量が減ると口腔内の自浄作用が低下し口臭が強くなります。
5.ストレスを感じることが多い犬
緊張すると、生理現象によって唾液の量が減り、口の中が渇いて咥内の細菌が増殖します。本来なら、唾液で洗い流されるはずの細菌が口の中にこびりついてニオイを出すようになります。
犬の口臭の原因
口腔内のトラブル
歯周病、口内炎などが原因で生臭く、魚や野菜が腐ったニオイの口臭が発生します。
内臓疾患
胃腸炎や胃酸過多では酸っぱいニオイがし、尿毒症など腎臓系の疾患の時には、アンモニアのような口臭になります。前述した「口臭がする元気のない犬」と言うのは、なんらかの内臓疾患のために口臭がしている可能性が高い、ということです。
腸内環境の悪化
下痢にしろ、便秘にしろ、腸内環境が悪化すれば口臭がおきます。
加齢による代謝の低下
シニア期になると、新陳代謝が落ちるために腸内環境も若い頃と比べるとで体内に老廃物がたまり、口臭や体臭が強くなります。
犬の口臭を防ぐためにできること
口腔内の状態に気を配る
まずは、歯石が付かないように歯磨きなどのケアをしたり、口内炎、歯肉炎など口の中に異変が起きた時にすぐに気づけるような信頼関係を築きましょう。
腸内環境が整うような食事を与える
常に状態の良い便が規則的に排出されるように気を配ることと、口の中になにも問題がなく、体調にも異常がないにも関わらず、口臭が気になるのなら、一度、愛犬に与えている食事の内容を見直してみましょう。
安価なフードの中には穀物や油分、品質の低い肉類などが使用されていて、それが口臭を引き起こす原因となっている場合があります。
また、ヨーグルト、納豆など整腸作用のある食品を定期的に与えるのも腸内環境を整えるのに効果的です。ただし、アレルギーなどが気になる飼い主さんは、口臭を抑えるための食事に関してなにか気になることがあれば、獣医さんに相談してください。
体調の変化に気づけるようにする
元気がない、排泄物に異常がある、食欲がない…と言った愛犬の健康状態に関して常に気を配り、なにか変化があればすぐに気づけるように、日ごろからしっかりコミュニケーションが取れるようにしましょう。
まとめ
今回ご紹介した通り、口臭はただ「臭い」から不快になる、というだけでなく、命に関わるような疾患が原因となっていることもあります。歯周病が原因で心疾患や腎疾患を引き起こす場合もあります。
愛犬には健康で長生きしてほしいというのはすべての飼い主の願いです。愛犬の口が臭いことに気づいたら、まずは口臭が起きている原因を探ってみましょう。
自分だけで判断できなければ、かかりつけの獣医さんに相談して見てください。原因がわかれば、改善・解決の方法が必ず見つかるはずです。