散歩中に犬のウンチを放置することは軽犯罪になる!?
犬のウンチを放置することはマナー違反だ!とよく言いますが、ただマナーが悪い飼い主というだけでは済まされないかもしれません。
犬のウンチは廃棄物処理法によって廃棄物として取り扱われています。廃棄物をみだりに捨てた場合、廃棄物処理法に違反したこととなり、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられることがあります。
しかし、こんな疑問は浮かびませんか?犬のウンチを放置する飼い主は多いのになぜ罰せられる飼い主はいないのか。
実は、散歩中に犬のウンチを放置したくらいでは廃棄物処理法に違反したとして罰することが難しいのです。一ヵ月分の犬のウンチを一ヵ所にまとめて放置したとなれば罰せられる可能性があるかもしれません。
軽犯罪法で罰せられる可能性は?
軽犯罪法には、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を捨てた者を拘留又は科料に処する」という記述があります。犬のウンチも汚物や廃物に該当する可能性が高いです。しかし、この法律によっても散歩中に犬のウンチを放置したくらいでは飼い主を罰することは難しいようです。
自治体によって罰せられる可能性がある!
散歩中に犬のウンチを放置した飼い主を廃棄物処理法や軽犯罪法によって罰することは現実的には難しいです。しかし、自治体の条例によって実際に罰せられた飼い主が存在します。
「犬のウンチを放置して立ち去った飼い主に対し、条例に基づいて5000円の過料を徴収した」ということがニュースで取り上げられたことがあります。これは全国でも稀な条例なのですが、「飼い犬のウンチを路上に放置した飼い主に過料を徴収することができる」というもので、大阪府泉佐野市が定めている条例です。
みなさんがお住まいの自治体にも犬と飼い主に関係する条例が定められているかもしれません。ぜひ確認してみましょう。
放置された犬のウンチが招く危険なこと
他の犬が食糞してしまうことがあります
犬は自分自身のウンチを食べてしまうことがあります。食糞で悩まれている飼い主さんも多いようです。犬が食糞してしまう原因は明確にはわかりませんが、決して良い行為ではありません。
もし、食べてしまったウンチが自分自身のウンチではなく、散歩中に放置された他の犬のウンチであったらどうでしょう。そのウンチには細菌がたくさんいます。寄生虫もいるかもしれません。感染症や病気を発症してしまうリスクがあります。
放置された他の犬のウンチを食べてしまうなんて考えただけでも恐ろしいことですよね。
子供たちが手に触れてしまうことがあります
犬の散歩が禁止されていない公園では、犬の散歩をし、ウンチを放置して立ち去る飼い主の姿を見かけることがあります。
公園には幼い子供たちも遊びにやってきます。地面を触って遊んだり、寝転がったり、座り込んだりします。このとき、手や体や服に放置された犬のウンチがついてしまうかもしれません。犬のウンチを泥と間違えて手に握ってしまうこともあるかもしれません。
靴で踏んでしまうことがあります
放置された犬のウンチを踏んでしまった経験が一度くらいはあるのではないでしょうか。かなり不快ですし、靴を洗うか捨てるか迷ってしまうほどです。愛犬のウンチを放置したことはありませんか?いつかご自身に返ってくるかもしれません。
まとめ
犬が散歩中にしたウンチを放置するとどうなるのか。
- 廃棄物処理法によって罰せられる
- 軽犯罪法によって罰せられる
- 自治体の条例によって罰せられる
- 他の犬が食糞してしまう
- 子供が手に触れてしまう
- 靴で踏んでしまう
散歩中に犬のウンチを放置して立ち去った飼い主法律によって罰することは難しいですが、放置した場所が他人の敷地内であった場合には民事上の損害賠償を追及されてしまう可能性も考えられます。
糞尿の悪臭による受忍限度を超えたとして慰謝料の支払いが命じられた裁判例もあるようです。散歩中の愛犬のウンチや排泄物には十分に注意し、適切に後始末をするようにしましょう。