まず大切なのは信頼関係!
「必ず戻ってくる」ことを教える
『マテ』を教えるうえで何よりも大切なこと、それはテクニックでもおやつでもなく、愛犬と飼い主さんの信頼関係です。「どんなに待たされても、飼い主さんは必ず帰ってくるから大丈夫」という信頼感がなければ、わんこは不安とストレスで『マテ』をすることはできません。『マテ』のトレーニングをする際には、まずこのことを頭の中に入れておいてください。
指示するときはアイコンタクトを
これは『マテ』に限らず全てのトレーニングに言えることですが、愛犬に指示を与えるときには必ず愛犬と目を合わせ、アイコンタクトをとったうえで行うようにしましょう。愛犬の集中力を高めるとともに、「誰が指示を出しているのか」「誰に従うべきなのか」を理解させて絆を深めるための大切なポイントです。
離れるときは声を掛けながら動き続ける
『マテ』のトレーニングの中では、愛犬を待たせたうえで愛犬から飼い主さんが離れていくという動作が欠かせません。このとき重要なのが、離れていくときには愛犬に声を掛け続けながら下がっていくこと、また、一度動きはじめたら止まらずに動き続けることです。
声や動きが止まってしまうと、愛犬も「あれ?もういいのかな?」と勘違いし、動いてしまう場合があるからです。
オスワリ・フセで『マテ』
オスワリ・フセをさせてまず誉める
『マテ』のトレーニングを始める際には、当然ながら『オスワリ』もしくは『フセ』をすでにマスターしていることが条件です。まずは『オスワリ』か『フセ』をさせ、指示に従えたことをたくさん誉めることから始めましょう。
力で押さえつけない
最初から『マテ』を理解できるわんこはいません。『オスワリ』や『フセ』の状態で『マテ』の指示を出しても、飼い主さんが離れていこうとすると立ち上がってしまう子がほとんどでしょう。
ですが、このときに無理やり腰を押したり、首輪を押さえたりして、力で体勢を維持させることは絶対にしないでください。わんこのトラウマになり、今後のトレーニングに支障が出ることがあります。
まずは1分間を目標に
『マテ』の指示を出して愛犬が何となく従えても、いきなり立ち上がったり離れて行ったりするのはやめましょう。愛犬は「どこに行くの?」と不安になってしまいます。まずは愛犬の横に座った状態から、慣れたら今度は立ち上がり、立ち上がっている時間を徐々に増やしていきます。
ごはんを『マテ』
ごはんやおやつをあげる際に『マテ』の指示を与えている家庭も多いのではないでしょうか。よだれを垂らしながらも健気に指示に従って待つ姿は少し可哀想でもありますが、ごはんを使った『マテ』はごはんがモチベーターとなるため、比較的トレーニングしやすくオススメです。その際には手のひらを愛犬の鼻先に向け、『マテ』の指示とともに軽く制止するようにします。
リードを使った『マテ』
1.ロングリードの準備を
次のステップとして、ロングリードを準備しましょう。ロングリードを繋いだら、愛犬の後方にある机の脚などにリードを回し、飼い主さんは愛犬に正対したままでその先端を持ちます。
2.リードでショックを与える
準備ができたら『マテ』の指示を与え、飼い主さんは徐々に愛犬から離れます。このとき、愛犬が立ち上がって飼い主さんの方に近づいてこようとしたら、再度『マテ』の指示を与えてリードを強く引きます。こうしてショックを与えることで待つことを教えます。繰り返して慣れてきたら、リードをなくしていきます。
隠れて『マテ』
3.必ず慣れている場所で行う
ついに最後のステップ、飼い主さんが見えない状態での『マテ』のトレーニングに入っていきます。愛犬を不安にさせないためにも、このトレーニングは自宅などの慣れ親しんでいる場所で行うようにしましょう。
4.犬からは見えなくても人からは見える場所
とはいえ、いきなり飼い主さんが姿を消してしまっては愛犬は不安になります。最初は丸見えの場所で距離を取り、声を掛けたまま歩き回りながら、ときどき愛犬の視野の外に出るようにしましょう。こうして視野外に出る時間を増やしていきます。
5.ドアを活用したトレーニング
自宅や室内でトレーニングを行う場合には、ドアを上手に活用します。まずはドアを開いた状態でドアの外まで離れ、『マテ』を維持させます。
その後、今度はドアを閉じて愛犬から見えない状態になり『マテ』を続けます。このときドアを閉じていても愛犬に声を掛け続け、「見えなくても飼い主さんはいるから大丈夫」と安心感を与えてあげることが大切です。慣れてきて信頼関係が完全に築けたら、声掛けをやめましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?『マテ』は一朝一夕にマスターできるトレーニングではありませんが、一度マスターしてしまえばさまざまな場面で役立ちます。根気よくトレーニングに臨みましょう。