1.「最適なごはん」の選択肢が狭まる
フードは「値段」で選ばない方が良い
今やドッグフードもたくさんの種類が販売されています。味やメーカーの違いだけでなく、ドッグフードの品質にも違いがあります。犬という動物のことをしっかり考えて作られていたり、安全性にこだわって作られたフードはやはりお値段も高くなります。
高級なフードを食べていれば健康になれるというわけではなく、お手頃価格のフードを食べて一生元気に過ごせるわんちゃんもいます。大切なことはドッグフードを「安いから」「高級だから」と値段で選ぶのではなく、「愛犬に合ったごはん」を選んであげることが重要です。
愛犬の「最適」を選ぶ選択肢は広い方が良い
特定の食材にアレルギーがあったり、体質に合わなくて体調不良を起こすこともあります。そして「子犬用」「シニア犬用」などの年齢ステージに合ったごはんも存在します。
さらには万が一病気を抱えた時に、病院でその病気をケアする「療法食」が処方されることもあります。フードにかかる費用をしっかりと用意してあげることで、愛犬にとって最適なごはんを選ぶ選択肢が広がります。
2.ランニングコストがかかる
ケージやトイレ本体、ごはん皿やペットベッドなど、初めて愛犬を迎える際には「長期的に使えるもの」の費用である初期費用がかかります。最初にドンとかかる費用なので大きい負担に感じてしまいますが、犬の飼育には継続的に必要となる「ランニングコスト」の負担が大きいです。
犬の飼育にかかるランニングコスト
犬の飼育において必要になるのは
- ごはん代
- トイレ用品
- 歯磨き用品
- 定期健診
- 狂犬病ワクチン接種
- 混合ワクチン接種
- ノミダニ予防薬
- フィラリア予防薬
- トリミングサロン利用費
- ペットホテル利用費
などの費用です。
ごはんやトイレ用品だけでなく、愛犬の健康を保つための歯磨き習慣や定期健診、ノミ、ダニ、フィラリア予防も欠かせません。そして年に1回の接種が義務付けられている狂犬病ワクチンや、その他の感染症を予防する混合ワクチンも必要となります。
混合ワクチンに関しては任意であり、毎年ではなく数年おきの接種を推奨する意見もありますので、お住まいの地域の環境やライフスタイルに合わせて「何種類の混合ワクチンが適しているか」「接種の頻度」を選ぶため、飼い主さんによってかかる費用が異なります。
またわんちゃんの犬種によってはトリミングサロンを利用した方が良い場合もありますし、愛犬の皮膚の健康を保つためにもプロによるトリミングはメリットが大きいです。そして飼い主さんのご都合によっては、ペットホテルやペットシッターサービスを利用すべき時も出てくる可能性があります。
3.医療費の負担が大きい
現金払いのみで何十万円の請求になる恐れも
最も準備しておいた方が良いのは「医療費」です。人間の医療費とは違い、犬の医療費は全額が実費負担となるためです。
料金設定は動物病院によってことなるものの「1回通院しただけで2万円」「入院や手術で20万円」というような高額な請求もあり得てしまいます。病院によってはクレジットカードが使えないことも少なくないため、あらかじめ「もしもの時用愛犬貯金」をしておくことが重要です。
ペット保険に加入するメリット・デメリット
犬の医療費の負担をサポートする「ペット保険」に加入するという手段があります。ペット保険に加入するメリットはやはり「医療費の負担を軽減できる」ということです。人間の医療保険と同じように、保険料を支払うことでいざという時の医療費のサポートを受けることができます。
しかし人間の医療保険とは違って、ペット保険は「掛け捨て型」が主流です。愛犬が一生元気でいられて病気にかからなければ、支払ってきた保険料は負担となってしまうということがデメリットとなります。
それを承知しつつ「お守り」として加入されている方も多いです。またペット保険にも対象とならない疾患があるなど、すべての治療費がカバーできるわけではないことも。
ペット保険に加入しつつ、愛犬のもしもの時用に保険料と同額程度の「積立貯金」を行っている飼い主さんもおられます。ペット保険に加入するかしないかという選択だけでなく、いかに愛犬のもしもの時用費用を準備しておくかということが大切です。
まとめ
お金がすべてではないものの、大切な愛犬の健康と安心を守るために飼育費用の備えは必要です。適切な飼育を行うことが犬の飼い主としてのルールですので、「お金がないから」という理由で選択肢が狭くなってしまうのは愛犬にも飼い主さんにも最高の状態ではありません。
2017年度の日本での調査では、犬の平均寿命は約14歳となっています。決して短い時間ではない愛犬の一生をずっと守っていくために、犬を迎える前にしっかりと飼育費用について考えておくことが大切です。