①吠える
私たち人間は、犬が吠えるとどうしても「うるさい」と感じてしまいがちです。それは、その吠え声の意味がわからず、“騒音”として認識してしまうからです。そして、吠えるのをやめて欲しい時にそれが伝わらず騒がしさが続いてしまうからでしょう。
しかし、犬の吠え声というのは、私たちが話す言葉と同じように意味を持っています。吠えている時は、犬にも何か伝えたい気持ちがあるのだと思います。怒っている時や警戒している時だけでなく、うれしい時や楽しい時にも犬は吠えます。
そして、飼い主に対して不満や文句がある時にも吠えることがあるのです。さらに、吠えるだけでなく、まるではしゃいでいるかのように走り回ったり、飼い主さんに対して体当たりしたりと暴れ回ることもあります。
吠えている時にそれに反応したり、犬が求めていることに従ってしまうと「吠えれば言うことを聞いてくれる」と思ってしまいます。そのため、犬が何かを要求するように、吠えて文句を言っている時は無視するようにしましょう。
②手足を舐める、尻尾を噛む
吠えることで積極的に文句を言う犬もいますが、そうしたアピールがうまく出来なかったり、要求に応えてもらえなかったりした時に自分の手足を舐めたり、尻尾を噛んだりすることがあります。
犬が手足を舐めたり噛んだりし続ける行為は、ストレスを感じている時に見られることがあります。手足から出血したり、尻尾の毛が抜け落ちてしまっても続けることがあるため、このような行動が見られた時は、ストレスの原因を探して解決したり、気を紛らわせて発散させてあげるようにしましょう。
③伏せた状態で飼い主を見つめる
飼い主さんに対して「もっとかまって欲しい」「遊んでくれなくてつまらない」などの文句を持っている時、遠い場所から様子を伺うように見つめてくることがあります。
犬が見ず知らずの人や犬に対して目を見つめると“喧嘩を売る”意味がありますが、相手が飼い主さんの場合は自分の気持ちを伝えたい、何かをして欲しい要求があると考えられます。伏せて飼い主さんを見つめながら、わかりやすくため息をつくこともあるでしょう。
また、飼い主さんの近くに行くと嫌なことや苦手なことをされると思っている時にも、遠く離れていくことがあります。ブラッシングや歯磨きなど、日常的なケアを苦手とする犬がその意思表示として飼い主さんと距離を取ることがあります。
④あくびをする
犬があくびをするのは、眠い時だけではありません。犬は自分や目の前にいる相手の気持ちを落ち着かせたい時にもあくびをすることがあるのです。こうした行動は「カーミングシグナル」と呼ばれる犬のボディランゲージのひとつで、他にも体を掻く、地面のにおいを嗅ぐということなどがあります。
愛犬が目の前であくびをくり返している時には、不満やストレスを感じていて気持ちを落ち着かせようと考えている可能性があるので、その場の状況や環境を見直してみるといいでしょう。
まとめ
吠えたり暴れたりといった行動でわかりやすく文句を言ってくる犬もいますが、静かに伏せて飼い主さんを見つめたり、自分の手足をひたすら舐め続けたり、あくびをしたりするなどの行動で不満の気持ちを示す犬もいます。
吠えることにしても、手足を舐めたりあくびをしたりすることにしても、どのような表現方法であっても犬に不満やストレスが溜まっていることに変わりはありません。
その状態を放っておくと犬は飼い主さんに気持ちを理解してもらえないと感じたり、ストレスをさらに溜めこんでしまったりします。
犬の体調に異変があらわれるようになったり、飼い主さんとの関係性が悪くなったりすることへの原因となることもあるので、できるだけ早く犬の気持ちに気づき、適切な対応をするようにしましょう。
